スカイマーク
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スカイマークエアラインズ | ||
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IATA BC |
ICAO SKY |
コールサイン Skymark |
設立日 | 1996年 | |
ハブ空港 | 東京国際空港 (第1旅客ターミナル) |
|
保有機材数 | 9機 | |
目的地 | 5都市 | |
本拠地 | 東京都港区 | |
代表者 | 西久保愼一 (代表取締役会長兼社長) | |
ウエブ: http://www.skymark.co.jp |
種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 105-0013 東京都港区浜松町1-30-5 浜松町スクエア12階 |
電話番号 | 03-5402-6767(代表) |
設立 | 1996年11月12日 |
業種 | 空運業 |
事業内容 | 定期航空運送事業 |
代表者 | 代表取締役会長兼社長 西久保愼一 |
資本金 | 40億1288万9625円(2006年8月1日) |
売上高 | 357億円 (2005年4月〜2006年3月) |
従業員数 | 1,013人 |
決算期 | 毎年3月31日 |
主要株主 | 西久保愼一 46.5% エイチ・アイ・エス 18.0% |
主要子会社 | スカイパックツアーズ株式会社 |
関係する人物 | 澤田秀雄 |
外部リンク | http://www.skymark.co.jp/ |
スカイマークエアラインズ(Skymark Airlines)は日本の航空会社。正式会社名はスカイマーク株式会社。2006年10月1日より、旧社名の「スカイマークエアラインズ株式会社」(Skymark Airlines Co., Ltd.)から、略称として定着していた「スカイマーク」を社名に変更した。(なお、英文表記では引き続き "Airlines" が使われる)
目次 |
[編集] 沿革
スカイマークは、旅行代理店のエイチ・アイ・エス社長・澤田秀雄らの出資により設立された。その後、2003年にはインターネットサービスプロバイダ(ISP)のゼロ株式会社会長・西久保愼一が増資を引き受け、社長に就任した。
- 1996年11月12日 - 設立
- 1998年9月19日 - 羽田~福岡線就航
- 1999年4月24日 - 大阪(伊丹)~福岡、大阪(伊丹)~札幌(新千歳)線就航 (2000年6月廃止)
- 2000年5月31日 - 東証マザーズ上場
- 2000年9月 - 全日本空輸(ANA)に委託していた航空機の整備を自社で行うようになる
- 2002年4月18日 - 羽田~鹿児島線就航
- 2003年3月7日 - 羽田~韓国・仁川に週末国際チャーター便就航開始。(現在は休止中)
- 2003年4月25日 - ANAの撤退を受け、羽田~徳島・青森線に就航 (青森線は2003年11月末廃止)
- 2003年10月 - 西久保愼一が社長に就任
- 2004年11月 - インターネットプロバイダーのゼロを吸収合併
- 2005年3月1日 - 1:200の大幅な株式分割を実施
- 2005年3月 - 羽田~関西線就航(1日4往復)。 CIを導入、ロゴマーク、機体塗装が一新される(塗装変更は進行中)
- 2005年4月 - 日本航空とのコードシェア便運行を開始(羽田-関西)
- 2005年7月1日 - 羽田~沖縄(那覇)線深夜便を運航(2005年9月まで)
- 2005年10月12日 - 羽田~新千歳線に2006年4月に参入すると発表。同時に羽田~関西空港、羽田~徳島線、及び羽田~鹿児島間の廃止を決定
- 2005年12月 - 新機材ボーイング737-800型機の導入を開始、順次置き換え予定
- 2006年2月16日 - 神戸空港開港に合わせ、羽田~神戸線に就航(1日7往復)
- 2006年3月31日 - 羽田~関西空港線廃止
- 2006年4月13日 - 羽田~徳島線廃止
- 2006年4月21日 - 羽田~鹿児島線廃止
- 2006年4月28日 - 羽田~新千歳線に就航
