ホイッスル!
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『ホイッスル!』は、樋口大輔による少年漫画作品、および、それを原作としたアニメ作品。1998年から2002年まで週刊少年ジャンプ(集英社)で連載されていた。全24巻。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
主人公、風祭将は、サッカーが大好きな中学生。夢はJリーガーとなり、世界でプレーすること。元はサッカーの名門校である武蔵森学園に通っていたが、そこでは3軍の選手であった。武蔵野森のサッカーのやり方に不満を感じた風祭は武蔵森を退学、楽しいサッカーをやりたい一心で桜上水中学に転校するが、武蔵野森からエースが来たと誤解され、皆の前から姿を消す。実は風祭はサッカーがあまり上手くなく、小柄であったため、武蔵森では活躍できる場がなかったのだ。しかし、桜上水中学の水野やシゲ、不破といった仲間たちやライバルたちと戦うにつれ、次第にサッカー選手としても人間としても成長を遂げていく。
[編集] 登場人物
[編集] 桜上水中
- 物語の主人公。2年。ポジションはFWで背番号9。名門・武蔵森中学の3軍にいたが、背が低いと言う理由でレギュラーにはなれないことを知り、サッカーをしたい一心で公立の桜上水中学へ転校してくる。小柄な選手だったが、負けず嫌いで人一倍努力家な性格から晴れて東京都選抜チームの選手に選ばれる。チームメイトからの信頼も厚く、誰からも好かれる性格。亡父・潮見謙介も社会人サッカー選手であったが父母が共に事故死したため、母方の伯父である風祭家へひきとられる。
- 特に運動神経が優れているという才能もなく、サッカーセンスに秀でていたわけでもなく、フィジカルが特別が強いわけでもない平凡な中学生である。序盤から純粋と断言できるほどひたむきな努力のみで成功している点は、非常に評価が高い。(反面、後に亡くなったサッカー選手の実子であることが判明し、この設定を蛇足ではないかとする読者もいる。)
- 水野竜也(みずの たつや) (声:前田剛)
- 桜上水中のエースでキャプテン。2年。ポジションはMFで背番号10。実父は武蔵森中学サッカー部監督だが、父を嫌い、武蔵森中学サッカー部の入部試験に受かっておきながらそれを蹴って無名の桜上水中に通うようになる(後に父とは和解)。現在は、祖母・母・叔母二人・飼い犬一匹と暮らしている。
- 未来のファンタジスタとも評されるサッカーセンスの持ち主だが、桜上水が強くなる中で自分の能力に悩むようになり、プレーに精細を欠くようになる。東京都選抜に選ばれるものの、様々な強豪やチームメイトとの関係などで、悩みは一層深くなってしまう。美形で、女子からの人気が高い。後に横浜F・マリノスに入団。
- 佐藤成樹(さとう しげき) (声:木内秀信)
- 桜上水中のFW兼臨時GKで背番号11。通称「シゲ」。妾の息子である事で冷遇されていた京都の名家を飛び出し、1年近く放浪生活を行う。そのため、風祭とはクラスメートであるが年齢が1つ上。桜上水中近くの寺で居候をしている。
- 様々なスポーツ部の助っ人稼業をしており、その中で風祭と出会う。すぐに正式にサッカー部に入部するものの、楽しければそれでよく、ひたむきにはなれずにいた。だが次第に風祭の影響を受け、真摯にサッカーをしたいと願うようになる。松下コーチの判断の結果、東京選抜の選考会には出られなかった。しかしその後京都の実家へ帰り、関西サッカー界に顔の利く父に懇願して推薦してもらい、正規の選考を受けて関西選抜チームに加入。関西のエースストライカー藤村成樹として東京選抜の前に立ちはだかるようになる。佐藤は母親の姓。異性からかなりもてるタイプで、バレンタインには袋2ついっぱいのチョコレートを獲得した。後に京都パープルサンガに入団。
