交響曲第00番
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交響曲第00番(こうきょうきょくだいぜろぜろばん)は、アントン・ブルックナーのいわゆる「習作交響曲(独語:Studiensimphonie)ヘ短調」WAB99 に付された通称。日本では、00をドイツ語読みして「ヌルヌル」(零は独語でNull)と略称したり、欧米では「交響曲マイナス1番」と呼んだりされている。1863年にオットー・キッツラーの指導のもとに、楽式と管弦楽法の実習として作曲された。これらの俗称ないしは愛称は、当初は研究家から、《交響曲第0番 ニ短調》の完成に先立って作曲された作品であると信じられていたことによる。いずれにせよ現在では、《第00番》に次いで完成されたのが《交響曲第1番 ハ短調》だったという可能性が、より確実視されている。1973年に出版されたノヴァーク校訂版が入手できる。
[編集] 評価
キッツラーはこの交響曲が特別な霊感を受けた作品ではないと見なしていた。このためゲオルク・ティントナーは、「キッツラーは果たしてスケルツォ楽章をよく調べたのか」と訝しがっている。一方でティントナーは、作品全体で最も弱いのは終楽章であると認めている。
当のブルックナーがこの作品に「宿題」とのレッテルを貼っており、世評も決して高いとはいえない。伝記作家のデレク・ワトソンは《序曲ト短調》に比べて「確かに主題は霊感に乏しく、さほど特徴的でもない」が、「あたたかな旋律に満たされた瞬間がいくつか認められ、独創的な作品とは言いかねるにせよ、一貫して上出来である」と述べている。
[編集] 音源
最初の商業録音は、エリアクム・シャピラ指揮ロンドン交響楽団によって1972年にEMIレーベルに吹き込まれた。最初のCDは、1991年にテルデック・レーベルから発売された、エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団の録音である。この録音は、演奏に47分かかっており、ティントナー指揮ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団の録音(ナクソス)に比べて、10分長い。ティントナーは両端楽章の呈示部の反復を飛ばしているためで、しかもティントナーは随所で金管楽器の音量を加減している。
スケルツォ楽章のオルガン版は、ノヴァーリス・レーベルのCDを入手するとよい。