秋田書店
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秋田書店(あきたしょてん)は日本の出版社の一つ。1948年8月10日創業。当初は児童書を出版していたが、後に漫画の出版を柱とするようになった。
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[編集] 概要
- 代表取締役社長 秋田貞美
- 所在地 東京都千代田区飯田橋2-10-8
[編集] 来歴
- 1948年 創業
- 1949年 月刊漫画誌「少年少女冒険王」創刊
- 1952年 月刊漫画誌「漫画王」創刊(のちに「まんが王」)
- 1956年 「少年少女冒険王」、「冒険王」に誌名変更。
- 1966年 他社の週刊誌に掲載された作品を単行本化する、サンデーコミックシリーズ刊行開始
- 1968年 青年週刊漫画誌「プレイコミック」創刊
- 1969年 少年週刊漫画誌「週刊少年チャンピオン」創刊
- 1971年 月刊漫画誌「まんが王」休刊
- 1972年 『ドカベン』「週刊少年チャンピオン」にて連載開始。中断を交じえつつも、「プロ野球編」を経て現在も「スーパースターズ編」が連載中。「冒険王」、児童向けテレビ誌に路線変更。
- 1973年 本社ビルを現在地(東京都飯田橋)に建てる。「がきデカ」ビルと(「ドカベン」ビルとも)俗称�
[編集] 雑誌
- 『週刊少年チャンピオン』毎週木曜日発売
- 『月刊少年チャンピオン』毎月5日発売
- 『ヤングチャンピオン』毎月第2、4火曜日発売
- 『ヤングチャンピオン烈』
- 『チャンピオンRED』毎月18日発売
- 『プレイコミック』第2,4木曜日発売
- 『プリンセス』
- 『プリンセスGOLD』
- 『ミステリーボニータ』
- 『サスペリア』
- 『ひとみ』 - 休刊
- 『ファミコンチャンピオン』 - 休刊
- 『歴史と旅』 - 休刊
[編集] 特徴
小学館や講談社よりも後発のため、出版傾向としては少年・少女向けコミック、青年コミックなど確実な消費の見込める分野への参入が多い。『冒険王』のテレビ向け路線変更も『テレビランド』や『テレビマガジン』の後追いという印象を受けるが、メディアミックス路線の先駆的存在ではあった。
『週刊少年チャンピオン』(以下『チャンピオン』)は五大週刊少年誌として、1960年代から1970年代のスポ根、エロ・グロ・ナンセンスの時流に乗り、『ブラック・ジャック』『がきデカ』『マカロニほうれん荘』『ドカベン』など幅広いジャンルで一時代を築きトップセールスを誇ったこともある。ただし現在の『チャンピオン』は未だに『ドカベン (スーパースターズ編)』が連載されていることなどから全体的に作風が古く、ストーリーがマンネリ化していて先が読めるという印象が強い。長期連載を持つ漫画家であればあるほど、その傾向が強く感じられるのは当然であるが、ベテラン重視の姿勢は1970年代からあり、手塚治虫が人気凋落であっても作品を載せ続け、『ブラック・ジャック』連載を手塚と心中する覚悟で始めたという逸話も残されている。反面後進の作品・作家の育成が順調に行かず、かつての人気漫画を長期化・復活・続編化させる手法が中心となっており、少年少女向け雑誌を持つ大手三社の講談社、集英社、小学館に遅れを取るかたちとなった。大ヒットしたアニメ原作作品も前述の三社に比べて少ない。また、資本力からの影響か、他社でならば単行本が出せるレベルの連載となった作品ですら単行本化されないことも多く、出されたとしても未収録が存在するなど、この辺での批判も絶えない。
長期連載作品、一世を風靡した作品がある為に世代を超えて読まれることが多く、団塊の世代及びそのベビー世代、孫世代に読者が多い(少年向け『ブラック・ジャック』『ドカベン』『グラップラー刃牙』『浦安鉄筋家族』、少女向け『王家の紋章』『エロイカより愛をこめて』『妖精国の騎士』『やじきた道中学園記』)。また、2006年現在、ウェブ上のオンデマンドで往年の名作を復刻販売している。
他方、少女漫画系の作家とのトラブルが昔からやや多いきらいがあり、打ち切りや「第一部完」となり連載が中途で断絶した作品の続編が、他の出版社の漫画雑誌で掲載されるケースが少なからずある事でも知られる。
かつては歴史関連の書籍・雑誌も出版していたが、『歴史と旅』の休刊を最後に行われなくなった。