ピアノ五重奏曲 (シューベルト)
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ピアノ五重奏曲 イ長調は、フランツ・シューベルトの作品であり、オットー・エリック・ドイチュによるシューベルトの作品のドイチュ目録では、D667にあたる。
この曲は、シューベルトによって1819年に作曲された。シューベルトが22歳、まだ若々しく希望と幸福にあふれていた時期の名作として知られる。なおこれ以降には、シューベルトはピアノ五重奏曲を作曲していない。
第4楽章が歌曲『鱒』D550 の旋律による変奏曲であるために、『鱒』(ます、独 Die Forelle)という副題が付いた。先に作った変奏曲 (D550) であることとは別に、この作品 (D667) の変奏曲もまた、水の中に現れては消える鱒のモチーフを与えている。シューベルトはこれをピアノ伴奏の中で使用した。
通常のピアノ五重奏曲に使用される、ピアノ一台と弦楽四重奏の構成とは異なり、シューベルトの作品では、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロおよびコントラバスのために書かれている。作曲家ヨハン・ネポムク・フンメルは、同一器楽編成の五重奏団を持っていた。『鱒』は、実際にはフンメルの作品を演奏する楽団のために書かれた。なお、作曲を依頼したのは裕福な鉱山技師で、木管楽器とチェロの愛好家であったジルヴェルター・パウムガルトナーである。依頼されたのは1819年7月、29歳年上の友人ヨハン・ミハエル・フォーグル(1768-1840)とともに北オーストリアのシュタイアー地方を旅行で訪れた際のことであった。フォーグルは、後に歌曲集「冬の旅」を初演した名歌手として知られる。なお歌曲『鱒』の旋律に基づく変奏曲を加えることは、このパウムガルトナーからの依頼であったという。
作品は、5つの楽章で構成される:
- アレグロ・ヴィヴァーチェ - この時代の多楽章作品において通常のとおり、これはソナタ形式をとっている。しかし、サブドミナントのテーマ繰り返しをわずかに変えて、第2主題への推移を不要にした。
- アンダンテ
- スケルツォ : プレスト
- アンダンティーノ - アレグレット 「鱒」の変奏曲
- アレグロ・グスト
他の作品の旋律を用いた変奏曲で構成される楽章は、弦楽四重奏曲第13番 (ロザムンデ四重奏曲)、弦楽四重奏曲第14番『死と乙女』、『さすらい人幻想曲』などのシューベルトの作品のいくつかで見られる。
英国のテレビ・シチュエーション・コメディーの'Waiting for God'では、そのテーマ音楽として『鱒』の第5楽章をオープニングとして使用した。