画面解像度
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画面解像度(がめんかいぞうど)とは、コンピュータ等の電子ディスプレイにおける解像度のこと。 なお、「よくある誤解」を参照のこと。
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[編集] 概要
現在一般に使用されているラスタスキャン型の電子ディスプレイ(以下、ディスプレイ)は、画素(ピクセル)と呼ばれる小さな点を縦横に並べ、それらの点の輝度を別々に制御することで画面を表示している。 従って、同一の表示サイズで比較する場合、ピクセル数が多いほど、細やかで綺麗な表示が可能となる。すなわち、表示面上の長さ当たりに存在する画素数(すなわち解像度)によって表示の精細度が定められる。例えば、表示領域の水平長が10cmで、水平方向画素数が1000点の場合と、表示領域の水平長が20cmで、水平方向画素数が2000点であった場合、画面解像度は同一の、10pixel/mmとなる。なお、歴史上、印刷分野においてインチ単位での解像度(スクリーン線数)が用いられていたことから、コンピュータ等であってもこの単位長さにインチが用いられており、ISO加盟国においても、解像度の単位は1インチ(=25.4mm)当たりの画素数(単位:dpi(dots per inch)またはppi(pixels per inch))で表示される事が多い。 画面解像度は、ディスプレイの性能を測る重要な要素のひとつである。一般的なCRT表示器の解像度は90~100dpiであり、また、解像度を高めた液晶ディスプレイには、200dpi程度のものもある。
[編集] 単位
最近、画面解像度をあらわす単位として、印刷分野の単位と区別する目的でppiがしばしば用いられるようになってきている。これは、階調表現能力が異なる別の技術に同じ単位を用いることによる混同を防止するためである。例えば、印刷の100dpiとディスプレイの100pixel/inchを同じ単位(dpi)で表現すると、あたかも、同じ表現能力であるかのような誤解を生じる。最も一般的な印刷とディスプレイを想定すれば、トナーを用いる電子写真印刷のドットが二値表示しか出来ないのに対し、ディスプレイの画素においては多値表示(例えば256階調表示)が可能であるため、ディスプレイの100pixel/inchのほうが表示能力が高い。なお、本稿においては誤解を生じる恐れが無いため、dpiとppiを同じとして記載している。 また、カラー表示装置やカラー撮像装置において、画素との用語で指すものが、白黒表示が可能な最小単位を指す場合と、その白黒表示を構成する最小単位を指す場合があることに注意を要する。本稿では、前者の意味で記載している。
[編集] 代表的な画面モード
以下に、PC/AT互換機などにおける、代表的表示様式(表示容量または画面モード)に対して、横×縦のピクセル数と画面解像度を示す。
一般的な、いわゆる15インチ(表示領域対角線長約38cm)の表示器での画面解像度も示す(水平長30.5cm(12インチ)の場合)。近年の携帯機器への比較用として2.5インチ相当のも示す(垂直長3.8cm(1.5インチ)の場合)。なお、一般的に標準の解像度は72dpi又は96dpiである。
通称(末尾の"モード"は省略) | 横×縦 | アスペクト比(横:縦) | ピクセル数 | 画面解像度 | 携帯 |
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sQCIF(Sub-QCIF) | 128×96 | 4:3 | 12,288 | 10.7dpi | 64dpi |
QCIF(Quarter-CIF) | 176×144 | 11:9 | 25,344 | 14.7dpi | 96dpi |
ワイドワンセグ | 320×180 | 16:9 | 57,600 | 26.7dpi | 120dpi |
QVGA (Quarter-VGA) | 320×240 | 4:3 | 76,800 | 26.7dpi | 160dpi |
WQVGA (Wide-QVGA) | 400×240 | 5:3 | 96,000 | 33.3dpi | 160dpi |
CIF | 352×288 | 11:9 | 101,376 | 29.3dpi | 192dpi |
CGA | 640×200 | 16:5 | 128,000 | 53.3dpi | 133dpi |
EGA | 640×350 | 約9:5 | 224,000 | 53.3dpi | 233dpi |
PC-98ノーマル (DCGA) | 640×400 | 8:5 | 256,000 | 53.3dpi | 266dpi |
VGA (MAC13インチ) | 640×480 | 4:3 | 307,200 | 53.3dpi | 320dpi |
WVGA (Wide-VGA) | 800×480 | 5:3 | 384,000 | 66.7dpi | 320dpi |
PAL (Phase Alternating Line) | 768×576 | 4:3 | 442,368 | 64dpi | 384dpi |
SVGA (Super-VGA) | 800×600 | 4:3 | 480,000 | 66.7dpi | 400dpi |
UWVGA (Ultra-WVGA) | 1024×480 | 32:15 | 491,520 | 85.3dpi | 320dpi |
MAC16インチ | 832×624 | 4:3 | 519,168 | 69.3dpi | 416dpi |
WSVGA (Wide-SVGA) | 1024×600 | 8:5 | 614,400 | 85.3dpi | 400dpi |
