ゲーム雑誌
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ゲーム雑誌(ゲームざっし)とは、ゲームに関する情報を扱った雑誌。
日本では、特にコンピュータゲームの情報を取り扱う雑誌を指すことが多いが、ボードゲーム・カードゲーム・テーブルトークRPGなどについても専門誌が刊行されており、これら全てがゲーム雑誌である。
目次 |
[編集] 内容
コンピュータゲーム雑誌の場合、次の内容で構成されていることが多い。
- ゲーム業界での話題
- 新着ゲームの攻略記事
- 今後発売予定となるゲームの紹介 - 巻末で紹介される場合が多い。ただし、世間に良く知られたタイトルの続編などの場合は、スクープページを設けてその中で取り上げられることが多い。
- 人気ゲームランキング
- 裏技紹介 - かつては多く見られたが、2000年代以降はほとんど見られなくなった。
- ハイスコアランキング - 主にアーケードゲーム専門誌で扱われる。家庭用ゲーム誌では草創期に扱っていた事例はあるが、ロールプレイングゲームなど点数を競わないゲームが主流になって以後は皆無となっている。
[編集] 分類
大まかに以下のように大別できる。
- コンピュータゲーム専門誌
- テーブルゲーム専門誌 -テーブルトークRPGやカードゲーム(特にトレーディングカードゲーム)、ボードゲームの情報を扱う。なお、これらの情報はコンピュータゲーム誌でも部分的に扱われていることが良くある。
[編集] 歴史
コンピュータゲームに関してそれまではパソコン雑誌や少年・児童向漫画雑誌で数ページ扱われる程度だった。それが変わったのが専門誌の発行によるものである。1982年にパソコンゲーム誌「ログイン」(アスキー)と「テクノポリス」(徳間書店)が、1984年にはコンピュータゲーム総合誌「Beep!」(日本ソフトバンク)が創刊する。さらに1985年にテレビゲーム誌「ファミリーコンピュータMagazine」(徳間書店)が、1986年にアーケードゲーム誌「ゲーメスト」(新声社)が創刊し、これによってゲーム雑誌というジャンルが誕生することとなった。特にテレビゲーム誌では、当時はファミリーコンピュータが一大ブームとなったことが要因となり、ゲーム雑誌の第1次創刊ラッシュとなった。しかし創刊された雑誌は玉石入り交じった状態で、結果として休刊・廃刊に追いこまれた雑誌が多数でることとなり、ファミリーコンピュータMagazineや、ログインの一コーナーから独立した「ファミコン通信」(アスキー)を始め、「マル勝ファミコン」(角川書店)や「ファミコン必勝本」(JICC出版局)など、わずかな有力誌が生き残るのみとなった。
この事が転換するきっかけになったのは90年代に起こった数々の事例である。まず一つは次世代機の登場である。それまではファミコン・スーパーファミコンの市場独占状態で、競合機に関してはメガドライブとPCエンジンのように専門誌があったとはいえ、それだけでシェアがとれるわけでは無かった。しかし次世代機の登場によって競争状態となり、さらにプレイステーションが任天堂の牙城を崩した事で状況が一変した。ゲーム雑誌もこれにあわせる形で、全てのハードを扱う総合誌とそれぞれの機種を扱う機種別誌とを各社出すようになった。特に総合誌には新たに参入する出版社も多く、第2次創刊ラッシュとなった。同様の創刊ラッシュはアーケードゲーム誌においても、同時期に起きた対戦格闘ゲームブームが要因となって発生している。
美少女ゲーム専門誌の誕生も転換のきっかけである。英知出版系のメディアックスが、1991年に史上初のアダルトゲーム専門誌「パソコンパラダイス」を創刊し、以後アダルト系を主体とする出版社から同様のゲーム雑誌が数多く創刊されることとなる。同時期に沙織事件も発生し、これまでアダルトゲームを多く扱ってきたテクノポリスが記事掲載を取り止めたことで勢力は一変、アダルトゲーム専門誌が急成長する一方で、出版不況も重なり、テクノポリスは休刊に追いこまれた。また、家庭用ゲームでもときめきメモリアルに代表されるギャルゲーが一大ブームとなり、「電撃PCエンジン」(メディアワークス)がギャルゲーを中心とした誌面に転換、「電撃G'sマガジン」に誌名変更するなど、ギャルゲーをメインに扱う雑誌が増える事となった。
