フランソワーズ変奏曲
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フランソワーズ変奏曲(Françoise Variationen;1984-1997)はフランコ・ドナトーニが作曲したピアノ独奏のための変奏曲集である。
[編集] 成立
「イタリア現代ピアノアンソロジー」への参加作品として「ア・フランソワズ」という小品を作曲した。この小品を主題として、「フランソワーズ変奏曲」は「主題のない変奏曲」という形式の追求がなされたドナトーニ第三期の傑作である。演奏が大変難しい事や極度にペダリングが制限されることで知られる。
[編集] 技法
「第一から第七」のように、七つの変奏で複縦線が引かれる。フランソワズのつづりから「ファ、ラ、ド、ミ」という三度音高の構造が得られる。これを反転した「ファ、ド#、ラ#、ファ#」と前述の音高を組にした和音から全ての変容がスタートする。全曲の変奏が見開き二ページというのも珍しい。
各変奏はほぼ単一のアイデアで書かれている。ドナトーニ自身はこの書法を「パネル技法」と名づけている。
作曲当初は極めてストイックに作品を完成させるはずであったのが、次第にワーク・イン・プログレスの様相を帯び始め、イタリアの国内ピアノコンクールの課題曲にも第二十二~二十八変奏をあてがってしまった。本来はここで終止線が引かれ、作曲の予定はないものとしてアナウンスされたにもかかわらず、長年の愛人マリア・イザベラ・デ・カルリのために続編が書かれ、最終的に第四十九変奏で終了した。1984年から足掛け13年かけて完成された。
リコルディ初のコンピュータ印字印刷と宣伝した割には、100以上の誤植がある初版を印刷したことでも知られている。
[編集] 録音
ストラディバリウスからマリア・グラツィア・ベロッキォによる全曲の録音がある。いまだデ・カルリ本人の録音はないが、彼女は全曲の世界初演を行っている。