- 2006年10月1日 - スカイマークエアラインズ株式会社(英文名 Skymark Airlines Co., Ltd.)から、スカイマーク株式会社(英文名 Skymark Airlines Inc.)に商号変更。
なお、2004年にスカイマークと合併したのは「ゼロ株式会社」である。クレジットカード決済代行会社の「株式会社ゼロ」とは全く関係ない。ISP事業は合併とほぼ同時期にGMOインターネットへ売却されている。
[編集] トピックス
いわゆる規制緩和による新規参入航空会社の第一号。
1998年(平成10年)に福岡空港-羽田空港間で運航を開始。機内サービスを簡素化し普通運賃を当初、他航空会社の普通運賃の半額に抑え、平均搭乗率80%以上記録した。しかし、既存航空会社はスカイマーク便前後に同一金額にした座席を設ける対抗策をとった。その結果、スカイマークは次第に搭乗率を下げ平均搭乗率が60%を切る事が多くなりさらに苦しい赤字経営となった。その後、自社による副操縦士の教育プログラムや自社整備の拡大、航空運賃の見直しを図るなどし一時的ではあるが黒字を出すまでになった。
2004年12月に北海道国際航空(ADO)に対する経営統合構想を表明したり、国土交通大臣を相手取って、北海道国際航空の羽田空港発着枠を巡る訴訟を起こしたが、2006年4月に東京地方裁判所に却下された。
「大手より約40%安い普通運賃」「一部座席5000円均一(SKYバーゲン)」は、一見して無謀にも思える価格設定であるが、「搭乗率が8割を超えれば黒字が達成できる」(西久保社長)戦略とされている。大手2社がアッパークラスの拡充に尽力する中での賭けとも言えるが、今のところ「SKYバーゲン」は完売が続いている。2006年2月の普通運賃値下げに際して強く打ち出された「ノン・フリル(サービスなし)」がどれだけ顧客に受け入れられるか、「格安航空会社」の老舗がどれだけ業績を伸ばせるかが、今後の注目すべき点だといわれている。
2006年3月、抜本修理すべき機体を、期限を9ヶ月過ぎるまで放置していた問題が発覚した[1]。また2005年以降、経営陣の方針に批判的なパイロットや確認整備士らが数十人規模で退職し、人手不足と指摘されており、国土交通省が抜き打ち検査を実施するなど、同社の安全管理体制を懸念する声があがっている[2][3]。日本経済新聞の2006年3月21日の社説によれば、西久保社長がITベンチャー企業的な成果主義的人事制度を導入したことが原因といわれ、国土交通省が職員7人による同社専従の特別監査チームを発足させ、場合によっては経営体制の見直しも浮上すると報じている。
その意味では、日本におけるローコストキャリアの確立という、「産みの苦しみ」が現在も続いているとも考えられる[4]。
一方でスターアライアンス等の航空連合に加入していない為に国内線は元より、チャーターによる運行実績がある国際線においても路線網の乏しさが懸念されている。今後、航空連合の加入も含めてどのような戦略が取られるのかが注目される。
[編集] 簡素化されたサービス内容の例
- 機内サービスは普通席・上級席(シグナスクラス)とも、ひざ掛け毛布と幼児向け絵本の貸し出し、自社時刻表の配布に限定し、機内食や茶菓、おしぼり、機内番組、新聞、雑誌、機内誌などの配布を中止。飲料水は100円で機内販売している。
- 欠航時は運賃の無手数料払い戻しか後続・後日の自社便への無手数料変更のみとし、他社への振替や宿泊手配、食事券の配布などを中止。
[編集] 運航路線
2006年7月現在、東京国際空港を拠点に4路線を運航。
- 福岡空港
- 神戸空港
- 那覇空港
- 深夜便:季節運航(2006年は7月14日(東京国際空港発)、7月15日~9月10日、9月11日(那覇空港発))
- 通常便:2007年3月31日まで運航予定。4月1日以降は未定。
- 新千歳空港
新千歳空港便の運航に際して、国土交通省から業務改善勧告を提出の上で運航を認可されるという異例の「条件付き」での認可となった。
[編集] 運航機材
- 全長・・・・54.94 m
- 全幅・・・・47.57 m
- 全高・・・・15.85 m
- 巡航速度・・880 km/h