また、バブル崩壊が発端になった出版不況や出版社自体の混乱も転換の要因となった。徳間書店ではバブル崩壊の影響を受けて業績が悪化し、ゲーム雑誌自体から撤退を余儀なくされ、これまでファミリーコンピュータMagazineなどを制作したスタッフが編集プロダクションを設立し毎日コミュニケーションズで雑誌発行を開始した。角川書店では内部対立が発生し、これまでゲーム雑誌を制作していた部門が分かれ出てメディアワークスを設立する。アスキーも業績悪化と経営再建策に伴う内部対立からインプレスやアクセラができることになる(その後、アスキーではエンタテイメント部門が分社しエンターブレインとなった)。また新声社のように経営悪化のために倒産する企業もでた。このような形でゲーム雑誌およびそれに関連した業界も再編されていった。
その後創刊と淘汰を繰り返しながら、現在の状況になっている。ゲーム雑誌の中には「ゲーム批評」(マイクロマガジン)のようにゲーム関連企業の広告を一切受け付けずに、いわゆる提灯記事を掲載しない批評誌や、「ユーゲー」(マイクロマガジン)のようにレトロゲームや中古市場を扱った雑誌も創刊されている。市場シェアで見ると発行される雑誌の大半がエンターブレインとメディアワークスに集中、そのいずれもが現在では角川書店グループに入っているため、半ば角川グループの寡占状態となっており、こうした状態にソフトバンククリエイティブなど他社が追随している、という状況である。
一方テーブルゲーム誌ではゲームブックを中心として扱った「ウォーロック」(社会思想社)、ボードゲームを中心として扱った「タクテクス」(ホビージャパン)やゲームグラフィックス(大日本絵画)が創刊、その後主流がテーブルトークRPG、そしてトレーディングカードゲームへと移るとともに、それらを扱った誌面への変更や新たな雑誌の創刊などが繰り返し行われている。しかし絶対的な市場シェアは少なく、またコンピュータゲーム誌でも扱われることが多いためシェアも広がらない状況である。
[編集] 日本国内の主なゲーム雑誌の一覧
[編集] 現在刊行中の物
[編集] テレビゲーム誌
- 週刊ファミ通(エンターブレイン)
- ファミ通PS2(エンターブレイン)
- ファミ通Xbox360(エンターブレイン)
- ファミ通DS+キューブ&アドバンス(エンターブレイン)
- ファミ通Wave DVD(エンターブレイン)
- 電撃PlayStation(メディアワークス)
- 電撃PS2(メディアワークス)
- DENGEKI DS Style(メディアワークス)
- デンゲキニンテンドーDS(メディアワークス)
- ゲーマガ(ソフトバンククリエイティブ〈Beep→Beep!メガドライブ→SEGA SATURN MAGAZINE→Dreamcast Magazine→ドリマガ→現誌名へ〉)
- EXP.(ソフトバンククリエイティブ)
- Nintendo DREAM(毎日コミュニケーションズ)
- Vジャンプ(集英社)
[編集] パソコンゲーム誌
[編集] オンラインゲーム誌
- NETZONE(エンターブレイン)
- Hi-Player(ソフトバンククリエイティブ)
- 電撃OnlineGAMES(メディアワークス)
- オンラインゲームすごい攻略やってます(双葉社)
- ファミ通Connect!On(エンターブレイン)
[編集] アーケードゲーム誌
- アルカディア(エンターブレイン)
-
- 闘劇魂(エンターブレイン)
[編集] 美少女ゲーム誌(総合・一般向)
- 電撃G's magazine(メディアワークス)
- コンプティーク(角川書店)
[編集] 美少女ゲーム誌(成年向)
- TECH GIAN(エンターブレイン)
- パソコンパラダイス(メディアックス)
- メガストア(コアマガジン)
- 電撃姫(メディアワークス)
- PC Angel(オデッセウス)
- PUSH!!(晋遊舎、旧ファンタジェンヌ(大洋図書→晋遊舎))
- BugBug(サン出版/マガジン・マガジン)
[編集] BL・乙女ゲーム誌
[編集] その他のコンピュータゲーム誌
[編集] テーブルゲーム誌
- GAME JAPAN(ホビージャパン、旧ゲームぎゃざ)
- Role&Roll(新紀元社)
- ゲーマーズ・フィールド(ゲーム・フィールド)
- RPGamer(国際通信社)
- コマンドマガジン日本版(国際通信社)
- ゲームジャーナル(シミュレーションジャーナル)
