太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。
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太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。(おおたひかりのわたしがそうりだいじんになったら ひしょたなか)は、日本テレビで、2006年4月7日から毎週金曜20時(JST)にてレギュラー放送されている討論バラエティ番組である。略称は『太田総理』。正式タイトルはやはり長いと考えられているようで、ラテ欄では頻繁に『太田総理…秘書田中。』もしくは『太田総理と秘書田中。』と略される場合が多い。
当初は特番として2005年10月15日・10月22日(バリューナイトフィーバー枠、一部地域のみ)と2006年1月3日のゴールデンタイム(18:00-20:00 JST、全国ネット)にて放送された番組である。そこで好評だった事から、レギュラー放送に昇格した。
この時間帯には、『幸せって何だっけ』(フジテレビ)や、『ミュージックステーション』(テレビ朝日)といった強力な裏番組があるため、初期の頃は視聴率が月平均9.3%と苦戦を強いられていたが、現在は15%台を獲得する回もあるなど、比較的安定してきている。
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[編集] 概要
- 爆笑問題の太田光が扮する内閣総理大臣の元に、各界で活躍する著名人らが“議員”として集まり、「小さな政府」の臨時国会を開催するという設定で繰り広げられるトークバトル番組である。
- 日本の様々な社会問題を解決するために太田が掲げたマニフェスト(議員側がマニフェストを提示することもある)に対して、議員らが賛成・反対・保留の3つの立場に分かれトークバトルを繰り広げる。
- トークバトル終了後、議員らによってマニフェストの採決が行われ、可決か否決かを決める。毎週、マニフェストは2本審議されるが、内容によっては1本で1時間審議されることもある。2006年9月からは後半に別の企画を放送するようになった。
- 審議後のコーナーには秘書田中裕二の「教えて田中ちゃん」がある。そのコーナーは大田総理に代わり秘書田中が首相官邸に来た、国民と有名人が意見や訴えやお願いを話し合い聞く。
[編集] 構成
- 初めに提案者がマニフェストを発表し意見をVTRで紹介される。大抵2部構成となっており、前半はマニフェストに関する問題点が述べられ、後半はマニフェストが可決されたときのメリットを紹介する。そして、最後は必ず「こうして日本は平和になったのだ。」という決まり文句(国際問題のときは「世界は」になる)でしまる。
- マニフェストによっては、参考人が途中参加して審議や採決に加わる(但し、ニート問題では数人のニート代表が参考人として登場したが、採決には加わらなかった)。
- 可決されたマニフェストは、現実の国会に陳情される(発議は議員もしくは内閣からのみなので、参加した議員からの発議であると考えられる)。
- 太田が掲げたマニフェストの場合、田中裕二と熊澤枝里子は審議に参加せずに首相官邸で待機する。尚、参加議員からのお土産を味わいながら待機するのが恒例となっている。
- 審議の直前には、太田・田中・熊澤による首相官邸を舞台にしたコントがある。また、番組の終了間際には「聞いてよ田中ちゃん」という、出演した“議員”の個人的な意見や苦情を田中が聞くコーナーがある。因みに田中のコーナーの出演者は番組ウェブサイトで応募が可能。しかし、事実上休止になり、代わりに2006年10月20日から「国民の怒りベスト5」というコーナーが新設された。
[編集] 傾向
- 議員側が掲げたマニフェストの場合、田中と熊澤も審議に参加し投票する。太田は、反対側の席に着くことがほとんどであり、過去に賛成側についたのは海江田万里が提案した「消費税の替わりに、格差解消税を作ります」と西川史子が提案した「義務教育を廃止します」のみである。ちなみに、熊澤は保留側の席に着いていることが多い。
