レイ・ザ・バレル
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レイ・ザ・バレルはテレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物(CV:関俊彦)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
個人データ
- 身長 : 168cm
- 体重 : 56Kg
- 血液型 : O型
- 搭乗機:ブレイズザクファントム⇒レジェンドガンダム
劇中での活躍
ザフト軍のエリートである、赤服のパイロット。ミネルバに所属し、艦内では主人公のシン・アスカと同じ部屋で生活している。搭乗モビルスーツはブレイズザクファントム。エリートパイロットのみに許されたパーソナルカラーとして、白色に塗装されている。パイロットスーツも白色を基調にしており、ミネルバの新米パイロットの中ではリーダー格である。
その出生はザフト内でも謎に包まれていたが、48話の最終決戦の前夜に、シンにクローンであることを自ら明かす。レイは、ラウ・ル・クルーゼと同じく、アル・ダ・フラガのクローンの一人であり、クルーゼの弟とでも言うべき存在であった。レイもクルーゼのようにテロメアが短かいため老化が早く、細胞分裂を抑えるための薬が切れると激しい苦痛に襲われる。また、後にムウ・ラ・フラガその人であると判明するネオ・ロアノークとも、 遺伝子的つながりのためか、お互いの存在を感知することができる。
なぜアル・ダ・フラガのクローンを複数体生み出さなければならなかったのか、なぜクルーゼとは年齢が離れているのかは不明であるが、レイが”ただできるという理由だけで”創られたといったように、ユーレン・ヒビキ博士がただ自分の業績を示すために、より完成されたクローン人間を創造しようと、違う時期にレイを創った可能性もある。
生み出されてから、レイが乳幼児期にどのように育てられたかは不明だが、孤独な生い立ちであったことは確かのようである。やがて兄弟であるクルーゼに拾われ、彼とその友人のデュランダルに可愛がられてきた。このことにより、特にデュランダルのことはギルという愛称で呼び、絶対の信頼を寄せるようになる。また自分が短命であることを、薬を手渡されると同時に、デュランダルから教えられる。そしてデュランダルが目指す、全人類が遺伝子に基づいて定められた役割を生きる世界を創る、デスティニー・プラン実現のために働くことが、レイのアイデンティティーとなる。
レイは、デュランダルのような「家族」というべき存在(デュランダルが意識してのことかどうかわからないが、結果としてこれがデュランダルの意志は自分の意志であるという、レイのメンタリティーを形成する)があったことや、シンのような同年代の友人に恵まれたこともあってか、クルーゼのように心を閉ざし、世界を憎悪してはいない。第30話で、懲罰覚悟でステラ・ルーシェをミネルバから逃がそうとしたシンの手伝いをしたのは、本当にシンへの友情や、自分のような人体実験の産物であるステラへの共感や同情から取った行動であろう。その前に、強化人間研究所の探索中にレイに起きた激しい拒絶反応は、自分もこの施設の犠牲者と同じ様な境遇にあるのを感じとったことによる、心理的なものから来たもの思われる。一方でデュランダルの目指す世界の障害となる者は容赦なく排除し、アスランを障害となる者と議長に報告。
レイは、シンにそう遠からず死を迎える自分に代わり、新しい世界とデュランダルを護れと言い残し、デスティニー・プランを阻止せんと立ちはだかるアークエンジェル、エターナルとの決戦に望み、ついにキラ・ヤマトと対峙する。レイもまた、苦痛に満ちた自分という生命の誕生と引き換えに生まれた、「偉大な人類の進歩の証」キラを激しく憎悪し、クルーゼの怨念が乗り移ったかのごとく、キラに襲い掛かる。やがて消えゆき、デュランダルの創る世界に生きることはない自分と共に、あってはならない存在とするキラも滅ぼそうとするが、キラにレイの生命はレイ自身のものであると喝破され、動揺した所をストライクフリーダムの一斉射撃を受け、敗れる。
大破したレジェンドの中でしばらく気を失っていたが、意識を取り戻したレイはデュランダルのいる要塞「メサイア」に向かう。タリアとデュランダルに銃を向けるキラの背後に回るが、人は自分の意志で変わることも生き抜くこともできるというキラの言葉を聴き、自らの手でデュランダルを撃つ。キラの言うように自分のことを自分で決めて生きることに希望を見出したのだろうか、そうだとすればまだ若いレイだからこそ、キラが投げかけた一言々々が響いたのだと思われるが、ともかくレイが自分の意志でデュランダルの下から抜け出した瞬間である。デュランダルに謝り、子供のように泣き崩れるレイだったが、デュランダルに寄り添うタリアに呼びかけられ、自分を抱きしめる彼女を「母さん」と呼びながら、デュランダル、タリアと3人で爆炎の中に消えてゆく。