- 1998年の就航当初から使用している主力機。現在は1・2号機のみにシグナスクラスが設定されている。新千歳線就航を前に全機新塗装への移行を完了したが、2010年頃を目途に全機が退役する予定(後述)。また4号機(JA767D)は就航前に破産した沖縄県のレキオス航空がJA01LQのナンバーで発注していた機体であり、全席革張りシートで液晶画面も装備されている。なお、就航当初はボーイング767の通常座席配置に対し横1列追加した配置(2-4-2の横8列)で話題になったが、4号機(JA767D)以降は通常の設定(2-3-2の横7列)となり座席数もほどほどに抑えられているため、ゆったりした客室内となっている。
機体記号 | 型式 | 製造番号 | 座席数 | 受領年月日 | 備考 | |
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1号機 | JA767A | BOEING767-3Q8ER | 27616 | F12/Y297 | 1998/08 | [1] |
2号機 | JA767B | BOEING767-3Q8ER | 27617 | F12/Y297 | 1998/10 | [2] |
3号機 | JA767C | BOEING767-3Q8ER | 29390 | Y280 | 2002/03 | [3] |
4号機 | JA767D | BOEING767-36NER | 30847 | Y265 | 2003/09 | [4] |
5号機 | JA767E | BOEING767-328ER | 27427 | Y262 | 2004/10 | 1995年製 前V8-RBN [5] |
6号機 | JA767F | BOEING767-38EER | 30840 | Y271 | 2005/03 | 2001年製 前HL7595 [6] |
(2003/4~2004/9 全日空よりJA8255(BOEING767-281)をリースして運行)
- ボーイング737-800 3機(※2006年内に4機に増備予定)
- 全長・・・39.4 m
- 全幅・・・34.3 m
- 全高・・・12.5 m
- 巡航速度・・・0.785 mph
- 日本の航空会社では初の導入。現在3機体制で神戸線・福岡線の運用についている。2号機の登録番号が「K」としたのは「I」は数字の「1」と、「J」はJAL機と区別がつかないからである。
機体記号 | 型式 | 製造番号 | 座席数 | 受領年月日 | 備考 | |
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1号機 | JA737H | BOEING737-86N | 34247 | Y177 | 2005/12 | [7] |
2号機 | JA737K | BOEING737-86N | 34249 | Y177 | 2005/12 | [8] |
3号機 | JA737L | BOEING737-86N | 32694 | Y177 | 2006/06 | [9] |
- 同型機の導入により、新規参入組では航空機数・路線規模共に一歩抜き出た格好となった。また、原油価格高への対処や大手二社との差別化のためにローコスト化を進め、現在6機あるボーイング767型機を順次退役させ、2010年を目途に保有機材をボーイング737-800に統一、保有機材数も10機以上に拡充する意向を見せている。将来的には、神戸空港発着の地方路線の就航や既存路線の増便、2009年の羽田空港再拡張・定期国際線就航にも対応できるとしている(2005年4月1日・日本経済新聞記事より)。
[編集] 関連
- 神戸総合運動公園野球場(命名権公募により2005年からスカイマークスタジアムとなる)
- 契約制客室乗務員
- 格安航空会社
[編集] 外部リンク
[編集] 注記・参考資料
- ↑ 「スカイマークエアラインズ(株)に対する厳重注意について」2006年3月14日、国土交通省航空局航空機安全課
- ↑ 2006年4月11日 衆議院国土交通委員会が西久保会長兼社長および井手副会長を参考人招致(議事録, ビデオ)
- ↑ 2006年6月13日 参議院国土交通委員会が西久保会長兼社長および井手副会長を参考人招致(議事録)
- ↑ 「業務改善計画書提出について」(PDF) 2006年4月24日