植物病理学
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植物病理学(しょくぶつびょうりがく)とは植物の病害を診断し、予防あるいは治療するための学問領域である。対象領域として、病原体による"感染症"や、病原体によらない(物理・化学的条件による)病気を含む。昆虫やダニによる単純な食害はふつう含めないが、病原体のベクターとなる場合や奇形(虫えいなど)の原因となる場合は含む。
病原体としては次のようなものがある。
- 真菌 - 植物病原体として最も普通である。
- 卵菌 - べと病、ジャガイモ疫病など。
- 細菌 - 18属ほどが知られる。
- ウイルス - 700種以上が知られる。
- 線虫 - それ自体が病原体となるもの、また病原体のベクターとなるものがある。
- ウイロイド - 小型の1本鎖RNAのみからなる最も単純な病原体。
- 寄生植物 - 害の大きいものとしてネナシカズラなどが知られる。
- ネコブカビ - 粘菌に類似した病原生物。
病原体によらない原因としては次のようなものがある。
植物病害というのは、植物自体に害を与えるという意味であるが、中には食品として摂取した人畜に害を与える場合(マイコトキシンを産生する赤かび病、麦角病など)もある。