バイオハザード CODE:Veronica
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バイオハザード CODE:Veronica(-コードベロニカ)は2000年にカプコンよりドリームキャスト用として発売されたホラーアクションアドベンチャーゲーム。バイオハザードシリーズの第4作である。本作以降はタイトルナンバーと出た順序が一致しなくなった。
当初は「ドリームキャストのみで発売されるバイオ」という触れ込みであったが、結局「完全版」と称してドリームキャスト以外の機種にも移植されることとなった。
また,本作はバイオハザードシリーズの中でもストーリーが長い。
目次 |
[編集] 移植版
- 『バイオハザード CODE:Veronica』(ドリームキャスト)2000年2月3日発売
- 『バイオハザード CODE:Veronica 完全版』(プレイステーション2)2001年3月22日発売
- 『バイオハザード CODE:Veronica 完全版』(GC)2003年8月7日発売
[編集] 概説
アメリカ中西部の街ラクーンシティーから脱出して3ヶ月後、クレア・レッドフィールドは行方不明の兄の僅かな手がかりを頼りにヨーロッパへ向かうもそこで何者かに拉致され、絶海の孤島に閉じ込められる。果たしてクレアは兄と再会できるのだろうか。
第二作「バイオハザード2」の3ヶ月後を描いた出来事。プレイヤーはゲーム前半はクレアを後半はクリスを操作する。絶海の孤島からの脱出を目的とする。
のちにアルバート・ウェスカーが活躍するムービーを追加した完全版が発売された。完全版ではシステムの変更は無い。
[編集] システムの特徴・概要など
追加された点は、2丁拳銃が可能になったこと、プラットフォームをドリームキャスト、プレイステーション2,ゲームキューブに移したことで前3作よりもグラフィックが向上した点。さらに、これまでの「固定カメラ」視点から、「移動カメラ」視点に変わった点等である。
クレアとクリスの操作のキャラ交代のとき、クレアにアイテムを持たせたままにすると持ち逃げ状態となり、クリスの手元(アイテムボックス)には戻ってこない。よって、強力な武器がなくなることもありうる。逆に強力な武器をアイテムボックスに残しておけば、クリス編は有利となるが、クレア編の最後にはボス戦があるので注意が必要である。また、ハーブや弾薬の個数が少なめで難易度はシリーズの中では高い部類に位置する。
本作はナイフがひと薙ぎで複数ヒットするためか異常に強力であり、銃器とナイフを併用する事でかなり弾薬を節約する事ができる。基本的には銃器でダウンを奪い、倒れている敵をナイフで切り刻む戦い方になる。強敵であるハンターやバンダースナッチが相手の時ですら、ショットガンで転ばせ、起き上がって来る間に下段ナイフ攻撃を連打する事で、簡単に瞬殺する事ができてしまう。
[編集] 登場人物
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
クレア・レッドフィールド(Claire Redfield)
- 兄であるクリスの捜索の為にアンブレラの本社へ潜入し、激しい銃撃戦を繰り広げるが逮捕され、ロックフォート島に収監される。島が襲撃された際にロドリゴにより開放され、スティーブとともに脱出を目指す。
スティーブ・バーンサイド(Steve Burnside)
- ロックフォート島の監獄に父親と共に囚われていた少年。島内の混乱に乗じて脱走し、同じく収監されていたクレア・レッドフィールドと出会い、島からの脱出の為に協力しあう事になる。南極のアンブレラの施設内でモンスター化され、アンブレラを裏切り対抗組織に身を置くアルバート・ウェスカーに連れ去られる。
クリス・レッドフィールド(Chris Redfield)
アルフレッド・アシュフォード(Alfred Ashford)
