マーク・クルーン
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マーク・クルーン(Marc Jason Kroon、1973年4月2日 - )は日本のプロ野球チーム·横浜ベイスターズに所属する投手。
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[編集] 来歴・人物
背番号は42番。球速161km/hの日本プロ野球記録(公認記録ではない)を持つ。
チームメイトがつけたジャパニーズネームは「タカユキ」。
1990年にドラフト2位でニューヨーク・メッツに入団。速球投手として知られ、プロ5年目のサンディエゴ・パドレス傘下2Aメンフィス所属時には101マイル/h(163km/h)を記録した。その後もしばしば160km/hを記録したものの、制球が悪く、また肘を壊しメスを入れたことで、メジャーから声がかからず、日本に働き場を求める。
2005年に横浜に入団した当初はセットアッパーとして起用されたが、佐々木主浩が戦線を離脱したのをきっかけに抑えを務めるようになった。来日当初は佐々木からよく面倒を見てもらっていたそうで、佐々木を尊敬し、「ササキサン」と敬称付きで呼んでいる。「僕はササキサンが帰ってくるまでストッパーを頑張るだけさ」と言うのがこのころの口癖であった。
伊良部秀輝、山口和男、五十嵐亮太ら従来の最速記録保持者は、背筋力などの強靭な筋力を生かして速球を投げ込む特徴があったが、彼の場合は188cmの長身から長い手足を素早く振ることで速球を投げ込む、日本球界では珍しいタイプの投手である(踏み出す左足が突っ立ったままの状態で投げることから、投球フォームはかつて阪急の豪速球投手だった山口高志と似通った部分がある)。速球に加え、140km/h後半で変化する落差の大きいフォークボールも武器の一つ。
投げ方の違いゆえか150km/h超の直球も意外に球質は軽く、相手打者に外野まで飛ばされる事が多い。また制球の悪さから四球も多く、走者をためて打たれる、というパターンの救援失敗も少なくない。
偏食である事も有名。マクドナルドのハンバーガーが好物。日本食はほとんど食べられないが、牛丼だけは例外である。 北海道日本ハムファイターズのSHINJOが着ていた襟付きアンダーシャツの所持者である。
2005年シーズンの登場テーマ曲にはダディー・ヤンキーのレゲトンミュージックの"Gasorina"を使用しており、この曲が売れ始めた頃に日本最速タイ記録を更新して注目されるようになったことから、ある意味では日本のレゲトンブームのきっかけとなった人物でもある。
新宮商工会議所青年部が熊野速玉大社の協力を得て創設した「速玉賞」の第1回の受賞者でもある。
9月7日の下関球場で行われていた広島戦で左でん部を負傷、12日に登録抹消された。これは来日2年目で初めてのことである。
ハマスタでの試合時は、徒歩にてスタジアム入りするため、横浜・関内駅周辺に出没する事でも有名。
[編集] 概説
- 2005年5月11日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦(フルキャストスタジアム宮城)で、9回2アウトから登板し、高須洋介への1球目に日本最速タイ記録となる158km/hを計測。続く2球目に新記録となる159km/hを計測した。
- 同年5月17日の対オリックス・バファローズ戦(大阪ドーム)でも9回2アウトから後藤光尊への1球目に159km/hを計測。
- 同年5月21日の対西武ライオンズ戦(横浜スタジアム)で9回ノーアウトからアレックス・カブレラへの2球目に159km/hを計測したが、バットに当てられライト前へのヒットとなった。
- ちなみにこのボールについて、牛島和彦監督は「計測されたのはクルーンの球速ではなくカブレラの打球速度ではないか」とコメントしている。
- 同年7月1日の対阪神タイガース戦(横浜スタジアム)で9回2アウトから赤星憲広への6球目に159km/hを計測、空振り三振に打ち取った。翌日の同カードでも159km/hを計測。対戦相手の阪神ファンからも歓声とどよめきが沸いた。
- 同年7月19日の対阪神戦(阪神甲子園球場)で延長12回1アウトからの赤星への6球目に161km/hを計測(結果はファール)、続く鳥谷敬の初球に160km/hを計測し、日本球界で初めて160km/hの大台に乗った。そのときの赤星のコメント、「次に来た150キロのストレートがチェンジアップのように見えた。」
- 同年8月3日、ホーム横浜スタジアムにおける阪神戦でも9回2アウトから登板し、金本知憲に対し160km/hを2回連続で記録した。
