B65型大型巡洋艦
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B65型超甲型巡洋艦(超甲巡)とは、日本海軍が計画した巡洋艦。
第五次補充計画(マル5計画[1])で795号艦と796号艦の2隻の建造が計画された。
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[編集] 概要
日本海軍の艦隊決戦計画では、主力部隊同士の艦隊決戦の前夜に重巡戦隊及び水雷戦隊からなる4群の襲撃群によって構成された夜戦部隊によって敵主力艦隊に夜間雷撃戦を実施する事になっていた。 しかし、この計80隻以上にも及ぶ大艦隊を指揮するには、高雄型重巡洋艦では能力不足であると認識されるようになっており、重巡洋艦の火力では敵警戒部隊を突破するのは困難になりつつあった。 このため、海軍では金剛型戦艦に夜戦部隊の支援を行わせる事としていたが、さすがの金剛型戦艦も大改装を経て能力は向上してはいるものの艦齢は25年にも達していたために早期に代艦を建造する必要性があった。そこで海軍は有力な指揮施設を持ち金剛型高速戦艦に匹敵する火力を持つ艦を計画した。これが“超甲型巡洋艦計画”である。
艤装面の特徴としては艦橋などの形状が非常に後の大和型戦艦に酷似している事が上げられる。 防御面での特徴だが、海軍の要求では31センチ砲弾に対しては20,000m~30,000m、800kg爆弾の急降下爆撃に耐える防御が計画された。装甲の防御配置は大和型戦艦に準じており、最大装甲厚は190mmであった。 本級の最大の特徴は主砲である50口径31cm砲である。この主砲で撃ち出される砲弾には、日本海軍では珍しいアメリカ海軍のSHSに匹敵する重量砲弾が使用されていた。性能はアメリカ海軍のアラスカ級大型巡洋艦に搭載された12インチ(31cm)50口径Mk-8砲に匹敵する威力を持っていたと言われている。 大いに活躍が期待されていた本級だったが、マル5計画は廃案となり2隻とも建造中止となってしまった。
[編集] 米国の大型巡洋艦との関係
この超甲型巡洋艦に反応してアメリカが建造した艦が、アラスカ級大型巡洋艦である。この両艦を比較すると、同じような目的で建造された艦に思えるが、実際は大きく異なる。超甲巡が大型巡洋艦だとすれば、アラスカ級は小型の戦艦として建造されていた。これはアメリカ海軍が日本海軍の重巡洋艦部隊を大変に警戒していた事の現れであろう。 日本海軍が巡洋艦を“準主力艦”として建造、整備していたのに対してアメリカ海軍における巡洋艦の目的はあくまでも偵察行動を想定していた。そのため、アメリカ海軍の重巡洋艦は魚雷兵装を全廃していたのだ。これでは、いざ戦闘になった場合、アメリカ海軍の重巡より高速で、強力な魚雷で高い攻撃力を持つ日本の重巡に苦戦すると予想された。さらに、日本が大型巡洋艦を建造しているとの情報ももたらされた、この為、既在する重巡より強力で、その砲力で持って日本海軍の重巡を撃滅する大型巡洋艦が必要になった。つまり、日本海軍の思想とは全く逆の思想で建造されたわけである。このアラスカ型は事実上失敗作に終わるが、ひょっとすると、日本が超甲巡を建造した場合も同じような結果になったのかもしれないと言われている。
[編集] 要目
- 全長:240m
- 全幅:28m
- 基準排水量:32,000トン
- 最大速力:33ノット
- 兵装
- 50口径31㎝砲:3連装3基9門
- 65口径10cm砲:連装8基16門
- 25mm対空機銃:12門
- 13.2mm対空機銃:8門
- 61cm魚雷発射管:8門
- 航空機:3機
[編集] 脚注
- ↑ 本来は丸付き数字の「⑤計画」だが、機種依存文字のためこう表記。
[編集] 関連項目
大日本帝国海軍の戦艦 |
創設から日露戦争終結まで |
富士型:富士 | 八島 敷島型:敷島 | 朝日 | 初瀬 | 三笠 |
日露戦争後からド級戦艦まで |
香取型:香取 | 鹿島 薩摩型:薩摩 | 安芸 筑波型:筑波 | 生駒 鞍馬型:鞍馬 | 伊吹 |
ド級戦艦建造から第一次世界大戦まで |
河内型:河内 | 摂津 金剛型:金剛 | 比叡 | 榛名 | 霧島 扶桑型:扶桑 | 山城 伊勢型:伊勢 | 日向 |
八八艦隊計画 |
長門型:長門 | 陸奥 加賀型:加賀 | 土佐 天城型:天城 | 赤城 | 愛宕 | 高雄 紀伊型戦艦:紀伊 | 尾張 | (駿河) | (近江) 十三号型巡洋戦艦:十三号艦 | 十四号艦 | 十五号艦 | 十六号艦 |
太平洋戦争 |
大和型:大和 | 武蔵 | 信濃 | |
日本が保有した他国の戦艦(戦利艦) |
日清戦争戦利艦:鎮遠 日露戦争戦利艦:石見 | 肥前 | 丹後 | 壱岐 | 周防 | 相模 第一次世界大戦戦利艦:トゥルグット・レイス | ナッソー | オルデンブルク |
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