RAY (漫画)
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『RAY』(レイ)は吉富昭仁の漫画作品。第2部『RAY -THE OTHER SIDE-』は『RAY+』として単行本が刊行された。
目次 |
[編集] 概要
かつて同社刊の漫画雑誌・「週刊少年チャンピオン」に連載されていた手塚治虫作の漫画『ブラック・ジャック』をベースとし(※)、闇の組織に運命を翻弄されつつも特殊能力を駆使してあらゆる奇病に立ち向かう女性医師の物語を描く。
声優が自ら演じる実写版DVDドラマ作品や、アニメ版作品『RAY THE ANIMATION』も制作された。
- (※)ベースとしているのは、同作品の基本コンセプトである“超人的能力を持つ医者が繰り広げる命の物語”という部分のみ。手塚作品との関わりは“B.J.”が登場する程度であり、手塚ワールドとの関係は基本的に限りなく薄いが、アニメ版ではB.J.が”ブラック・ジャック”と明言して登場しており、全く関連性が無いとは言い難い。
[編集] 物語
闇の臓器密売組織に自らの両眼を奪われた主人公の少女・春日野零(かすがの れい)は、謎の男”B.J.”の手によって”物質を透視できる眼”(透視眼)を移植される。後に成長した零は医師となって透視眼の力を使い、常人には不可能な数々の難手術をこなす表の顔を持ちながら、闇の組織との暗闘を繰り広げる。
[編集] 主な登場人物
※人物名横の声優はアニメ版キャスト。
- 春日野 零(かすがの れい)…声優:野川さくら
- 幼少期に組織の手により“白い部屋”に仲間と一緒に監禁されていた、「ナンバーズ」の一人。その後に両眼を失うものの、B.J.(ブラック・ジャック)に透視眼を移植されて視力が戻り、透視能力を開花させた。そのオペ技量はB.J.と同等と評されている。
- 本名は不明。今の名前の由来は、右肩後方の数字刻印「075-1-74」を引き算に例えると「0」になることから。「春日野」の姓は救い出されてから付けられたもの。なお、モチーフキャラはB.J.その人。
- 過去の経緯から人に対してはとにかく疑り深いが、賢治とだけは素直に心を通わせている。Hリングの母のクローン。どうやら少年愛者らしい。
- 篠山 利明(しのやま としあき)…声優:高橋広樹
- 零の仲間で、零に気があるもの軽くあしらわれている気の毒な青年。
- 髪はボサボサ、日頃の生活態度もズボラの一言に尽きるが、メカニック関係には極めて強く、車の運転も得意。また、卓越した人工臓器の開発技術者でもある。シボレー・アストロが愛車。
- 沢(さわ)…声優:屋良有作
- かつて組織に監禁されていた零を救い出した巨漢の壮年男性。名前は不明。仙人の様な長く見事なヒゲを蓄え、右目と右足を失っている身(右目には黒いアイパッチ、右足には義足ではなくあえて無骨な棒を着けている)。
- とある街に中規模の病院『沢医院』(アニメ版では『沢病院』)を開設してその院長の職に就いており、度々零を呼び付けては、困難な手術が必要な患者を担当させる。その胡散臭い物言いからも、零にはあまり信用されていないが…。
- 常人を卓越した武道家でもあり、数々の必殺技を持っている。特に初登場時に見せた、右足の棒を支点に自らの体を高速で回転させながら敵に突っ込み蹴散らす技は、読者を唖然とさせた。モチーフは病院共々『赤ひげ』?