- アンブレラ社所有のロックフォート島の責任者。アンブレラの創設メンバーの一人、エドワード・アシュフォードの孫にあたる。兵器マニアであり、娯楽で囚人を惨殺して楽しみ、アレクシアがいない寂しさに耐え切れず妹の人格を生み出してしまうなどかなりの変人である。
アルバート・ウェスカー(Albert Wesker)
- 初代1(もしくはリメイク1)で死んだと思いきや同僚であったウィリアム・バーキンのくれた「飲めば一度仮死状態になり、凄まじいパワーを持って復活する薬」を飲んでいたため(おそらくG-ウィルスか、もしくはその改良品であると考えられる)復活。その副作用か瞳孔が変化し、爬虫類のようなともかく肉食獣を思わせる細い目になった。アンブレラと敵対する製薬会社「H.C.F」の部隊に参入し今作に登場。部隊を率いてロックフォード島を襲撃。T-Veronicaの確保に成功すると同時に、再びクリスと戦うことになる。復活の詳しい経緯は完全版の限定版に付いていた「ウェスカーズリポート」に記されている。ちなみにアレクシアと対峙する際、オリジナル版では手も足も出なかった事に対し、完全版では残像を残して壁を走ったり、素手で殴ったりと互角の戦いを演ずる等その超人ぶりが目立っている。
アレクシア・アシュフォード(Alexia Ashford)
- ロックフォート島の責任者・アルフレッド・アシュフォードの双子の妹。家系的には先代当主アレクサンダーの娘であるが、実際にはアルフレッドと共にアシュフォード家初代当主ベロニカをクローン技術で蘇らせたクローン人間である。稀に見る高い知能を有した天才科学者であり、ウィルス、バイオテクノロジーの研究で才能を発揮する。1983年、若干12歳にして南極アンブレラ基地の研究施設でウィルス研究から生み出したT-Veronicaウイルスを自身に投与、以来15年間ものコールドスリープに入る。
ロドリゴ・ファン・ラバル(Rodrigo Juan Raval)
- アンブレラ、イギリス社の警備員であり島の刑務官。クレアをとらえた張本人。父親の代から島の墓守として育ち、アッシュフォード家が施設を作るため島民のほとんどを強制退去させたときも先祖の墓を守るため、刑務官として就任していた。最期は、自らの父の墓前でクリスにライターを渡し逝く。
D.I.J.
- 実験により人並みの知性を獲得、言語を解せるようになった(しかししゃべれない)鼠。こちらもバイオハザードの起きた島から脱出しようと試みておりムービーを注意深く見るとちらっとその姿を見せていることがある。その日記にはタイラント戦でクレアを手伝ったと書かれているが、何をしたのか、又役に立ったのかは不明。最後はウェスカー達の潜水艦に乗り込み脱出した模様。
[編集] 登場クリーチャー
特に説明が無いクリーチャーに関しては登場クリーチャーを参照してください。
ゾンビ(Zombie)
今作では生前の職業によって能力が変動するようになっている。例えば墓場に埋められていたゾンビは腐敗がひどいので能力が低く、逆にウェスカーの部下のゾンビは能力が高い。中には背中に爆弾を背負っているタイプもいる。
ゾンビ犬(Zombie dog)
蛾(Moth)
- 実験用に飼育されていた蛾がウィルスの影響で巨大化したもの。リン粉の毒性も強化されている。人間の背中に卵を産みつけ、気が付いたときに取り去らなければ、幼虫が孵化して毒牙で噛み付いてくる。
クモ(Black widow)
ハンター改(Hunter)
コウモリ(Bat)
- ロックフォート島に生息していたコウモリが、基地から漏れ出したT-ウイルスに感染したもの。普通のコウモリよりややサイズが大きくなったぐらいだが、凶暴性は格段に増しており、人間の物音を感知するや素早く襲って吸血をしてくる。暗く湿った場所を好み、つねに集団で動く。能力は他シリーズのカラスと変わらず、ライターを装備すれば近寄ることはない。なお、意外にもバイオハザードシリーズでコウモリがクリーチャーとして登場するのは本作が初めてである。
砂虫(Gulp worm)
