塩嶺トンネル
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塩嶺トンネル
塩嶺トンネル(えんれいとんねる)は長野県塩尻市と岡谷市の間にある、塩嶺を貫通する中央本線のトンネルである。全長は5994m、全区間が複線である。
元々、中央本線建設当時から同トンネルの掘削計画はあった。しかし、この塩嶺ルートは糸魚川静岡構造線上であるため、当時の技術ではこのルートを掘削する工事は大変困難であり、伊那谷出身の代議士・伊藤大八の働きかけなどがあったことから、当初は辰野駅経由の路線(現在の支線区間)が建設された。そのため支線区間(旧線)を「大八廻り」と呼ぶことがある。
しかし急増する中央本線の旅客需要に国鉄は1983年(昭和58年)に約6kmで全区間複線の塩嶺トンネルを開通させた。これによりほとんどの優等列車は新線経由となり、辰野駅を経由する優等列車は飯田線直通の急行「アルプス」・「こまがね」の3往復のみとなったが、1986年(昭和61年)11月には飯田線直通急行も廃止されたため、旧線はローカル線化した。
なお、2002年(平成12年)12月1日のダイヤ改正で唯一同旧線を走っていた夜行急行「アルプス」が廃止されたため、中央東線の優等列車は臨時列車を除き、全て塩嶺トンネル経由となった。