ヌクレオチド
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ヌクレオチド (nucleotide) とは、ヌクレオシドにリン酸基が結合した物質である。ヌクレオシドは五単糖の1位にプリン塩基またはピリミジン塩基がグリコシド結合したもの。DNAやRNAを構成する単位でもある。
ヌクレオチドが鎖のように連なりポリヌクレオチドになる。またアデノシン三リン酸はリン酸供与体としても機能し、加えてセカンドメッセンジャーの機能を持つcAMPなども知られる。遺伝暗号のコドンでは、ヌクレオチド3個でアミノ酸一つをコードしている。
目次 |
[編集] 命名法
略号 | 相当する略号 | 対する塩基 |
---|---|---|
A | A | T または U |
C | C | G |
G | G | C |
T または U | T | A |
M | AまたはC | K |
R | AまたはG | Y |
W | AまたはT | W |
S | CまたはG | S |
Y | CまたはT | R |
K | GまたはT | M |
V | AまたはCまたはG | B |
H | AまたはCまたはT | D |
D | AまたはGまたはT | H |
B | CまたはGまたはT | V |
XまたはN | AまたはCまたはGまたはT | X |
ヌクレオチドの名称は4文字の略号で表される。1文字目は糖の種類がリボヌクレオチド(r。省略する場合もある)かデオキシリボヌクレオチド(d)かを示す。2文字目は次の塩基の種類を示す。
すなわち、最初の2文字でヌクレオシドの種類が決まる。
3文字目は結合するリン酸基の数(Mono 一、Di 二、Tri 三)を、4文字目はリン酸塩(P)であることを示す。
例えば、デオキシシチジン三リン酸(deoxy-cytidine-triphosphate)はdCTPと略される。また、4種類のデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dATP,dCTP,dGTP,dTTP)を混合したものはdNTPと表記する。
[編集] 化学構造
[編集] 各種ヌクレオチド
[編集] 各種デオキシヌクレオチド
[編集] ヌクレオチドの利用
ヌクレオチド及びその結合体であるポリヌクレオチド、DNA、RNAは生物を原料とするほとんどの食品に微量含まれている。これを摂取すると、体内でRNA、DNAを効率的に合成する材料となる。
グアニル酸(GMP)やイノシン酸(IMP)は呈味性ヌクレオチドと呼ばれ、自身がうま味をもつほか、L-グルタミン酸ナトリウムと組み合わせることで、うま味が強まる効果があり、うま味調味料や、スープ原料などとして使用されている。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 生物学関連のスタブ項目 | 生体物質