ツァイス・イコン
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ツァイス・イコン(Zeiss-Ikon)はカール・ツァイス財団(Carl Zeiss Stiftung, 1846年-)の傘下の、1926年創設の企業。カール・ツァイス財団の主導で有力カメラメーカーであったイカ、エルネマン、C.P.ゲルツ、コンテッサ・ネッテルの4社を統合して発足。(その後、1928年ウェツラーのヘンゾルド社が傘下に、1931年プロンター・シャッターを製造していたアルフレッド・ゴーティル社が傘下に参入。計6社を統合。)
キュッペンペンダー博士を責任者として1932年、「ライカサイズ(24X36mm)」の「コンタックス」を発売。カール・ツァイスの開発したテッサーと、ルードヴィヒ・ベルテルの設計したゾナーF1.5がラインアップされ、「コンタックス」は1932年に距離計連動連動を採用した「ライカII型」にごくわずか遅れて発売されたが。1936年には「II型」「III型」にモデルチェンジされた。
ドイツ・ドレスデンに主力が置かれていたツァイス・イコン社は、第二次世界大戦による東西分断で、戦後は改めて西ドイツのシュトゥットガルトに「オプトン社」として本拠が移り、その後「ツァイス・オプトン社」と名義変更、そして「カール・ツァイス」と再度名義変更し、1950年には新設計の「コンタックスIIa型」、翌年に「IIIa型」が発売された。一方、カール・ツァイスの本拠地イェーナの工場は、「人民工場」として発展し、この同名のハウスマークをめぐって、商標権の侵害訴訟が生じ、結局、販売地域と輸出地域を切り分けることで和解をみることになる。
なお、東側では、イエナのカール・ツァイス人民公社のほか、ドレスデンを中心に多くの製造公社が人民公社として組織され、統合と分離を繰り返す。ツァイス・イコン、KW、バルダ、ヴェルタ、クルト・ベンツィンなどは組織化されたが、やがてペンタコン人民公社に統合される。
また、西側は、1946年オーベルコッヘンに新しく「ツァイス」の工場が操業再開。ツァイス・イコンは、シュトゥットガルトを本拠地にあたらしく「コンタックス」再開発、1956年、フォクトレンダー社の株式を全額取得し、協働体制をとり、1969年完全合併する。しかし1971年、ツァイス・イコン社はカメラ生産から撤退を発表。1972年生産が打ち切られ、コンタックスは消滅してしまった。これにともない、レンズを供給していたカール・ツァイス社はあたらしい供給先を探し、1974年、日本のヤシカと提携、コンタックスRTSが発売され、コンタックスは復活した。
1983年ヤシカは京セラの傘下となり、MF・AF一眼レフカメラやAFレンジファインダーカメラを製造していたが、2005年京セラはコンタックス事業の終了を発表。再びコンタックスが消滅することとなってしまった。しかし、前年の2004年コシナとカール・ツァイス社が提携し、レンジファインダーカメラ「ツァイス・イコン」とカール・ツァイスレンズを発売する事が決定した。
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[編集] 製品
[編集] 旧コンタックス
詳しくはコンタックス#ツァイス・イコンの製品を参照。
[編集] 新生ツァイス・イコン
ボディはコシナ、レンズはコシナとツァイス(15mm, 85mm)がそれぞれ担当。
また一眼レフ用として、ZFマウント(ニコンFマウント互換)、ZSマウント(M42マウント互換)のレンズも出されている。
[編集] ボディ
- Zeiss Ikon - 35mm判レンズ交換型レンジファインダーカメラ。電子シャッター搭載。マニュアル露出、絞り優先AE対応。シャッターの最高速度は1/2000秒。露出補正は1/3ステップ。レンズマウントはZMマウント(ライカMマウントと互換性あり)。シルバーが2005年10月29日発売。
- Zeiss Ikon SW -Zeiss Ikonから測距離器とファインダーを取り去った機体。広角レンズでの使用を前提に開発された。露出はLEDで示される点以外の機構はZeiss Ikonとなんら変わらない。ファインダーレスのためやや低いボディに青いZeissバッチが目に付く。
[編集] レンズ
- Distagon T* 2.8/15 ZM
- Distagon T* 4.0/18 ZM
- Biogon T* 2.8/21 ZM
- C Biogon T* 4.5/21 ZM
- Biogon T* 2.8/25 ZM
- Biogon T* 2.8/28 ZM
- Biogon T* 2/35 ZM
- Planar T* 2/50 ZM
- C Sonnar T* 1.5/50 ZM
- Sonnar T* 2/85 ZM
(以上ZMマウント)
- Distagon T* 2.8/25 ZF
- Distagon T* 2.0/35 ZF
- Planar T* 1.4/50 ZF,ZS
- Planar T* 1.4/85 ZF
- Makro-Planar T* 2.0/50 ZF
- Makro-Planar T* 2.0/100 ZF
(以上ZF, ZSマウント)