- 不破大地(ふわ だいち) (声:喜安浩平)
- 桜上水中のGKで背番号1。何でも軽々とこなしてしまいいろんな人のプライドをズタボロにしてしまう、通称「クラッシャー不破」。何事においても天才的な才能を発揮するが、その性格から、学校一絡み辛い人間とされていた。そんな自分に無邪気に話かけてくる風祭が気になり、サッカー部に入部する。鋭い読みと反射神経を備えており、東京選抜の補欠GKに選ばれる(背番号12)。後に黒須大学に進学。
- 小島有希(こじま ゆき) (声:鈴木真仁)
- 桜上水中女子サッカー部のキャプテン。兄がJリーガーで幼少よりサッカーが大好きだったが、女子であるがため、思うようにサッカーができずにいた。サッカーの才能は桜上水サッカー部員の平均より上で、念願叶って女子サッカー部を創設する。少々ブラコンの傾向あり。
- 桜井みゆき(さくらい みゆき) (声:長谷川静香)
- 桜上水中の女子生徒。風祭の1学年下で、風祭に好意をよせているが、なかなか上手くいかない。風祭に近づくために女子サッカー部に入部したが、次第に本気でのめりこむように。たまに風祭からもらえるアドバイスに幸せを感じている。
- 松下左右十(まつした そうじゅう) (声:楠大典)
- 元社会人サッカーリーグの名選手で日本代表メンバーでもあった。チームメイトへの過去の過ちから、自らサッカーをやめ隠遁生活をしていた。ひょんなことから桜上水中の試合を見かけ、監督の誘いをうける。監督をする中でかつての仲間と再会し、ナショナル選抜のコーチも引き受けるようになる。
- 香取夕子(かとり ゆうこ) (声:原元美紀)
- 桜上水中の英語教諭でサッカー部の顧問。風祭を武蔵野森中のエースだと早合点した張本人。ミーハーな性格。
- 高井真人(たかい まさと) (声:長瀬博高)
- 桜上水中のWBで背番号13。ずっと補欠であったが、風祭との特訓でFWのレギュラーになる。その後ポジション争いに敗れ腐っていたが、俊足をいかしウィングとして再生する。実家は酒屋。
- 森長祐介(もりなが ゆうすけ) (声:二村兆富)
- 桜上水中のボランチ。友情に篤い性格。風祭に対しては敬語を使う。八重歯が特徴。
- 古賀良彦(こが よしひこ) (声:堀田勝)
- 桜上水中のボランチ。黒縁眼鏡と風祭よりさらに小柄な体格が特徴。外見通り頭が良いらしく、時々キツイツッコミを口にする。
- 花沢秀臣(はなざわ ひでおみ) (声:鶴岡聡)
- 桜上水のDF。かなりの長身でごつい顔をしているが、女性言葉を使い、実家では花を生けている。
- 五味薫(ごみ かおる) (声:窪田亮)
- 桜上水のDF。人畜無害で目立たないが、桜上水のサブキャラ陣の中では武蔵野森の選手からボールを奪ったり、飛葉中の猛攻をしのぐ等、意外にも活躍は多い。
- 野呂浩美(のろ ひろよし) (声:又村奈緒美)
- 桜上水中のDF。分裂の危機にあったサッカー部で同輩達と別れてサッカー部に残る。風祭の1学年下。体型は太めで、気弱な性格だが、柔軟な身体を生かしたプレーでレギュラーをとる。
- 山口杉太(やまぐち さんた) (声:石橋美佳)
- 桜上水中のサッカー部員。背番号15。野呂と同じ年だが、強豪になりつつある中で入部したため、分裂の危機は知らない。お調子者で桜井のことが好き。そのため、勝手に風祭をライバル視している。
