龍鳳 (空母)
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| 艦歴 | |
|---|---|
| 起工: | 1933年4月12日 |
| 進水: | 1933年11月16日 |
| 竣工: | 1934年3月31日 |
| 退役: | |
| その後: | 1946年にスクラップとして解体 |
| 除籍: | 1945年11月30日 |
| 性能諸元 | |
| 排水量: | 15,300 トン（公試時） |
| 全長: | 210.0m 飛行甲板全長185.0m （マリアナ沖海戦後に200.0mに延長される） |
| 全幅: | |
| 吃水: | |
| 機関: | 52,000 HP |
| 最大速: | 26.5k ノット |
| 航続距離: | |
| 乗員: | 士官、兵員989名 |
| 兵装: | |
| 艦載機: | |
龍鳳（りゅうほう）は、日本海軍の航空母艦。祥鳳型航空母艦の準同型艦である。
目次 |
[編集] 建造までの流れ
1930年4月22日に調印されたロンドン海軍軍縮条約で、日本は主力艦，補助艦艇の保有を大きく制限された。 そのため海軍は、制限がなかった潜水母艦や給油船などを、あらかじめ戦時にいつでも航空母艦に改造できるように設計、建造した。こうして、潜水母艦「大鯨」、高速給油艦「剣埼」「高崎」が建造されることとなった。潜水母艦「大鯨」は横須賀海軍工廠にて1933年4月12日に起工され、（当時、船体全てを溶接すると言う点においては、世界初の試みであった）電気溶接を使用して建造された。そのため、起工後わずか7ヶ月という短期間で進水した。しかしその時、「大鯨」はまだスクリューシャフトを通していなかった。こうまでして急がなければならなかったのには理由があった。当時、「大鯨」の進水式の日程が昭和天皇に知らされていて、日程を変更できなかったからだ。しかし、このときの電気溶接では計算以上の歪みによって、船体強度に問題があり、再びドックに戻されて後部より切断後、リベットにより補修されることになった。その後、機関として採用されたディーゼルエンジンに問題が発見されたり、第四艦隊事件で船体強度の改善を求められたりで竣工は大幅に遅れ、1939年にようやく艦隊に編入されたのであった。
1941年12月8日に太平洋戦争が勃発し、「大鯨」は12月10日にドック入りし航空母艦への改装に着手した。この改装工事は3ヶ月以内に完了するはずだったのだが、工事には思っていた以上に時間がかかり、結局工事が完了したのは1942年11月のことだった。工事が遅れたことには次のような理由がある。
- 問題の多かったディーゼルエンジンを、駆逐艦「陽炎」型と同じタービンエンジンに換装したため。(これが影響し速力が計画より大幅に低下）
- 1942年4月1日のドーリットル空襲の際に、B25の投下した爆弾が命中したため。
様々な不運に見舞われた「大鯨」だが、1942年11月28日に航空母艦への改装を完了。そして「龍鳳」と命名され、航空母艦としての道を歩み始めた。
[編集] 祥鳳型との相違点
「龍鳳」と、同時期に建造された航空母艦「祥鳳」(元は高速給油艦「剣埼」)、「瑞鳳」(元、高速給油艦「高崎」)とは非常に類似しているので、同型艦だと勘違いする場合がある。しかし、類似しているのだが「龍鳳」と「祥鳳」型は完全なる同型艦ではない。「祥鳳」型との相違点は以下の五つ。
- 船体の大きさが「祥鳳」型と比べると若干大きく、排水量も2000tほど多い。
- 「龍鳳」の飛行甲板，格納庫甲板等には10mmの装甲が施されているが、「祥鳳」型にはない。
- 「龍鳳」の飛行甲板の長さが「祥鳳」型と比べると5m長い。
- 後部エレベーターの位置が「祥鳳」型よりも後方にあり、遮風柵は前方にある。
- 着艦標識の形状が異なる。
しかし、これらの相違点以外の点で見れば「龍鳳」と「祥鳳」型はほぼ同型艦であるので準同型艦として扱われている。
[編集] その後
1942年に航空母艦への改装を完了した「龍鳳」は、ただちに第三艦隊に編入された。しかし「龍鳳」の悲劇はまだ続いた。初めての南洋への航海の途中、敵潜水艦から雷撃され、結局この年はこのとき受けた損傷の修理をするだけで終わった。1943年には航空機輸送任務や訓練に従事。1944年にはマリアナ沖海戦に参加。同じ第二航空戦隊所属の航空母艦「飛鷹」、「隼鷹」とともに攻撃隊を発艦させたが、この攻撃は失敗に終わった。攻撃後に艦隊は西へ撤退して再起を図ろうとしたが、この途中アメリカ軍機による激しい攻撃を受け、飛鷹は沈没、龍鳳は小破という損害を受けた。同海戦後は艦載機不足により戦いに参加することなく練習空母となり、1945年アメリカ軍機動部隊による呉軍港空襲で大破。その後、防空砲台として係留され終戦を迎え、1946年4月2日に呉工廠にて解体。解体は1946年9月25日に完了した。