- 太田自身が反米でラディカルな意見を持つ(ただ、太田自身は「個人的にはアメリカは大好きな国だけど、それ故に…」ということが多い)ことから、自民党議員(特に石破茂や大村秀章)、ケビン・クローン、金美齢、デヴィ・スカルノなどの親米派の人々と対立することが多い。
- 高橋ジョージ、鈴木紗理奈、有田芳生、福島瑞穂(社民党党首)、若林亜紀(経済ジャーナリスト) は太田が掲げたマニフェストに賛成することが多い(議員が掲げたマニフェストでは太田と意見が異なることもある)。中でも、高橋ジョージは太田のマニフェストの大半に賛成するため、ナレーションでごくたまに太田チルドレンとも言われている。原口一博やラサール石井も太田に賛同的だが、行き過ぎたマニフェストでは対立することがある。
- タイムリーな話題を最優先しているらしく、番組最後の次回予告で流されている内容(だいたいが議員の掲げたマニフェスト)がそのままカットされ、放送が先送りになることがある。その為、最近の放送では次回予告を行っていない。
[編集] 評価と反響
- 「芸能人より政治家や専門家を多くすべき」といった意見や「本物の国会をバカにしている」「準キー局のよみうりテレビで成功した高視聴率番組『たかじんのそこまで言って委員会』を模倣している」などといった番組を批判する声も少なくない。
- 逆に、「政治に対して親しみやすくなった」といった好意的な意見や「言いたい事をハッキリ言っている」など太田をはじめとする議員に対し高い評価を示す視聴者も多く、視聴率の面から見ても一定の支持を得ている。
- 2006年9月15日の放送で「若者は老人ホームでのボランティアを義務化する」という法案が可決されたが、審議では「老人介護の重要性」については十分に議論されたのに対し「義務化によって発生しうる問題点とその対策」については、法案制作者である泉ピン子議員が威圧的な態度で反対派議員に圧力を掛けたり、得意のトークで煙に巻いたりでうやむやにしてしまった為、法案の核心部分まで十分に議論されたかどうかという点においては若干の疑問が残る審議となった。このように出演者のキャラクターを重視しすぎたが故に、十分に審議されなかった法案が可決されるという展開や法案制作者が法案を通すために議論を妨害しているとも取れる行動は「小さな政府(国会)」という設定上好ましくないのではないかという点を指摘し、番組をより良くするための次なる課題として“出演者のキャラクターと白熱した公正な審議のよりバランスのとれた両立”を挙げる意見もある。
- 2006年10月、番組が「第23回ATP賞テレビグランプリ2006」のテレビ記者賞を受賞した。
[編集] 出演
[編集] 内閣
※現在、和希沙也は議員として出演している。
[編集] レギュラー議員
- 高橋ジョージ
- ラサール石井
- 有田芳生
- 鈴木紗理奈
- 若林亜紀(経済ジャーナリスト)
- 西川史子
- 秋野太作
- 松本明子
- 和希沙也
- 松居一代
- ふかわりょう
- 乙武洋匡
- 城咲仁
- パックンマックン
- 石原良純
- 土田晃之
- リサ・ステッグマイヤー
- 金美齢
- デヴィ・スカルノ
- ケビン・クローン
[編集] 国会議員
- 石破茂(元防衛庁長官・自民党議員)
- 平沢勝栄(自民党議員)
- 大村秀章(自民党議員)
- 山本一太(自民党議員)
- 河野太郎(自民党議員)
- 原口一博(民主党議員)
- 森ゆうこ(民主党議員)
- 福島瑞穂(社民党党首・議員)
[編集] その他
[編集] これまでに提案されたマニフェスト
[編集] 単発の頃に議論された法案
- 「政治家選挙での立候補制を禁止し、国民の推薦制で候補者を選びます。」(提案者:太田総理)→否決
- 「日本でハリウッド映画を上映することを禁止します。」(提案者:太田総理)→否決
- 「 ? 」
