カシオペア (列車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
カシオペア(Cassiopeia )は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が上野駅~札幌駅間を東北本線・いわて銀河鉄道線・青い森鉄道線・東北本線・津軽海峡線(津軽線・海峡線・江差線)・函館本線・室蘭本線・千歳線・函館本線を経由して運転する寝台特急列車。
目次 |
[編集] 運行概要
1999年(平成11年)7月16日、「北斗星」の1往復を、E26系客車を使用するために置き換えた列車でもある。E26系車両は1編成しかないため、下りは上野発火・金・日曜日、上りは札幌発月・水・土曜日のみ運行される(夏季と年末年始は曜日に関らず2日に1本)。このため、定期列車ではなく臨時列車の扱いになっている。毎年10月下旬~12月上旬は車両の点検・整備のため運行はしない。
全車両A寝台で2人利用が前提という一般の列車よりも寝台料金が高額であるにもかかわらず、大変人気のある列車で、1か月前の寝台券の発売開始とほぼ同時に売り切れることも多い。
カシオペヤ座は北斗七星と同様、北極星を見つけ出すのによく使われる星座であり、この列車が東京~札幌間を寝台で往復することから、JR東日本はそれにちなんでこの愛称をつけたと言われている。
なお、この列車の構想時には「北斗星」のグレードアップ化の構想でもあったことから、「新北斗星」・「スーパー北斗星」の通称があったとされる。
停車駅:上野駅 - 大宮駅 - 宇都宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - <一ノ関駅 - 盛岡駅> - 函館駅 - 森駅 - 八雲駅 - 長万部駅 - 洞爺駅 - 伊達紋別駅 - 東室蘭駅 - 登別駅 - 苫小牧駅 - 南千歳駅 - 札幌駅
- <>内の駅には下り列車のみ停車。
また、展望室スイートの配置の関係で、2006年3月18日のダイヤ改正以降も青森駅を経由している。
[編集] 車両
- 牽引機関車
- EF81形電気機関車(田端運転所所属の79・89・92号機限定使用)
- 上野駅~青森駅間
- ED79形電気機関車(函館運輸所青函派出所所属)
- 青森駅~函館駅間
- DD51形ディーゼル機関車(函館運輸所所属)
- 函館駅~札幌駅間
- 客車
東日本旅客鉄道尾久車両センターに所属するE26系客車が使用される。
1号車が上野方、12号車が札幌方。津軽海峡線では編成方向が反転する(1号車が札幌方、12号車が上野方)。全車両が2階建車両である。
- 1号車:スロネフE26形:カシオペアスイート
- 2号車:スロネE26形:カシオペアスイート・カシオペアデラックス
- 3号車:マシE26形:ダイニングカー(食堂車)
- 4号車:スロネE27形100番台:カシオペアツイン・カシオペアコンパート
- 5号車:スロネE27形400番台:カシオペアツイン
- 6号車:スロネE27形300番台:カシオペアツイン
- 7号車:スロネE27形200番台:カシオペアツイン
- 8号車:スロネE27形0番台:カシオペアツイン
- 9号車:スロネE27形400番台:カシオペアツイン
- 10号車:スロネE27形300番台:カシオペアツイン
- 11号車:スロネE27形200番台:カシオペアツイン
- 12号車:カハフE26形:ラウンジカー・電源車
- または、カヤ27形501号:電源車(この場合ラウンジカーは連結されない)
[編集] 客室概要
- カシオペアスイート(展望室)
- カシオペアスイート展望室は、1号車の車端部に1部屋のみ存在する部屋である。構造は平屋で、寝台定員は2名であり、ベッドのほかに展望部分にリビングスペースを設ける。1部屋のみの設定であり、寝台券の確保は特に難しい。個室番号は、1号車1番。
- カシオペアスイート(メゾネットタイプ)
- カシオペアスイート(メゾネットタイプ)は、1号車・2号車にそれぞれ3部屋ずつ存在する部屋である。客室がメゾネットタイプの構造になっていて、1階が寝室・2階がリビングスペースとなる。寝台定員は2名だが、補助ベッドを使用し、3名で乗車することができる。その場合、補助ベッドはリビングスペースに設置される。個室番号は、1、2号車2~4番。
- カシオペアデラックス
- カシオペアデラックスは、2号車に一部屋のみ存在する部屋である。構造は平屋で、寝台定員は2名だが、補助ベッドを使用して、3人で乗車することができる。個室番号は、2号車1番。
- カシオペアコンパート
- カシオペアコンパートは、4号車に一部屋のみ存在する部屋である。構造は平屋建てで、車椅子に対応できるよう、客室や周辺の通路が広く作られている。なお、この部屋を使用できるのは、車椅子を必要とする利用者とその同伴者に限られる。よって、寝台料金も他の客室より安く設定されている。個室番号は4号車1番。
- カシオペアツイン(車端室)
- カシオペアツイン(車端室)は、4~6号車にそれぞれ1部屋、7~11号車にそれぞれ2部屋ずつ存在する部屋である。構造は平屋で、寝台定員は2名となる。このタイプの部屋は、補助ベッドを使用して3名で使用できる部屋もある。個室番号は、補助ベッド対応の部屋が7~11号車1番、補助ベッド対応しない部屋が4~11号車2番となる。
- カシオペアツイン(車端室タイプを除く)
- カシオペアツイン(車端室タイプを除く)は、4~11号車にそれぞれ8部屋ずつ存在する部屋である。構造は2階建てで、平屋の通路から階段を登り(降り)客室に入る。寝台定員は2名で、補助ベッドは使用できない。個室番号は、1階が11~14番、2階が21~24番となる。
[編集] 客室設備
- 以下の設備が、全客室に用意されている。
- トイレ・フェイスタオル・浴衣
- 空調・車内販売接近ランプ・非常ボタン
- テレビモニタ(BS放送・現在地ナビゲーション・ビデオ放送など)
- ウェルカムドリンク(ソフトドリンク)・モーニングコーヒー
- 以上の設備に加えて、カシオペアデラックス・カシオペアスイートには以下の設備も用意される。
- シャワー・バスタオル・アメニティーセット
- ウェルカムドリンク・ミニバーセット(ワイン・ウィスキー・氷・ミネラルウォータなど)
- ダイニングカー直結内線電話
[編集] 列車設備概要
- 3号車 ダイニングカー(食堂車)
- 食堂が2階にあり、ディナー・パブ・朝食の営業を行っている。このうち、ディナーは予約が必要となるが、パブ・朝食は予約不要である。ディナーはフランス料理と和食(懐石御膳)を予約時に選択できる。朝食は和食と洋食を注文時に選択できる。パブは、メニューが用意されるので、好きなメニューを注文することができる。なお、営業しているのは、NRE(日本レストランエンタプライズ)東京列車営業支店上野分室である。
- 12号車 ラウンジカー
- ラウンジカーが12号車にあり、乗客はいつでも利用できる。ソファーが用意されていて、外の眺望を楽しむことができる(なお、カヤ27-501が連結されるときは、ラウンジカーは連結されない)。
- その他設備
- ミニロビー(5号車、9号車)、共用シャワー(6号車、10号車)、自動販売機(5号車、9号車、12号車)、カード式公衆電話(2号車、12号車)、共用トイレ(2号車、7号車、11号車)