[編集] 廃刊・休刊されたもの
- 徳間書店(徳間書店インターメディア発行)
- ファミリーコンピュータMagazine→ファミマガ64
- SUPER FAMICOM Magazine
- GAME BOY Magazine
- Nintendoスタジアム(→毎日コミュニケーションズ)
- ゲーセン天国
- ファミマガWeekly
- PC Engine FAN
- Virtual IDOL→Nadeshi-Co
- メガドライブFAN→SATURN FAN→ドリームキャストFAN
- プレイステーションマガジン
- テクノポリス
- MSX・FAN
- 3DO MAGAZINE
- マル勝ファミコン→マル勝スーパーファミコン→マル勝ゲーム少年 ※「マル勝」の正確な表記は「○」の中に「勝」
- マル勝PCエンジン ※上記に同じ
- マル勝メガドライブ ※上記に同じ
- コンプRPG
- Game Walker
- 電撃王→DENGEKI Games
- 電撃SEGA・EX→電撃SEGA SATURN→電撃Dreamcast
- 電撃アドベンチャーズ
- ソフトバンククリエイティブ(ソフトバンク出版事業部/ソフトバンクパブリッシング)
- Theスーパーファミコン→スーパー64
- GAME BLAST
- アーケードゲームMagazine
- ザ・プレイステーション
- RASPBERRY
- ファミ通DC
- ファミ通NetGames
- ファミ通TVゲーム攻略スペシャル→ファミ通ブロス
- Tech Saturn
- Tech Playstaion
- DearMy...
- E-LOGiN
- LOGOUT
- 週刊TV Gamer
- ENTa
- PlayOnline(→デジキューブ)
- 毎日コミュニケーションズ(MCプレス)
- GREAT SATURN Z→Dreamcast PRESS
- Online Player
- P-mate(→宙出版)
- 芸文社
- ネオジオフリーク
- スーパーゲーマーズ
- ファミコントップ
- ファミコンBEST
- ゲームコング
- ティーツー出版
- げーむじん→げーむじんPARTNER(→エンターブレイン「PALETTA」)
- ゲームボーイアドバンスマガジン
- その他の出版社
- ファミコン必勝本→HIPPON SUPER!!→64(ロクヨン)→攻略の帝王(JICC出版局/宝島社)
- ファミコンチャンピオン(秋田書店)
- MSX応援団(大陸書房)
- ハイスコア(ハイスコアメディアワーク発行/英知出版→日本文華社)
- ゲームボーイ→POWER GAMER!(マガジンボックス)
- じゅげむ(メディアファクトリー)
- 日経ゲームビート(日経BP社)
- Nintendo Kids(双葉社)
- HYPER SATURN→サターンV(ソニー・マガジンズ)
- OnlineGameMagazineEX(IDGジャパン)
- マイコンBASICマガジン(電波新聞社)
- 覇王→覇王マガジン(講談社)
- Game遊→Game遊II(リイド社)
- ゲーム必勝ガイド(白夜書房)
- ゲームランド→ゲームチャージ(マガジンランド)
- ExGAME(ブレイン・ストーム)
- Puregirl(ジャパン・ミックス)→Colorful PUREGIRL(ビブロス)
- ウォーロック(社会思想社)
- ゲームグラフィックス(大日本絵画)
- シミュレイター(翔企画)
- ゲーム会議(新紀元社)
- アソコン(辰巳出版)
[編集] ごく短期的に発行されたもの
- PCエンジン通信(アスキー)
- ComConBoy(勁文社)
- GAMEアクション(双葉社)
- 電脳画報(マガジンハウス)
- ゲームクリップ(ジャパン・ミックス)
- ヒロインゲームズ(ソニー・マガジンズ)
- ヒロインゲームコレクション(集英社)
- プリティグラフィック(アクセラ)
- PASOCOM PRESSE(三和出版)
- 電脳通信PiPi(マガジンボックス)
- 電脳美少女Bin・Bin(光彩書房)
- カラフルAPEX(ビブロス)
- デジタルミント(新声社)
- 電撃若(メディアワークス)
- BLUEBERRY(ソフトバンクパブリッシング)
- THUNDER(マイクロマガジン)
- AGマガジン(エンターブレイン)