- 第2回放送(バリューナイトフィーバー枠)
- 「子供が小泉(純一郎)語録を使うことを禁止します。」(提案者:太田総理)
- 「携帯電話税を導入します。」(提案者:太田総理)
- 「 ? 」
- 第3回放送(2006年1月3日)
- 「ゴミ袋の無記名に罰金」(提案者:石原良純))→可決
- 「 ? 」
- 「 ? 」
[編集] 可決されたマニフェスト
- 「ゴミ袋の無記名に罰金」(提案者:石原良純)
- 「野党の給料は0円」(提案者:太田光)
- 「1年間アメリカ合衆国と国交断絶」(提案者:太田光)
- 「総理大臣の適正試験導入」(提案者:太田光)
- 「サッカーワールドカップ日本戦の日は国民の休日」(提案者:乙武洋匡・中西哲生・土田晃之)
- 「ニート対策全面禁止」(提案者:太田光)
- 「ダメな総理大臣は国民投票でクビにする」(提案者:太田光)
- 「医者は5年ごとに免許更新試験を実施する」(提案者:奈美悦子)
- 「天下りをした人は時給500円にする」(提案者:太田光)
- 「防犯のために小学生に携帯電話を義務化する」(提案者:松本伊代・早見優・布川敏和)
- 「心霊現象・オカルトはないと憲法に明文化する」(提案者:太田光)
- 「家事をしない夫は罰金刑にする」(提案者:ジャガー横田。夫の木下博勝は反対に投票)
- 「若者は老人ホームでのボランティアを義務化する」(提案者:泉ピン子)
- 「今の消費税に替えて『格差解消税』を作る」(提案者:海江田万里)
- 「小中学校では毎週1時間農業の時間を作ります」(提案者:高木美保)
- 「小学校で武道を習うことを義務化します」(提案者:関根勤)
[編集] 否決されたマニフェスト
- 「『アジア諸国』と協力し第二次世界大戦期の歴史教科書をつくる」(提案者:太田光)
- 「株式取引が出来るのは還暦からとする」(提案者:太田光)
- 「日本は今後アメリカ政府に一切の資金提供をしない」(提案者:太田光)
- 「全国の自衛隊の基地を田んぼにする」(提案者:太田光)
- 「『熱血教師』を禁止する」(提案者:太田光)
- 「少年犯罪の報道を禁止する」(提案者:太田光)
- 「結婚制度を廃止する」(提案者:丸山和也)
- 「昼間カーテンを閉めることを禁止する」(提案者:橋下徹)
- 「インターネット(電子掲示板)への書き込みを1文字100円とする」(提案者:太田光)
- 「芸能人の選挙への立候補を禁止する」(提案者:太田光)
- 「株式取引で不正をはたらいた者は無期懲役に処する」(提案者:太田光)
- 「二世議員を禁止する」(提案者:太田光)
- 「県庁・市役所を民営化する」(提案者:太田光)
- 「結婚相手は国が全国民の中から斡旋する」(提案者:青木さやか)
- 「私立大学をなくします」(提案者:ラサール石井)
- 「メールを全面禁止します」(提案者:太田光)
- 「憲法9条の日を祝日として制定する」(提案者:太田光)
- 「義務教育を廃止します」(提案者:西川史子)
- 「世論調査を禁止します」(提案者:太田光)
- 「北朝鮮の核を日本が買い取ります」(提案者:太田光)
[編集] 参考企画
- 討論の合間に審議の参考として議員に関する調査などが行われる事がある。
[編集] 主な内容
- 議員の常識度チェック
- 議員の携帯電話の中身を公開
- 参考討論 あなたは小泉内閣を支持しますか?
- 太田総理、ケビン・クローンの支持率調査
- 番組について無作為に電話世論調査を行った。結果は、「あなたは太田総理を支持しますか?支持しませんか?」という質問に対し、支持する人が54%だった(支持しない人は17%、どちらでもない人は29%)。「はっきり言いたいことを言ってくれる」と支持する意見が出る一方で、「時々熱くなりすぎて、何が言いたいのかわからない」と指摘する声もあった。また「ケビン・クローンはこの番組に必要か?」と言う質問も行われ必要と思う人が3%だった(大半がどうでもいいという意見だった)。
- 緊急討論 日本は核武装をすべきか!?