[編集] 武蔵森学園
- 渋沢克朗(しぶさわ かつろう) (声:内藤玲)
- 武蔵森中のキャプテンでGKで背番号1。3年。ナショナル選抜に選ばれたこともある。「この世代で一番優れたキーパー」と評価が高く、簡単に得点は許してくれない。東京選抜でも正GKに選ばれた。性格は、温厚で世話焼き。ほぼ全会一致で、東京選抜のキャプテンにも選ばれている。後に大学生と鹿島アントラーズの選手の二足のわらじを履く。
- 藤代誠二(ふじしろ せいじ) (声:近藤孝行)
- 武蔵森中のエースストライカー。2年。ポジションはFWで背番号9。ナショナル選抜に選ばれたこともある。友好的な性格で、偵察兼陣中見舞いに桜上水中サッカー部を訪れたにも関わらず、いつの間にか部員たちと馴染み練習に参加したりする。抜けたところもあるが、サッカーの才能は誰よりも高く、また自分の実力に自信を持っている。後に東京ヴェルディ1969に入団。
- 天野聖夜(あまの せいや) (声:石川正明)
- 風祭が武蔵森にいた時代に後輩いびりをしていた先輩。サッカーの才能はそれほどでもなく、ずっと2軍から這い上がれていない。
- 間宮茂(まみや しげる) (声:松本吉朗)
- 武蔵森中のMF。2年。通称マムシと呼ばれるようにしつこいマークを得意としており、その能力は東京選抜でも遺憾なく発揮された。奇怪な行動が多く、ある意味で恐れられている存在。後にイタリアに渡り、鹿島アントラーズに入団。
- 三上亮(みかみ あきら) (声:河合美憲)
- 武蔵森中の司令塔的MFで背番号10。3年。自分よりも才能は上だとされる水野を敵視している。甘いもの嫌いにもかかわらず、合宿では水野と張り合いプリンを取り合う。
- 桐原総一郎(きりはら そういちろう) (声:上別府仁資)
- 武蔵森中サッカー部の監督で、水野の実父。息子は離婚した妻にあずけている。元社会人サッカー選手でもある。
- 笠井竹巳(かさい たくみ)
- 本編での出番は少ないが、読者の人気を得た猫目の少年。武蔵森中のDFで背番号6。2年。
[編集] 国分二中
- 天城燎一(てんじょう りょういち)(声:石川正明)
- 国分二中のFW。初登場時、周りとの関係から傲慢な性格であったが、風祭と出会い、次第に元来の優しい性格を表に出せるようになった。ドイツ人とのハーフで、後に母のいるドイツに移住した。1999年にドイツに渡り、バイエルン・ミュンヘンに入団、日独を往復する日々を送る。
[編集] 飛葉中
- 椎名翼(しいな つばさ) (声:樋口智恵子)
- 飛葉中のDFでキャプテン。風祭と同じように小柄で女性的な顔立ちをしているが、内面は非常に一直線で男性的である。極めて頭の回転が早く、皮肉屋でマシンガントークが得意。その性格ゆえ敵も多い。また、外見のせいで侮られることを嫌い、武道を心得てもいる。東京選抜でもディフェンスの要として活躍する。風祭の兄貴分としてプレイのヒントを与えたりしている。黒川曰く「クレバーで底意地の悪いプレー」を得意とする。後にリーガエスパニョーラマラガに入団。
- 黒川柾輝(くろかわ まさき) (声:石川大介)
- 飛葉中のサッカー部員。翼の側近的存在。東京選抜に選ばれる。飛葉中ではMFだったが選抜ではDFを務める。勝ち負けよりも、面白いサッカーをすることを重視している。
- 畑六助(はた ろくすけ) (声:永野善一)
- 飛葉中のDF。飛葉中では兄の五助と共にプレーし、兄と翼のアドバイスで動いている。選考の最終局面における積極性が評価されたか、東京選抜に合格するものの、頼りの兄がおらず困惑気味の様子。
- 畑五助(はた ごすけ)
