ザ・タイガース 世界はボクらを待っている
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「ザ・タイガース 世界はボクらを待っている」は、1968年制作の日本映画である。
1960年代後半のGSブームで頂点に立った人気グループ、ザ・タイガースの第1作目となる主演映画。和田嘉訓監督。
アンドロメダ星の王女シルビィとザ・タイガースの人気者ジュリーのメルヘンチックなSFコメディ。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 解説
1968年4月10日に東宝系で公開された。 監督は、「ドリフターズですよ! 前進前進また前進」(1967年)、「クレージー黄金作戦」(1967年)など、ザ・ドリフターズやクレージーキャッツの主演映画を手がけている和田嘉訓。脚本は「ハワイの若大将」(1963年)や「エレキの若大将」(1965年)といった加山雄三の若大将シリーズなどを手がけた田波靖男。撮影は、横溝正史シリーズなど市川崑監督とのコンビで知られ、後に映画「魔界転生」(1981年:沢田研二主演)を手がけた長谷川清が担当している。
到底特撮とはいえない水準の宇宙船や、ストーリー展開と無関係にロケーションが変化するなど、いかにもアイドルの主演映画といったお粗末な内容。それでも、映画館に集まったファンは銀幕に映るメンバーに歓声を送ったらしい。作中でジュリーこと沢田研二が、「映画館でご覧のみなさんも一緒にお願いします」と語りかける場面まである。しかし、当時「星の王子様」を自称し、キザを売り物にしていた三遊亭圓楽 (5代目)がナルシス殿下という役名で特別出演していたり、王女シルビィの従者として天本英世が妙なコスチュームで登場していたり、さらにはザ・タイガースの警備を担当する刑事役で小沢昭一も出演していたりする点は興味深い。
[編集] あらすじ
アンドロメダ星の王女シルビィは、婚約者であるナルシス殿下との結婚が悩みの種。憂さ晴らしに出かけたドライブの途中、通りかかった地球上空でザ・タイガースの演奏に音波を乱され地球に不時着する。ザ・タイガースのコンサート会場に出向いたシルビィは熱狂的なファンに巻き込まれて気絶してしまう。そんな彼女を助けたのが人気者のジュリーだった。行方不明となった王女を従者のヘラクレスとベスが捜し出し、宇宙船に戻そうとするがザ・タイガースのメンバーに阻止されて失敗する。アンドロメダ星から派遣された秘密警察員とシルビィを巡る攻防が繰り広げられるが、シルビィはジュリーに心を残しながらも宇宙船へと戻る。しかし、想いを断ち切ることができないシルビィは、ベスの協力でジュリーを宇宙船に呼び出すとそのまま飛び立ってしまった。ジュリーのいないザ・タイガースの演奏が夜空に響く。ファンも悲痛な面持ちでジュリーを求める。辛そうなジュリーの横顔を見たシルビィは、彼を独占することを諦める。ジュリーを地上に戻し、シルビィを乗せた宇宙船は去っていった。
[編集] サウンド・トラック
ザ・タイガースは、本作のサウンド・トラック盤を、ポリドールから1968年4月20日にリリースしている。 タイトルは本作と同じで、「ザ・タイガース 世界はボクらを待っている」(THE TIGERS / THE WORLD IS WAITING FOR US)だが、これは、ジャズにおけるスタンダードの名曲として名高い「THE WORLD IS WAITING FOR THE SUNRISE (世界は日の出を待っている)」から引用したものと思われる。収録曲は、既にリリースされたシングルEPのAB両面10曲を中心に構成され、新曲は「イエロー・キャッツ」のみ。曲順は本作での登場順に合わせてあるが、実際のサウンド・トラックとは異なっている。
曲名 | 時間 | 作詞 | 補作詞 | 作曲・編曲 | |
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01 | 君だけに愛を | 3'23" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
02 | 銀河のロマンス Instrumental | 1'38" | すぎやまこういち | ||
03 | モナリザの微笑み | 2'50" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
04 | 花の首飾り | 3'53" | 菅原房子 | なかにし礼 | すぎやまこういち |
05 | 僕のマリー | 2'56" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
06 | 落葉の物語 | 4'04" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
07 | 真っ赤なジャケット | 3'10" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
08 | イエロー・キャッツ | 3'06" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
09 | 星のプリンス | 3'33" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
10 | こっちを向いて | 3'42" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
11 | シーサイドバウンド | 3'15" | 橋本淳 | すぎやまこういち | |
12 | 銀河のロマンス | 3'46" | 橋本淳 | すぎやまこういち |
[編集] キャスト
- ザ・タイガース
- 久美かおり:シルビィ
- 天本英世:ヘラクレス
- 浦島千歌子:ベス
- 三遊亭圓楽 (5代目):ナルシス
- 松本めぐみ:雅子
- 高橋厚子:京子
- 美保くるり:早苗
- 小橋玲子:みどり
- なべおさみ:中江
- 小松政夫:田村
- 小沢昭一:早瀬
- 保積ペペ:唯
- 石橋エータロー:犬をつれた青年
- 武智豊子:おばさん
- 田中淳一:秘密警察員A
- 広瀬正一:秘密警察員B
- 岩本弘司:秘密警察員
- 加藤春哉:医者
- 浦山珠実:看護婦
[編集] スタッフ
- 監督:和田嘉訓
- 脚本:田波靖男
- 音楽:森岡賢一郎、すぎやまこういち
- 撮影:長谷川清
- 制作:渡辺晋、五明忠人
- 美術:育野重一
- 編集:池田美千子
- 録音:吉岡昇
- 照明:山口虎男
- スクリプター:岩井高志