- 同年8月11日の対読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)で9回1死から堀田一郎への3球目に162km/hを計時したが、ピッチャーライナーの打球速度が誤って表示されたとして記録更新は認められなかった。
- 2006年5月6日の対阪神戦(横浜スタジアム)で9回2死からアンディ・シーツへの初球に160km/hを記録。
- 同年5月21日の対西武戦(横浜スタジアム)で9回1死からカブレラへの初球に160km/hを記録。
- 同年6月10日の対オリックス戦(横浜スタジアム)で9回2死から清原和博への2球目に161km/hを記録。続く3球目にも160km/hを記録。
- 同年7月21日、オールスター史上最速となる159km/hを記録。(千葉ロッテの里崎に痛打される)
- 同年7月23日、9回裏の3人目の打者・川崎宗則に対する3球目に160km/hを記録(結果は死球)。前々日の記録を塗り替える。そして4人目打者・中島裕之に対する3球目にも160km/hを記録し空振り三振を奪う。と同時に昨年のオールスターから3試合連続セーブを記録し、自軍横浜ベイスターズの指揮官の牛島監督が持つオールスター記録に並ぶ。
[編集] プロフィール
- 出身地 - アメリカ
- 身長/体重 - 188cm/86kg
- 投打 - 右投右打
- 球歴 - シャドーマウンテン高-メッツ-パドレス-レッズ-3Aアルバカーキ-3Aソルトレーク-コロラドスプリングス-ロッキーズ-横浜
[編集] 年度別成績
年度 | 所属チーム | 背番号 | 登板 | 完投(完封) | 勝利 | 敗北 | セーブ | 勝率 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四死球 | 奪三振 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | 防御率 | 奪三振率 |
2005 | 横浜 | 42 | 55 | 0 | 3 | 2 | 26 | .600 | 53.1 | 42 | 2 | 23 | 61 | 1 | 0 | 18 | 16 | 2.70 | 10.339 |
2006 | 47 | 0 | 2 | 5 | 27 | .286 | 48 | 38 | 4 | 9 | 70 | 1 | 0 | 16 | 16 | 3.00 | 13.125 | ||
通算 | 2年 | 102 | 0 | 5 | 7 | 53 | .416 | 101.1 | 80 | 6 | 32 | 131 | 2 | 0 | 34 | 32 | 2.84 | 11.662 |
[編集] タイトル
- サンヨーオールスターゲーム出場(2005年 2006年)
[編集] 関連項目
横浜ベイスターズ・湘南シーレックス - 2007 |
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00 河野友軌 | 1 金城龍彦 | 2 内川聖一 | 3 種田仁 | 4 北川利之 | 5 石井琢朗 | 6 多村仁 | 7 仁志敏久 | 8 相川亮二 | 10 佐伯貴弘 | 11 山口俊 | 12 吉川輝昭 | 13 那須野巧 | 15 高宮和也 | 16 川村丈夫 | 17 加藤武治 | 18 三浦大輔 | 19 染田賢作 | 20 木塚敦志 | 21 吉見祐治 | 23 藤田一也 | 24 門倉健 | 25 村田修一 | 27 山北茂利 | 28 秦裕二 | 29 新沼慎二 | 30 土肥義弘 | 31 吉村裕基 | 32 松家卓弘 | 33 古木克明 | 34 三橋直樹 | 35 牛田成樹 | 37 岡本直也 | 38 稲嶺茂夫 | 39 内藤雄太 | 40 桑原義行 | 41 岸本秀樹 | 42 クルーン | 44 小池正晃 | 46 佐久本昌広 | 47 堤内健 | 48 後藤伸也 | 49 齋藤俊雄 | 51 鈴木尚典 | 52 石川雄洋 | 53 野中信吾 | 54 橋本太郎 | 55 呉本成徳 | 57 鶴岡一成 | 59 黒羽根利規 | 60 飯田龍一郎 | 61 武山真吾 | 65 西崎伸洋 | 66 木村昇吾 | 未定 田中充 | 未定 北篤 | 未定 梶谷隆幸 | 未定 高森勇気 | |
85 監督 大矢明彦 | 72 弘田澄男 | 71 波留敏夫 | 77 斉藤明夫 | 75 野村弘樹 | 82 進藤達哉 | 73 青山道雄 | 84 秋元宏作 | 87 塚原賢治 | 70 ジョン・ターニー | 76 二軍監督 田代富雄 | 78 高木由一 | 80 中根仁 | 74 吉田篤史 | 83 武藤潤一郎 | 81 万永貴司 | 90 井上純 | 86 中村武志 | 93 三浦正行 | 89 谷川哲也 | 95 平野元章 | |
横浜 湘南 | 編集 |