[編集] 戦歴
- 1942年 - 11月30日 軍艦「龍鳳」と命名され、第三艦隊編入。
- 1942年 - 12月11日 トラック島に向け横須賀出港。
- 1942年 - 12月14日 アメリカ軍潜水艦の雷撃をうけ、横須賀に帰着。
- 1942年 - 12月16日 横須賀海軍工廠にて損傷箇所の修理。
- 1943年 - 3月19日 呉に向けて横須賀出港。
- 1943年 - 3月31日 呉に入港。訓練に従事。
- 1943年 - 5月25日 呉出港。
- 1943年 - 6月13日 横須賀帰着。第三艦隊第二航空戦隊に編入。
- 1943年 - 6月16日 トラック島に向け横須賀出港。
- 1943年 - 6月21日 トラック島に入港。
- 1943年 - 7月2日 「龍鳳」所属の戦闘機隊の一部、ラバウルを経由しブイン基地に進出。
- 1943年 - 7月5日 残部の「龍鳳」飛行隊、ブイン基地に進出。
- 1943年 - 7月15日 航空母艦「飛鷹」飛行隊の全員、正式に「龍鳳」に転属の措置がとられる。
- 1943年 - 7月19日 トラック島を出航。
- 1943年 - 7月24日 呉入港。訓練・整備を実施。
- 1943年 - 9月22日 呉工廠に入渠。
- 1943年 - 9月27日 呉工廠を出渠。
- 1943年 - 10月6日 呉出港。
- 1943年 - 10月15日 三亜入港。
- 1943年 - 10月16日 三亜出港。
- 1943年 - 10月19日 シンガポール入港。
- 1943年 - 10月26日 シンガポール出航。
- 1943年 - 10月30日 三亜入港。
- 1943年 - 10月31日 三亜出港。
- 1943年 - 11月5日 呉入港。
- 1943年 - 11月22日 南方に向け呉出港。航空機輸送任務等に従事。
- 1944年 - 1月2日 呉入港。
- 1944年 - 1月28日 呉にて訓練に従事。
- 1944年 - 3月19日 呉出港。
- 1944年 - 4月1日 サイパン入港。
- 1944年 - 4月3日 サイパン出港。
- 1944年 - 4月8日 呉入港。
- 1944年 - 4月29日 南方に向け呉出港。
- 1944年 - 5月16日 タウイタウイ泊地に入港。
- 1944年 - 6月13日 タウイタウイ泊地を出港。
- 1944年 - 6月14日 ギマラス泊地に入港。
- 1944年 - 6月15日 ギマラス泊地を出港。「あ号作戦」のためマリアナ沖へ向かう。
- 1944年 - 6月19日 マリアナ沖海戦に参加。
- 1944年 - 6月20日 アメリカ軍機動部隊艦載機の攻撃をうけ小破。
- 1944年 - 7月3日 呉入港。
- 1944年 - 7月9日 呉工廠に入渠。損傷箇所の修理や飛行甲板の延長、対空兵装の強化を実施。
- 1944年 - 7月10日 第三艦隊第一航空戦隊に編入。
- 1944年 - 7月20日 呉工廠を出渠。
- 1944年 - 8月10日 第三艦隊第四戦隊に編入。内海にて待機。
- 1944年 - 10月4日 呉出港。
- 1944年 - 11月2日 呉入港。内海にて待機。
- 1944年 - 11月15日 連合艦隊第一航空戦隊に編入。
- 1945年 - 1月19日 呉にて訓練に従事。
- 1945年 - 2月3日 内海にて訓練に従事。
- 1945年 - 3月19日 呉軍港空襲にて敵艦載機の攻撃をうけ、飛行甲板等に爆弾3発が命中し大破。
- 1945年 - 6月1日 陸岸に係留され、対空砲台となる。その際、高角砲要員と機銃要員以外は下艦を命ぜられる。
- 1945年 - 8月15日 終戦を迎える。
[編集] 兵装
竣工時 - マリアナ沖海戦
マリアナ沖海戦後
ここに書かれている搭載機数はあくまで計画値であり。マリアナ沖海戦で大量の艦載機と大勢の搭乗員を失った日本海軍には、ほとんど空荷の状態だったという。
[編集] 関連項目
| 大日本帝国海軍の航空母艦 | |
| 同型艦無し： | 鳳翔 | 赤城 | 加賀 | 龍驤 | 蒼龍 | 飛龍 | 大鳳 | 信濃 | |
| 翔鶴型空母： | 翔鶴 | 瑞鶴 |
| 瑞鳳型空母： | 瑞鳳 | 祥鳳 |
| 飛鷹型空母： | 飛鷹 | 隼鷹 |
| 千歳型空母： | 千歳 | 千代田 |
| 大鷹型空母： | 大鷹 | 雲鷹 |冲鷹 |
| 雲龍型空母： | 雲龍 | 天城 | 葛城 | 笠置 |阿蘇 | 生駒 |
 |
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