パリ大賞典
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パリ大賞典 (Grand Prix du Paris) はフランス・ロンシャン競馬場で芝2400メートルで施行する競馬の競走。出走馬年齢条件は3歳限定で繁殖能力の選定の為に行われるので、騸(せん)馬の出走はできない。
フランス最初の国際競走で、ハンガリー産のキシュベル(Kisber)やアメリカ産のフォックスホール(Foxhall)など、国際的な名馬が数多く活躍し、3000メートルの長距離で欧州のクラシック馬が争う国際競走としての地位を築き、凱旋門賞が創設されるまでフランス最高の権威と賞金を誇っていた。
1950年代以降は、12ハロン(約2400メートル)で施行されるアイリッシュダービーの地位が向上し、また競馬のスピード化によって長距離競走馬の相対的な地位が低下したために、出走馬のレベルは徐々に低下の一途を辿る。それでも1960年代にはリライアンス (Reliance)、1970年代にはエクセラー (Exceller) などのような、中距離でも通用する名馬を輩出し続けたが、遂に1987年に距離を大幅に短縮して2000メートルのレースに改修される。しかし、欧州各国のクラシック競走との相対的な重要度の差は埋めることが出来ず、ジョッケクルブ賞(フランスダービー)の距離短縮などを柱とする2005年のフランス競馬改革の一環として、開催月を6月から7月へ、施行距離を芝の2000メートルから2400メートルに延長された。
[編集] 歴史
- 1863年 フランス最初の国際レースとして創設
- 1865年 フランス産のイギリスクラシック三冠馬グラディアトゥール(Gladiateur)が優勝。同馬の祝福を祝い15万人の観客が柵を倒し馬場へなだれ込む(俗に言うワーテルローの復讐)
- 1867年 フェルヴァケス (Fell Virkes) とパトリシエン (Patri Cien) が同着、後日決勝レースを行いフェルヴァケスが優勝
- 1871年 普仏戦争により中止
- 1915年 第一次世界大戦により中止
- 1916年 前年同様に中止
- 1940年 第二次世界大戦によりオートゥイユ競馬場で代替開催
- 1943年 第二次世界大戦によりル・トランブレー競馬場で代替開催
- 1944年 前年同様に代替開催
- 1987年 施行距離を3000メートルから2000メートルに短縮
- 2005年 施行距離を2000メートルから2400メートルに延長
[編集] 歴代優勝馬
回 | 施行日 | 優勝馬 | 日本語読み | 性齢 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 |
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第137回 | 2000年6月25日 | Beat Hollow | ビートホロー | 牡3 | 2:03.7 | R.クイン | H.セシル |
第138回 | 2001年6月26日 | Chichicastenango | チチカステナンゴ | 牡3 | 2:01.0 | A.ジャンク | P.ドメルカステル |
第139回 | 2002年6月23日 | Khalkevi | カルケヴィ | 牡3 | 2:02.4 | C.スミヨン | A.ロワイユデュプレ |
第140回 | 2003年6月22日 | Vespone | ヴェスポーヌ | 牡3 | 2:01.1 | C.ルメール | N.クレメント |
第141回 | 2004年6月27日 | Bago | バゴ | 牡3 | 2:05.6 | T.ジレット | J.ピース |
第142回 | 2005年7月14日 | Scorpion | スコーピオン | 牡3 | 2:26.4 | K.ファロン | A.オブライアン |
第143回 | 2006年7月14日 | Rail Link | レイルリンク | 牡3 | 2:26.4 | C.スミヨン | A.ファーブル |
[編集] 外部リンク
- フランスギャロ - フランス競馬統括団体
- Thoroughbred Pegigree Query - 歴代勝ち馬