- 弟の六助と共にDFを勉める。
- 井上直樹(いのうえ なおき) (声:石塚堅)
- 飛葉中のサッカー部員。サルと通称される。佐藤に幼少の頃サッカー対決で負け、なおかつ再戦の約束をすっぽかされた事を根に持っており、東京まで追いかけてきて宣戦布告した。実力者ではあるようだが佐藤には劣り、翻弄されるシーンが目立つ。後に、佐藤の情熱を再燃させる役割を果たして共に関西選抜に入るが、補欠となる。
- 西園寺玲(さいおんじ あきら) (声:園崎未恵)
- 翼のはとこで飛葉中の監督。元女子サッカーリーグの選手で、小島の憧れの人。父もサッカー選手で現在はサッカー協会の役員をしている。「男装の麗人」と呼ぶのに相応しい、凛々しい美女だが、その美貌とは裏腹にかなりの策士。風祭の才能を見出して東京選抜へ推薦した。始め東京選抜にはコーチとして参加していたが、途中から事情により監督に就任する。
[編集] 東京都選抜
- 杉原多紀(すぎはら たき) (声:並木のり子)
- 東京選抜のMFで背番号18。体力は無いが抜群のボールコントロールを持っている。東京選抜での風祭の良き友人で、郭英士をライバル視する。初登場時は和みキャラだったが、次第に黒い一面を見せていった。
- 小岩鉄平(こいわ てっぺい) (声:金子幸伸)
- 東京選抜のFWで背番号21。始め風祭と同じく補欠で選ばれる。ボールのキープ力に難があるものの、抜群の俊足を生かす役回りを与えられるようになる。後にヴァンフォーレ甲府に入団。
- 真田一馬(さなだ かずま) (声:冨田真)
- 東京選抜のFWで背番号20。U-14代表にも選ばれるエリート選手で高い技術力を持っているが、メンタル的に弱い面がある。郭や若菜とは、同じクラブユースに所属していて、非常に仲が良い。後に柏レイソルに入団。
- 郭英士(かく えいし) (声:平野貴裕)
- 東京選抜のMFで背番号8。U-14代表にも選ばれるエリート選手で、冷静なプレーを得意とする。韓国の血を引いており、母方の従兄の李潤慶(イ ユンギョン)はソウル市選抜のMFで背番号10。ソウル選抜との試合ではルーツに関して悩む姿が描かれたり、主役を食う活躍を見せるなど、2002年のワールドカップ日韓共催国を意識して考案されたキャラクターではないかと思われる。後にサンフレッチェ広島に入団。
- 若菜結人(わかな ゆうと) (声:植木誠)
- 東京選抜のMFで背番号6。U-14代表にも選ばれるエリート選手で、攻撃的ボランチ。明るい性格だが、自分の技量に対しては自信を隠さない。後にガンバ大阪に入団。
[編集] その他
- 風祭功(かざまつり こう) (声:高橋広樹)
- 風祭将の義兄。両親は裁判所勤務で九州に赴任しているため、将の面倒をみている。職業はホスト。将を実の弟のように可愛がり、保護者としてもバックアップをしている。
- おでん屋のおやっさん (声:トニーヒロタ)
- 風祭の自宅近所の橋の下でおでん屋台を出しているおじさん。橋の下で夜な夜なサッカーの練習をする風祭と出会い、サッカーにはまっていく。風祭の良き理解者。
[編集] アニメ概要
- 2002年5月6日~2003年2月3日にアニマックスで全39話が放送された。
[編集] スタッフ
- 監督:福冨博
- キャラクターデザイン:興村忠美
- 色彩設定:石黒文子、大倉喜美子
- 美術監督:西倉力
- 音楽:佐橋俊彦
- アニメーション制作:スタジオコメット
- 製作:マーベラスエンターテイメント、エニライツ
[編集] 主題歌
- OP 「DOUBLE WIND」 小向美奈子
- ED 「Sweet Days」 小向美奈子