舞姫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『舞姫』(まいひめ)は、森鴎外の短編小説。1890年(明治23年)、「国民之友」に発表。
鴎外がドイツへ医学を学ぶために1884年から5年間留学したときの体験を下敷きに執筆。高雅な文体と浪漫的な内容で初期の代表作。石橋忍月との間で論争が起こった。
目次 |
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
薄幸の踊り子エリスと将来を期待されたエリート日本人留学生太田豊太郎は些細なことがきっかけで愛し合うようになる。しかし豊太郎は結局エリスとの愛よりも日本での出世のために帰国することを選ぶ。心労で豊太郎は人事不省に陥り、その間に友人から真実を知らされたエリスは発狂する。真実を伝えた友人と豊太郎にも気づかないほど病状が悪化したエリスに後ろ髪を引かれつつ豊太郎は日本に帰国する。
[編集] 舞姫論争
1890年、石橋忍月と森鴎外との間に起こった文学論争。
忍月は気取半之丞という筆名で「舞姫」を書き、主人公太田が意志薄弱であることなどを指摘し批判。これに対し鴎外は作品中の登場人物相沢謙吉の筆名を使い、「気取半之丞に与ふる書」で応戦。その後も論争が行われたが、忍月が筆を絶って収束、最初の本格的な近代文学論争だといわれる。
[編集] 映像作品
「舞姫」は映画、ドラマなどになっている。
- 青春アニメ全集「舞姫」 - 1986年に日本テレビ系列で放送、声の出演:池田秀一、山本百合子、羽佐間道夫、語り手:木内みどり
- 「舞姫」 - 1989年東宝映画、主演:郷ひろみ(主人公)、共演:リザ・ウォルフ・益岡徹・角野卓造・佐野史郎・加藤治子・山崎努、監督:篠田正浩
[編集] モデルにした作品
- コンピュータゲーム『サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~』は制作初期に『舞姫』をモデルにした作品と発表された。
[編集] 参考文献
- 嘉部嘉隆著『森鴎外「舞姫」諸本研究と校本』桜楓社 ; ISBN 4273022141