中津川林道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
旧中津川林道(きゅうなかつがわりんどう)は、秩父多摩甲斐国立公園内に位置する未舗装の秩父市道大滝幹線17号線で旧林野庁旧東京営林局・秩父営林署管轄の旧国有林道である。
道路標高1740mの三国峠(三国山標高1828m)を境に、東京近郊圏(埼玉県秩父市)と中部地方信越圏(長野県南佐久郡川上村)を結ぶ唯一の17km超の未舗装旧国有有料林道・現市道である。
日本航空123便墜落事故の現場としても知られる御巣鷹山の南側を走っている。毎年12月1日から翌年の4月30日までは、信濃沢(起点8.2km)から三国峠(市道終点)までの12.1km間は冬期閉鎖となる。また、夜間通行止や土砂崩れなどの災害によって度々通行止めとなることもある。
この道は太平洋と日本海との河川の分かれ目でもある日本分水嶺にあたっているので、この周辺に降った雨は、埼玉側に流れれば中津川から荒川(隅田川)、そして東京湾を経て太平洋と流れ、長野側に流れれば千曲川から信濃川、そして新潟を経て日本海へと注がれる。
林道途中の西沢の沢筋を進むと、幹周り13.4m以上の大カツラの巨木が近年、NPO法人「秩父の環境を考える会」によって確認された。地元名「金蔵沢の大カツラ」は正式に改名され「中津・西沢の大カツラ」と命名された。
途中で橋を渡ってトンネルへと分岐する埼玉県有林道の大山沢林道と、秩父側から奥まった所で林道では珍しく立体交差で分岐する林野庁・関東森林管理局・埼玉森林管理事務所管轄の国有林道である奥秩父林道(約5.5km地点で落石通行不能となる)との支線もある。
未舗装区間ではあるものの、一都三県の東京圏内と信越の信州圏内とを結ぶ実質唯一のルートである為、車の通行はそこそこに多く、地元では県道に昇格のうえトンネルなどを作ってほしい、あるいは全線を舗装し通年の通行を可能にしてほしいなどの運動も起きてはいるが、予算の関係上未だ実現には至っていない。それだけでなく、一部の自然保護団体から手付かずの自然がなくなると開発反対が起こったり、林道愛好家の間でも関東唯一の有名ロングダートであるゆえに道路舗装化に反対する声がある。
この道が通る中津峡は紅葉の名所として有名。秋には紅葉狩りや写真撮影で多くの人が訪れる。
また、分岐する金山志賀坂林道の途中にはニッチツ秩父鉱山の事業所と鉱山集落の廃屋群がある。鉱山自体はまだ操業中で立ち入りはできないので注意。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 道路関連のスタブ項目 | 関東地方の道路 | 中部地方の道路