- コーイチ…声優:浪川大輔
- “白い部屋”で零やアカリボンと共に監禁されていた、「ナンバーズ」の一人。本名は不明。零とは互いに好意を持っていた。後年再会した時は、当時のイメージを残したままの青年となっていたが…。零に対しては異様なまでの執着心を持っている。
- 実はHリングの男のクローン。最後には零に想いを告白するが、それまでの執着心が仇となり、拒否される。絶望した彼は持っていた拳銃でこめかみを撃ち、自害するのだった。
- アカリボン…声優:宮崎羽衣
- “白い部屋”で零やコーイチと共に監禁されていた、「ナンバーズ」の一人。本名は不明。今の名前の由来は、監禁時代に大きな赤いリボンを好んで着けていたことから。当時のイメージを残した幼い少女の容姿のままで零と再会し、同居することになった。ちなみに料理の腕はド下手で、零も呆れるほど。モチーフは『ブラック・ジャック』のピノコ。
- 普段の無邪気な性格は実は演技。コーイチを愛しているが、当の彼の視線は常に零へ向いている為、あまり相手にされていない。憤った彼女は零をメスで刺し殺そうとするが、コーイチに撃たれてしまう。その後の生死は不明。
- 春日野(かすがの)…声優:一柳みる
- 組織から救い出された零を親代わりとなって育てた、妙齢の女性。名前は不明。若かりし頃は沢やHリングの男と共に、ある研究を行っていた。
- 美里(みさと)…声優:本名陽子
- 留美(るみ)…声優:河原木志穂
- 利江(りえ)…声優:生天目仁美
- 真美(まみ)…声優:新井里美
- 以上の4人は、沢の病院に勤務している女性看護師。いずれも名字は不明。
- チャイナ風の髪留めをしているのが美里。
- 沢の影響か、全員が零に劣らぬ端麗な容姿からは想像できないような、高い格闘能力を持っている。
- 江戸川賢治(えどがわ けんじ)…声優:久保田恵
- 沢の病院に長く入院している少年。空気感染しやすい難病(免疫不全症?)を患い、滅菌処理済みのフィルムにより隔離された特殊なベッドでいつも寝ている。
- 自ら望まずとも近くにいる人間の心を読み取ってしまう特殊能力を持っていることもあり、日々塞ぎ込んでいる。しかし、それを承知で正面から向き合ってくれる零とは打ち解け、心を通わせる。
- 堀内 すみれ(ほりうち - )…声優:堀江由衣
- 篠山の幼馴染。心臓に先天的な疾患を持っており、篠山が作った人工臓器を移植してもらうのが夢。
- 全キャラクターでも一二を争うほど恋愛には積極的で、彼女の台詞はまさに愛に生きる女のそれ。恋のライバルである零のオペを拒むなど、根性を持った女性である。
- 実は、零の本来の眼球を移植された身。また、人工臓器を移植されている体内を零の透視で見た際、その身体はサイボーグに近いと言ってもいいものだった。
- Hリングの男…声優:山野井仁
- 謎の組織に君臨する男。本名は不明。ある目的の為に“白い部屋”を作り、現在も各地で医療犯罪に手を染める。組織の脱走者である零を何故か生かしたまま泳がしているなど、その行動には不可解なところが多い。
- 実は母親を蘇らせる為にクローン技術を発展させ、“記憶を持った状態で蘇らせる”のが目的だったが、彼自身は自我の一部が崩壊しており、一時的に幼児退行を発症することがある。
- コーイチと対峙した際、自身のクローンと告げた為、射殺される。「ナンバーズ」は目的であるクローンの副産物であり、失敗作であった。
- ONE…声優:近江知永
- 零に酷似する顔を持ち、Hリングの男に付き従っている女性。本名は不明。その正体は零の後に生み出された、Hリングの男の母のクローン。コーイチにお題目の元に殺されてしまう。
- HONOKA…声優:かないみか
- Hリングの男の研究を完成させた少女。Hリングの男の母親でありクローンでもあり、そして失敗作でもある。
- B.J.(ブラック・ジャック / 間黒男)…声優:大塚明夫
- 言わずと知れた天才外科医。零に透視能力を持つ眼球を移植した。
- 本作が作られた経緯から、その正体はどう見てもブラック・ジャックなのだが、原作では顔を構図的に隠すなど、最後までブラック・ジャック本人とは明かされなかった。しかしアニメ版では、制作側が手塚プロダクションに改めてキャラクター使用許可を貰い、第1話ラストにおいて零が壁の向こうに立つ彼に呼びかけるシーンで、零に「ブラック・ジャック」と言わせる(顔は原作同様に隠してあるが)など、本人である事がより明確化されている。
- 第1話以来久しく姿を現さなかったが、最終話で再び現れ、盲目になりかけた零の眼を治した。ただ、透視眼はどこから調達したのか、との疑問は言わないのがお約束であろう。
- ※ なお、原典と言える漫画『ブラック・ジャック』において、ある患者の視力を戻すためにブラック・ジャックが眼球の移植手術を行ったエピソードが存在するが、その際は手術しても移植後僅か5分間しか視力が回復しないという制約が付いた、不完全なものであった、なおオリジナルでTVドラマスペシャルの第一話の臓器農場行き幽霊バスも同じく臓器売買シンジケートを題材にした作品である。
[編集] 用語
- ナンバーズ