HDTV | 1088×612 | 16:9 | 665,856 | 90.7dpi | 408dpi |
HDTV | 1152×648 | 16:9 | 746,496 | 96dpi | 432dpi |
UWSVGA (Ultra-WSVGA) | 1280×600 | 32:15 | 768,000 | 106.7dpi | 400dpi |
XGA (MAC19インチ) | 1024×768 | 4:3 | 786,432 | 85.3dpi | 512dpi |
PC-98ハイレゾ | 1120×750 | 約3:2 | 840,000 | 93.3dpi | 500dpi |
HDTV 720p | 1280×720 | 16:9 | 921,600 | 106.7dpi | 480dpi |
XGA+ | 1152×864 | 4:3 | 995,328 | 96dpi | 576dpi |
MAC21インチ | 1152×870 | 約4:3 | 1,002,240 | 96dpi | 580dpi |
WXGA (Wide-XGA) | 1280×768 | 約16:9 | 1,048,320 | 106.7dpi | 512dpi |
Quad-VGA 1.2M | 1280×960 | 4:3 | 1,228,800 | 106.7dpi | 640dpi |
WXGA+ (Wide-XGA+) | 1440×900 | 8:5 | 1,296,000 | 120dpi | 600dpi |
SXGA (Super-XGA) 1.3M | 1280×1024 | 5:4 | 1,310,720 | 106.7dpi | 682dpi |
HDTV | 1600×900 | 16:9 | 1,440,000 | 133.3dpi | 600dpi |
SXGA+ | 1400×1050 | 4:3 | 1,470,000 | 116.7dpi | 700dpi |
WSXGA+ (Wide-SXGA+) | 1680×1050 | 8:5 | 1,764,000 | 140dpi | 700dpi |
UXGA (Ultra-XGA) 1.9M | 1600×1200 | 4:3 | 1,920,000 | 133.3dpi | 800dpi |
フルHD 1080i 1080p | 1920×1080 | 16:9 | 2,073,600 | 160dpi | 720dpi |
2K | 2048×1080 | 約2:1 | 2,211,840 | 170.7dpi | 819.2dpi |
WUXGA (Wide-UXGA) | 1920×1200 | 8:5 | 2,304,000 | 160dpi | 800dpi |
HDTV | 2048×1152 | 16:9 | 2,359,296 | 170.7dpi | 819.2dpi |
QXGA (Quad-XGA) 3.1M | 2048×1536 | 4:3 | 3,145,728 | 170.7dpi | 819.2dpi |
4M | 2304×1728 | 4:3 | 3,981,312 | 192dpi | 921.6dpi |
WQXGA (Wide-QXGA) MAC30インチ | 2560×1600 | 8:5 | 4,096,000 | 213.3dpi | 1024dpi |
QUXGA (Quad-Ultra-XGA) | 3200×2400 | 4:3 | 7,680,000 | 266.7dpi | 1280dpi |
4K | 4096×2160 | 約2:1 | 8,847,360 | 341.3dpi | 1638.4dpi |
QUXGA Wide | 3840×2400 | 8:5 | 9,216,000 | 320dpi | 1536dpi |
特定のコンピュータでどの画面モードが表示可能かは、ビデオ表示回路の構成に依存する。すなわち、 表示に必要な容量のビデオメモリ(VRAM)が搭載されていて、ディスプレイのインタフェース仕様に合致させた適切なビデオ信号を生成する必要がある。また、ディスプレイは、その表示内容を観察するためだけであれば、その信号を表示できるディスプレイを用いれば十分であるが、その表示内容が含んでいるすべての情報を表示し本来の画面解像度で表示するためには、各画面モードの画面解像度を表示できる能力を備えたディスプレイを用いる必要がある。
[編集] よくある誤解
コンピュータの分野では、大抵の場合、1024×768等の「表示に用いられる総画素数」(以下、表示容量)が、「解像度」(または、「画面解像度」、「表示解像度」)と呼称されている(本稿末尾の画面解像度へのリンクの見出しがその例)。これは、例えばテレビ受像機における解像度(例:水平解像度400本)等の表現とも整合している。しかし、これらは物理的な解像度を意味する用語ではなく、表示可能な画素の「総数」を示す用語であるので注意が必要である。
物理的な解像度とは、像を分解しうる程度(能力)を表現する用語である。すなわち、物理的な像のサイズが定義できるような対象物(画面、印刷結果、写真フィルムなど)に対して、細部の表現力を表す用語である。したがって、物理的な解像度とは、その像の区別可能な最小単位(画面であれば画素、印刷結果や写真フィルムであれば、解像度チャートで像が分解できるライン/スペース)が対象物の単位長さあたりに含まれ得る数をによって表現される概念であり、あくまで総数ではなく精細度を表すものである。これに対し、表示容量は、それが表示される対象のサイズをまったく規定していない概念である。表示容量を表現する目的で「解像度」との表現が含まれる用語を用いることにより、本来の解像度を議論する際に無用の混乱を招いており、本来は明確に使い分けられるべきである。
なお、本稿の記載は、本来の物理的な解像度の記載に従って記載されているので注意されたい。