- 古賀稔彦議員による特別柔道教室
[編集] 国民の怒り
[編集] 内容
- 番組サイトで募集した国民が怒っているニュースを、ベスト5(太田総理の選ぶ番外含む)としてカウントダウン形式で取り上げ太田総理を含む8人の議員と司会の秘書2人が討論する。
[編集] これまでに取り上げたニュース
- 順位の高い順に表記。一番下は太田の選んだ番外。
- 2006年10月20日
- 2006年10月27日
- 2006年11月10日
- 2006年11月17日
[編集] 番外対談
- ゲストが太田総理(秘書の2人も参加)と日本の政治を始めとした様々なテーマで対談を行う。
- コレまでのゲスト
[編集] 備考
- 上記の通り、太田の考えるマニフェストには到底実現は難しいと思われるものが多い。可決よりも現在の日本社会の様々な現状についての問題提起を狙っている事が理由と考えられる。
- 2006年9月15日の放送では、総集編として半年間に取り上げたマニフェストの中で特に討論が過熱した法案のベスト5を放送した。
- 2006年9月15日に発表された「総理大臣になって欲しい有名人ランキング」{オリコン・モニターリサーチ(中高校生、専・大学生、20代社会人、30代、40代の男女各100人、合計1,000人にインターネット調査)}では北野武に続いて太田光が総合2位に選ばれる。
- 番組内の効果音の一部にテレビゲーム『スーパーマリオブラザーズ3』の効果音が使われている。また、かつて同時間帯に放送されていた『マネーの虎』と同じ音楽・効果音やテロップの字体などが一部分で使用されている。
- 『たかじんのそこまで言って委員会』でやしきたかじんが、頻度は多くないものの『太田総理』で放送されていた内容を批判することがある。
- 『久米宏 ラジオなんですけど』の第1回放送で久米宏が「設定に無理がある」と述べた上で、昨今における(この番組や他での)太田光の「文化人」的活躍に一定の評価を示した。
- 以前放送されていた国民クイズ常識の時間(こちらも爆笑問題が出演)に通ずるところがある。(太田の立場・ランキングなど)
[編集] スタッフ
- 構成:小野高義、桜井慎一/山谷隆、石塚祐介、守矢直記、竹西亮、八木たかお / 高橋洋二、秋葉高彰、野口悠介
- TM (テクニカルマネージャー) :福王寺貴之(日テレ)
- SW (スイッチャー) :高梨正利、三井隆裕(週替り)
- カメラ:山田祐一、三井隆裕(週替り)
- 音声:大島康彦、池田正義(週替り)
- VE (ビデオエンジニア) :塩原和益、田口徹(週替り)
- 照明:小川勉、平田丈(週替り)
- 美術:小野寺一幸、本田恵子
- イラスト:河合克夫
- CG:スウィッシュ・ジャパン
- 音効:森山顕仁、岡田淳一(ヘンドリックス)
- TK (タイムキーパー) :大岡伸江
- VTR編集:加納敏行、小川洋行(読売映像)
- MA:安藤隆司(読売映像)
- リサーチ:フルタイム、フォーミュレーション
- デスク:山本恭代、田村麻衣(オフィスぼくら)
- 制作進行:五十嵐久也(オフィスぼくら)、辻隆弘(IVSテレビ)
- AP (アシスタントプロデューサー) :浜田和宏、本間正幸、細越貴子(オフィスぼくら)、田中眞理子(IVSテレビ)
- ディレクター:松山和久、渡辺政次、内田秀実(日テレ)、貞松秀樹(IVSテレビ)、小曽根雅記(オフィスぼくら)、中井康二、森大祐
- 演出:安彦和弘(Fact)、野澤尚弘(IVSテレビ)
- 総合演出:三浦伸介(日テレ)
- プロデューサー:竹内尊実、大野彰作(日テレ) / 小林宏充(オフィスぼくら)、錦信次(IVSテレビ)、植松保弘
- チーフプロデューサー:菅賢治(日テレ)
- ロケ協力:日テレ学院
- 技術協力:ヌーベルフォース、日テレ映像センター、八峯テレビ、読売映像
- 美術協力:日テレアート
- 企画協力:タイタン
- 制作協力:オフィスぼくら、IVSテレビ制作
[編集] 関連項目
- ビートたけしのTVタックル(テレビ朝日系列で放送中の討論バラエティ番組)
- たかじんのそこまで言って委員会(読売テレビ制作、西日本各地と東日本の一部の日本テレビ系列のテレビ局にネットされている討論バラエティ番組。日本テレビではネットされていない)
- 爆笑問題のススメ(札幌テレビ制作、日本テレビ系列。事実上の前身番組)
- 爆笑問題&日本国民のセンセイ教えて下さい!(テレビ朝日系列で春・秋に特番で放送中の討論バラエティ番組)
- 日本を救うのは私だ!大改革!!法案ファイト!(テレビ朝日系列で放送された派生特番)
- ここがヘンだよ日本人(TBS系列で放送されていた討論バラエティ番組で、ケビン・クローンも出演していた)
[編集] 外部リンク
- 順序:トップページ→情報・バラエティ→太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。
[編集] 前後番組の変遷
日本テレビ 金曜20時台(2006年4月以降) | ||
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前番組 | 太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。 | 次番組 |
謎を解け!まさかのミステリー | - |
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