土橋正幸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

土橋正幸（どばしまさゆき、1935年 12月5日 - ）は、東京都台東区出身の元プロ野球選手・プロ野球監督。現役時代は東映で主力投手として活躍し、引退後は東映、日拓、ヤクルト、東映の後身・日本ハムでコーチ、監督を務めた。

[編集] 来歴・人物

都立日本橋高校を卒業後、浅草にあったストリップ劇場「フランス座」（現在は『浅草東洋館』に改称）が保有していた軟式野球チーム（そこには作家、井上ひさしもいた）で活躍していたが、1954年秋に東映のテストを受け合格・入団。3年目の1957年に頭角を現し1964年まで8年連続2桁勝利をあげた。1958年 5月31日対西鉄戦で9連続奪三振の日本タイ記録、そして沢村栄治の15奪三振を上回る1試合16奪三振の日本記録（当時）を樹立。1961年には30勝、防御率1.90の成績を残したがタイトルには届かなかった。翌1962年には17勝と数字を落としたがリーグ優勝に貢献。同年の日本シリーズでは史上唯一、種茂雅之と2人でMVPに選ばれた。1967年現役引退。

1969年から1972年まで東映投手コーチ、1973年（この年から球団が日拓ホームに買収され、日拓ホームフライヤーズとなる）から二軍監督。同年のシーズン途中より日拓監督を務めた。その後フジテレビ・ニッポン放送解説者を経て1984年からヤクルトの投手コーチ、武上四郎監督、中西太監督代理の途中辞任を受け5月23日から監督代行として指揮を執った。6月29日から正式に監督就任し、以降1986年までヤクルト監督を務めた。1992年古巣・日本ハム監督に就くがチームの不成績の責任を取る形で1年で辞任。現在は野球評論家としてCSを中心に解説者活動をしているほか、フジテレビ739で放送中のプロ野球ニュースにも出演。プロ野球マスターズリーグの東京ドリームス監督でもある。

軟式野球から硬式野球に転向した異色のキャリアながら、「江戸っ子投法」と呼ばれる余計な駆け引きをしないピッチングスタイルで、1960年代のパ・リーグを代表するエースとして君臨した。また、ヤクルト監督時代はその江戸っ子風の頑固親父的な雰囲気がその当時の下町的な球団イメージと合っていたためか、チーム成績は芳しくなかったにもかかわらず人気があった。（フジテレビ「珍プレー好プレー」でも別に本人は特別に何かをしているわけではないのに「俺が土橋だ」的なコーナーがあった。）　江戸っ子なので「ひ」が「し」としか発音出来ず、プロ野球ニュースの解説をしてた時、広島（カープ）を「しろしま」と呼び、それをアナウンサーに指摘されると怒ってしまい、その後は「カープ」としか呼ばなくなった。

[編集] 通算成績

455試合登板　162勝135敗　1562三振　防御率2.66

[編集] 監督としてのチーム成績

年度	年度	順位	試合数	勝利	敗戦	引分	勝率	ゲーム差	チーム本塁打	チーム打率	チーム防御率	年齢	球団
1973年	昭和48年	5位	130	55	69	6	.444	5位・3位	133	.254	3.97	38歳	日拓
1984年	昭和59年	5位	130	51	71	8	.418	25	101	.264	4.76	49歳	ヤクルト
1985年	昭和60年	6位	130	46	74	10	.383	26.5	143	.264	4.75	50歳
1986年	昭和61年	6位	130	49	77	4	.389	27.5	119	.252	4.27	51歳
1992年	平成4年	5位	130	54	73	3	.425	26	99	.259	4.20	57歳	日本ハム