豊川稲荷
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豊川稲荷(とよかわいなり)は愛知県豊川市にある曹洞宗の円福山 豊川閣 妙厳寺(えんぷくざん ほうせんかく みょうごんじ)の通称。詳しくは境内の荼吉尼天を祀る鎮守堂のこと。
日本三大稲荷の1つとされる。但し三大稲荷の定義には諸説ある(他の2社は伏見稲荷大社、祐徳稲荷神社または笠間稲荷神社と考える稲荷神社が多い。豊川稲荷では自社以外の2社を伏見稲荷、祐徳稲荷としている)
北海道、東京都、神奈川県、静岡県、大阪府、福岡県に別院を持つほか、豊川高等学校を運営。また、修行道場として僧堂を設置している。
目次 |
[編集] 起源と歴史
[編集] 稲荷信仰
[編集] 起源
鎌倉時代、東海義易の師の寒厳義尹が入宋したおり、荼吉尼天の加護を受けたのがきっかけとなり、後に東海義易が鎮守として当地で祀られるようになった。
その後、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などからの帰依を受けたほか、江戸時代になると、大岡忠相や渡辺崋山からの信仰を受け、更には商売繁盛の神として庶民からも信仰されるようになった。
稲荷神社としては京都の伏見稲荷大社を総本山としているが、豊川稲荷は神社ではなく寺であり、上述したように、信仰対象は稲荷である部分もあるものの、伏見稲荷とは同一ではなく、別格本山である。
また、俗説であるが、平八狐を祀っているとも言われている。
[編集] 稲荷寿司
稲荷寿司は当寺の門前町が発祥とされており、2005年現在では、鰻荷寿司(うなりずし)なる新名物も作られている。
[編集] 初詣
正月から2月初旬頃までの初詣期間中は大変な数の参拝客が訪れるため、豊川稲荷駅から豊川稲荷東端付近までの道路が完全通行止となり、全て歩行者天国となる。
[編集] 稚児行列
年に2回、春季大祭(5月4~5日)と秋季大祭(11月22~23日)に稚児行列が行われる。衣装は一般的だが、化粧は歌舞伎舞踊に近い厚化粧となり、巫女を思わせる熨斗飾りを付ける。
[編集] 境内
建築物
その他
- 霊狐塚 - 1,000体以上の狐の石像が安置されている
- 慰霊碑 - 海軍工廠の空爆で亡くなった人々を慰霊
- 千本のぼり(千本旗) - 参道に並ぶ参拝者の願い事が書かれた1,000本の幟
- 稲荷公園 - 境内の一部を開放して整備
- 妙厳寺庭園
- 豊川高等学校 - 現在は近郊に移転。跡地を駐車場とした
[編集] 文化財
[編集] 別院
- 豊川稲荷東京別院 - 東京都港区元赤坂に所在。唯一の直轄別院。大岡忠相が勧請し、自邸に祀っていたものを、明治20年に現在地に移転させて創建。2005年現在、芸能、スポーツ関係者からの信仰を集めていることで有名。
- 豊川稲荷札幌別院 - 北海道札幌市中央区の玉宝寺の別称。玉宝寺は三河国大木村(現在の愛知県豊川市)から明治時代に移転した。
- 豊川稲荷九州別院 - 福岡県春日市春日原北町に所在する東慶院の別称。
[編集] 所在地
愛知県豊川市豊川町1
[編集] 交通アクセス
自動車