DVDプレーヤー
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DVDプレーヤー(ディーブイディープレーヤー)は、DVD-Videoを再生する装置である。DVDプレーヤーが再生専用機であるのに対して、記録型DVDに動画などを記録できる装置は「DVDレコーダー」と呼ぶ。
通常はテレビに接続して視聴する。また、液晶ディスプレイを搭載したポータブルDVDプレーヤーもある。
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[編集] 概略
一般的なDVDプレーヤーの主要な機能を以下に列挙する。
- UDFバージョン2フォーマットでDVDディスクを読む
- オプションとして、CSSおよび/またはマクロビジョンのデータを解読する
- ピーク値10Mbpss、平均8Mbpsの連続的なMPEG-2ビデオストリームをデコードして、アナログビデオ出力(NTSC、またはPALやSECAM)またはデジタルビデオ出力(DVIコネクタ)に映像信号を出力する。
- MP2、PCMまたはAC-3(オプションとしてのダウンサンプリング)のフォーマットの音声をデコードして、ステレオ出力、光デジタルコネクタまたは電気的デジタルコネクタに出力する。
付加的な機能(アプリケーションフォーマット機能への対応)としては以下の通り。
- マルチ音声や、字幕表示への対応。
- メニュー機能
- ほか <stub>
多くのDVDプレーヤーは、CD(CD-DA、MP3、写真《JPEGやTIFF》ファイル等)やビデオCDを再生できる。また、ホームシアターのためのドルビーデジタルやdtsに対応する。新型のプレーヤーの一部では、インターネットで多く流通しているDivXコーデックに対応している物もある。
DVDプレーヤーの生産台数は中国が世界最多である(2002年において3000万台、全世界でシェア70%)。中国国内のメーカーは、MPEG-2のライセンス使用料とDVD特許料として1台あたり約2000円程度のコストが掛かっている。そのため回避策として「EVD」と言う独自の光ディスク規格が開発された。現在、EVD規格は中国国内でのみ採用されている。
[編集] 機器
DVDプレーヤー単体製品のほか、LDとのコンパチブルプレーヤー、VHSとの一体型機器などがある。またCDと同様にディスクサイズが12cmと小型であるため、ラジカセやカーオーディオ、LCD付ポータブルプレーヤー、カーナビゲーションなどの機器もある。またPC用DVD-ROMドライブでも利用可能であり、DVD-ROMドライブを搭載したPC等では、DVD-Videoの視聴が可能であることが多い。(通常は、DVD再生ソフトウェアが別途必要。)
2000年にDVD-Video再生対応のゲーム機「プレイステーション2」が発売されてから、それまで高価だったDVDプレーヤーの低価格化が進み、DVDソフトの普及が一気に進んだ。またゲーム機ではXbox、Xbox 360、プレイステーション3もDVD-Video再生に対応する。
2003年頃からDVDレコーダーの本格的な普及が始まったため、据え置き型のDVDプレーヤーの市場は、コモディティ化して安価なプレーヤーが出回るなど安定普及期を過ぎつつある。
また、アプリケーションフォーマットとしてDVD-Video(ビデオモードはDVD-Video準拠)だけでなく、DVD-VR(VRモード)再生に対応したプレーヤーもあるが、実売価格10万円超の高級機種でVRモードに対応したものは皆無に等しい。DVD-RAM対応機に至っては同規格の先頭に立つ松下電器産業が出している(ポータブル機もある)のみというお寒い状況である(これには-RAMに松下電器の特許が数多く使われているという事情もある)。各種のDVDメディア(R/RW/RAM他)の各モード(さらには、デジタル放送のコピー制御に対応するCPRMメディア、また8cmメディア等)の再生に、細かい対応・非対応があるため、DVDプレーヤーの選択時には注意が必要である。また、非対応のメディアを非対応機器に使用した場合、誤動作や最悪の場合には機器の故障を招く事もあり十分な注意が必要である。
[編集] DVD再生ソフトウェア
DVD再生ソフトウェア(ソフトウェアDVDプレーヤーとも言う)は、DVDドライブを搭載したパソコンでDVD-videoの再生を可能にするソフトウェアである。主な物としては「WinDVD」や「PowerDVD」、そしてMac OS Xの「DVDプレーヤ」などがある。フリーのものではMedia Player Classic、VLC media playerなどがある。