端末エミュレータ
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端末エミュレータ(たんまつえみゅれーた)とは、端末として動作するソフトウェアである。端末エミュレータといった場合は、ダム端末のエミュレーションをするソフトウェアをさすことが多い。別称としてターミナルエミュレータ、また特にGUI環境で用いるものを端末ウィンドウと呼ぶことがある。
端末エミュレータは、一つのコンピュータ上で並列的に作業を行うために、複数の端末を仮想的に稼働させて操作を行う目的で、あるいはインターネット等のコンピュータネットワークを介して、遠隔地に存在するコンピュータに仮想的に接続して操作を行う目的で用いる。端末エミュレータによって接続した接続先のコンピュータは、シェル等のコマンドラインインターフェースを提供し、操作を行うことが出来る。コンピュータネットワークを介した端末エミュレータの接続にはSSH、Telnet、rlogin等の機能を用いる。rloginとTelnetは、通信内容を平文(暗号化されていない状態)で送るため、最近では、パスワード認証が必要な接続を行う場合は、SSHによる接続が一般的である。
またMicrosoft Windowsは、標準でSSHやrloginの機能が搭載されていない為、SSH、Telnet、rlogin等の機能を端末エミュレータが兼ねているものも多い。
端末の入出力処理の方法には統一された規格が存在しないが、現在、事実上の標準として用いられているのは、DEC社のVT100端末である。VT100と同じ入出力処理を実現する端末エミュレータやその機能を「VT100互換」と呼称する。
汎用機の端末エミュレータ(たとえばIBM 3270など)は、個別の専用ソフトウェアである場合が多い。
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[編集] 実例
代表的なX Window System上で動作する端末エミュレータにxtermがあり、事実上の標準となっている。xtermに日本語表示機能を付加したものがkterm(kはkanji、つまり「漢字」の意)であり、日本語環境のUNIXなどでよく用いられる。これらの他にも多種の端末エミュレータがある。
Xのデスクトップ環境に端末エミュレータが付属している場合もある(CDEのdttermなど)。
[編集] 種類
- X Window System上で動作するもの
- Eterm
- GNOME 端末(ターミナル)
- konsole
- kterm
- mlterm
- rxvt
- xterm
- Microsoft Windows上で動作するもの
- Mac OS X上で動作するもの
- iTerm
- JTerminal.app
- Terminal.app
- Mac OS上で動作するもの
- MacSSH
- NCSA Telnet