- 闇の臓器密売組織に監禁された子供達の集団名。右肩後方には数字刻印(タトゥー? )が打ち込まれている。臓器提供の際に使われるものと思われる。
- 白い部屋
- ナンバーズの子供達が収容される部屋。
- その子供達には名前(全部)が付けて貰えず、子供達はそれぞれ大切にしている物などを愛称にして呼び合っていた。
- 白い部屋内では制服?を着させられる。制服?は男女別々になっており、男の子はシャツと半ズボンだが、女の子はシャツとビキニ風の履物で、前は少々褌のような形状をしていて露出が大きめ。女の子のシャツは何故か男の子よりも丈が短く臍が見えてしまい、ビキニ風の履物との組み合わせもあって少しエッチになってしまっている。
[編集] 実写DVD版『RAY』
アニメ版に先駆けてDramagixレーベルより2005年冬にVシネマとして発売された。オリジナルストーリーで、零役をアニメ版と同じ野川さくらが演じ、実写版オリジナルキャラとして村上幸平や小川輝晃、宮崎羽衣(このシリーズではアニメとは違って女子高生の「朋美」役で)も出演した。
『COLD BLOOD』と『SPIRITUAL SONG』の前後編2巻構成。
[編集] 『RAY THE ANIMATION』
2006年4月から同年6月までTV放送された。全13話。
B.J.は、原作では最後まで謎の男だったが、アニメ版では最初からブラック・ジャック本人として登場。キャストも『ブラック・ジャック』のアニメ版で数多く彼を演じてきた声優・大塚明夫である(この事実はアニメ放送に先駆けて東京国際アニメフェア2006での同作品イベントにて発表された)。
本放送同時期、本作放送局とは別のテレビ系列局では原典『ブラック・ジャック』のアニメ版『ブラック・ジャック21』を放送していたが、そこで展開されたストーリーと本作のストーリーが擬似的なリンクを見せていた(※)事が少し話題となった。(あくまでも“偶然の一致”レベル)
- ※『~21』では原典をベースとして、ブラック・ジャックが謎の組織に各種の理由から命を狙われつつ、自らも組織の陰謀を暴こうと世界各地を旅するアニメオリジナルストーリーを展開していた。この”謎の組織”と本作における”組織”は、公式には勿論同一組織とは明言されていないが、両方とも視聴していたファンの心の中では両作をリンクさせ、あれこれと想像を膨らませる一助になったと言える。
中部日本放送・RKB毎日放送・北海道放送・東北放送共同制作の深夜アニメとしては第2作目にあたる。
[編集] TVアニメ版スタッフ
- 原作:吉富昭仁
- 監督:高橋ナオヒト
- シリーズ構成:冨岡淳広
- キャラクターデザイン・総作画監督:香川久
- 音楽:奥井雅美 with God Speed
- 美術監修:小林七郎
- 美術監督:今井修
- 音響監督:三好慶一郎
- アニメーション制作:OLM TEAM IGUCHI
- 製作協力:手塚プロダクション
- 製作:RAY PROJECT(東北新社・アミューズソフトエンタテインメント・ドワンゴ・中部日本放送・RKB毎日放送・北海道放送・東北放送・OLM)
[編集] TVアニメ版主題歌
- オープニングテーマ「zero-G-」
- 作詞:奥井雅美 / 作曲:Monta / 編曲:鈴木‘Daichi’秀行 / 歌:奥井雅美
- エンディングテーマ「夕凪」
- 作詞・作曲:奥井雅美 / 編曲:市川淳 / 歌:近江知永
[編集] サブタイトル
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[編集] 放送局
[編集] 制作参加局
- 中部日本放送 (CBC) 毎週水曜 26:15~ (幹事局)
- RKB毎日放送 (RKB) 毎週日曜 26:13~
- 北海道放送 (HBC) 毎週木曜 26:10~
- 東北放送 (TBC) 毎週水曜 26:00~
※ 制作参加各局のクレジットは、ED最後に表示されている。
[編集] ネット局
- tvk 毎週月曜 23:00~
- とちぎテレビ 毎週火曜 22:30~
- (CS)ファミリー劇場 毎週日曜 19:00~(本放送期間中の再放送あり)
- 毎日放送(MBS) 毎週土曜 26:55~(「アニメシャワー」枠内、2006年7月より)
※同局のみ、地上波デジタル放送では16:9フルサイズで放送。
[編集] 再放送
- CBC 毎週水曜 27:10~(2006年10月より)
[編集] 単行本
全て秋田書店・チャンピオンREDコミックス刊。
- RAY
- 2003年3月初版 ISBN 425323030X
- 2003年7月初版 ISBN 4253230318
- 2003年12月初版 ISBN 4253230326
- 2004年5月初版 ISBN 4253230334
- 2004年10月初版 ISBN 4253230342
- 2005年3月初版 ISBN 4253230350
- 2005年8月初版 ISBN 4253230369
- RAY+
- 2006年8月初版 ISBN 4253230253
[編集] 関連サイト
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