ジョーン・ロビンソン
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ジョーン・ロビンソン(Joan Violet Robinson, 1903年10月31日 - 1983年8月5日)は、イギリスの経済学者。夫は経済学者のオースティン・ロビンソン。
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[編集] 生涯
イングランドのサリー州生まれ。ケンブリッジ大学を卒業。ピエロ・スラッファの影響を受けて、不完全競争の理論を確立した。また、1931年に結成されたケインズ・サーカスではその中心メンバーとして活躍。その後、マルクス経済学も研究の対象とする。
ケインズの一般理論発表後はケインズ理論の動学化を研究し、アメリカのポール・サミュエルソン、ロバート・ソローらと論争を繰り広げた。彼女はまた、マルクス経済学者のケインズ解釈に評価を与えた一方で、IS-LM分析や新古典派理論には懐疑的であった。
1956年には『資本蓄積論』を出版。1965年、夫の後を受けてケンブリッジ大学教授に就任。
[編集] 著書
- The Economics of Imperfect Competition (1933)
- An Essay on Marxian Economics (1942)
- Accumulation of Capital (1956)(杉山清訳『資本蓄積論』みすず書房)
- Essays in the Theory of Economic Growth (1962)
- Economic Philosophy: An essay on the progress of economic thought (1962)
- Economic Heresies (1971)(宇沢弘文訳『異端の経済学』日本経済新聞社)
[編集] 語録
- 「経済学を学ぶ目的は、経済学者にだまされないようにするためである」
[編集] 参考文献
- 宇沢弘文「ジョーン・ロビンソンの経済学」『経済学の考え方』pp.170-185(岩波新書、1989年)