ベルナドッテ王朝
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ベルナドッテ王朝(House of Bernadotte)は1818年から現在まで続くスウェーデンの統治王朝である。
スウェーデンのカール13世ヨハン(在位1809年-1818年)は世継ぎがいなかったので、当時欧州の覇権を握っていたナポレオン配下の名将ベルナドット(スウェーデン語、ベルナドッテ)をスウェーデン国民議会の決定により王位後継者とした。乱世には有能な軍人国王がふさわしいと考えられたからである。ベルナドットは南フランス・ベアルン県ポー生まれの下士官出身だったが、フランス革命後の動乱に乗じてフランス元帥、ポンテ・コルヴォ(南イタリア)公爵にまで出世していた。
1810年カール13世の養子としてカール・ヨハンと改名し、スウェーデン王太子兼摂政となったベルナドットは1813年ロシア・プロイセン、スウェーデン連合軍を指揮してライプツィヒの戦い(解放戦争)でナポレオン軍を撃破し、1814年のキール条約でデンマークからノルウェーを割譲させた。ノルウェーとの同君連合は1905年まで続いた。1818年カール13世が死去するとカール・ヨハン(ベルナドッテ)はカール14世ヨハンとしてスウェーデン国王(兼ノルウェー国王)に即位し、現在まで続くベルナドッテ王朝を開いた。
19世紀中葉の「汎スカンディナヴィア主義」を経て、武装中立を揚げ現在に至る。第一次世界大戦、第二次世界大戦とも中立した。立憲君主制によって、ヴァーサ王家の王権は失権した。
1979年スウェーデン憲法改正によりカール16世グスタフ現国王はすべての政治権力を喪失してスウェーデンの儀礼的国家元首となった。1980年スウェーデン王位継承法の改正により、これまでの男系継承から男女を問わず出生順に王位継承権が生じることになったため、長女のヴィクトリア王女が王位継承者となっている。
[編集] 歴代国王
- カール14世ヨハン (在位1818年~1844年、兼ノルウェー王カール3世)
- オスカル1世 (1844年~1859年、兼ノルウェー王)
- カール15世ヨハン (1859年~1872年、兼ノルウェー王カール4世)
- オスカル2世 (1872年~1907年、兼ノルウェー王~1905年)
- グスタフ5世アドルフ (1907年~1950年)
- グスタフ6世アドルフ (1950年~1973年)
- カール16世グスタフ (1973年~現在)