アンナ・カレーニナ
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『アンナ・カレーニナ』 (Анна Каренина) は、1877年に出版されたレフ・トルストイによる小説、およびそれに登場する女性の名前。 冒頭に「幸福な家庭は皆同じように似ているが、不幸な家庭はそれぞれにその不幸の様を異にしているものだ。」という有名な一文がある。ドストエフスキーは『作家の日記』の中でこの作品を絶賛し、またトーマス・マンは「完璧な構成の作品」と述べている。世界文学の中でも最高峰の傑作の一つとされる。
目次 |
[編集] あらすじ
19世紀末のロシア、ペテルブルク駅。突然の列車事故が起こる。そこに偶然居合わせロシア高官カレーニンの妻アンナ・カレーニナと、若き陸軍士官・ヴロンスキー。運命に操られるように出会った二人が烈しい恋に落ちるのにそれ程の時間は必要でなかった。
アンナを心から愛し最高の理解者である兄・スティーバ、ヴロンスキーに恋するアンナの義理の妹・キティ。キティを慕う賢明で純朴な青年レイヴィン。
アンナを取り巻く様々な人間模様の中で、アンナとヴロンスキーの仲はペテルブルクの社交界でも格好の噂の種となり、厳格で体裁を重んずる歳の離れたアンナの夫・カレーニンも知るところとなる。
ヴロンスキーの子を宿すアンナ。異国の地へ逃避する道を選んだ二人であるが、アンナは最愛の息子・セリョージャへの断ち切れぬ思いから己の犯した罪に苛まれる。そんなアンナを目の前にし、やはり良心の呵責に苦しむヴロンスキー。一方、一度は失意を経験しながらお互いの大切さに気付き幸せに結ばれるキティとレイヴィン。同じように愛し合いながらも、対照的な運命をたどる。アンナ&ヴロンスキー、キティ&レイヴィン。やがて、その運命はアンナに決断を下させる。
[編集] 邦訳
- 岩波文庫 中村融 訳
- 新潮文庫 木村浩 訳
- 東海大学出版会 北御門二郎 訳
- 集英社ギャラリー世界の文学(14) 工藤精一郎 訳
- 三笠書房 世界文学選書 米川正夫 訳
- 河出書房 世界文学全集 中村白葉 訳
[編集] 映画
- 『アンナ・カレーニナ』(1935年 アメリカ)
監督:クラレンス・ブラウン、アンナ役:グレタ・ガルボ
- 『アンナ・カレーニナ』(1948年 イギリス)
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ、アンナ役:ヴィヴィアン・リー
- 『アンナ・カレーニナ』(1967年 ソビエト)
監督:アレクサンドル・ザルヒ、アンナ役:タチヤーナ・サモイロワ
- 『ジャクリーン・ビセットのアンナ・カレーニナ』(1985年 アメリカ)
監督:サイモン・ラントン、アンナ役:ジャクリーン・ビセット
- 『アンナ・カレーニナ』(1997年 フランス)
監督:バーナード・ローズ、アンナ役:ソフィー・マルソー
[編集] 舞台
ミュージカル『アンナ・カレーニナ』は1992年、ブロードウェイミュージカルとして誕生した。(脚本・作詞:Peter Kellogg、音楽:Dan Levine)
- 日本では東宝芸能が2006年2月-3月、上演した。
- アンナ:一路真輝
- ヴロンスキー:井上芳雄
- レイヴィン:葛山信吾
- スティーバ:小市慢太郎
- キティ:新谷真弓
- カレーニン:山路和弘
- プリンセス・ベッツィー:春風ひとみ
- セリョージャ:夏目卓実・真嶋優
- 演出:鈴木裕美。
- ストレートプレイとしても、数多く上演されている。