- ミミズをベースにt-ウィルスの投与、遺伝子操作で生み出された大型のB.O.W.。試作段階のものをロックフォート島の施設でデータ収集していた模様。ラクーンシティーに出現した「グレイブディガー」に酷似しているが、「グレイブディガー」がウィルスの二次感染により偶発的に生まれたのに対しロックフォート島の砂虫はこれを元にB.O.W.として研究開発されたもの。
アリ(Ant)
- ウイルス研究のためにアレクシアが飼育していたアリ。T-Veronicaが生み出されてからは、アレクシアの最終的な「計画」実現のために同ウイルスを体内に注入され、小鳥ほどの大きさに巨大化。同時に凶暴性も増し、大アゴを用いて人間に攻撃を仕掛ける事もあり、ブーツを履いていてもダメージを受けてしまう。
アルビノイド(Albinoid)
- ロックフォート島に生息するサンショウウオにt-ウィルスの投与と遺伝子操作を施して生み出したB.O.W.。数時間で成体に成長する。体から放電して攻撃する。幼体、成体に渡ってどちらも出番が少なく戦わなくても良い存在であり、影は薄い。
触手(Tentacle)
- アレクシアが15年の眠りから目覚めるのと同時に出現した、謎の触手。大樹の根にも似たその正体は、15年の歳月を経てT-Veronicaとの共生を果たしたアレクシアの一部である。ヘビのように身をくねらせつつ対象に接近し、先端部をたたきつけて攻撃する。その身体は伸縮自在で、場所によっては数kmも伸ばす事が可能。
バンダースナッチ(Bandersnatch)
- タイラントをベースにした量産型B.O.W.の試作品。退化した左腕に比べ右腕が極端に肥大化したアンバランスなシルエットが特徴。右腕は単に巨大に発達しただけではなく、伸縮自在で攻撃範囲が広く、遠くの物を掴んで瞬時に移動することができるため、足だけでは緩慢な動きをカバーする役割も果たす。「バンダースナッチ」というコードネームの由来は、イギリスの作家ルイス・キャロルの代表作の一つ『鏡の国のアリス』に登場する猛獣の名から。
モンスター化スティーブ(Steve monster)
- アレクシアの実験台として、T-Veronicaを植えつけられたスティーブ。15年前のアレクサンダー同様ウイルスとの共生に失敗し、背骨は後部に醜くせり出し皮膚は緑に変色して、は虫類を思わせる異形のものとなり果てた。同時に理性も失われ、敵味方の判別もつかず、クレアに対しても容赦なく襲いかかる。手にした大斧を振りまわしての攻撃は、ひとうちで石像を粉砕するほどの破壊力を持つ。また、弾薬を打ち込むと仰け反ることこそあるが、倒すことは絶対に出来ない。
ノスフェラトゥ(Nosferatu)
- アレクシア・アシュフォードのT-Veronicaを用いた研究の過程で生まれたクリーチャー。その実態はアレクシアの父であり当時のアシュフォード家当主アレクサンダーの成れの果てであった。実験体として不完全だったために破棄され、南極研究所に監禁されていた。十五年に及ぶ監禁生活で水も食料もないのに生き残ったのは体がガン細胞のように変化したからだという(その副作用で毒ガスは生成されている模様。ちなみにこの毒は通常のブルーハーブでは除去できない)。手足は拘束具により自由を奪われているが、背中の触手と体内で生成した毒液を気化させた毒霧による攻撃手段を持つ。胸にある剥き出しの心臓が弱点でスナイパー・ライフルで狙えば最低3発で倒すことが出来る。「ノスフェラトゥ」の呼び名は上記の事情を知らない研究所職員が後に付けたもので、その由来は「不死者・吸血鬼」を意味するルーマニア語から(同名の吸血鬼映画も存在する)。なお、スナイパーライフルまたはナイフで止めを刺した場合、専用のムービーが挿入される。
タイラント(Tyrant)
アレクシア第一形態~第三形態(Alexia 1st~3rd)
- アレクシア・アシュフォードが、研究開発したウィルス「T-Veronica」を自身に投与、15年後に進化して覚醒した姿。外見は人型を留めているが、外気に触れると発火する血液、触れるだけで外敵を発火させるなどの特殊な能力を有するモンスターと化している。第2形態に変容すると巨大な女王蟻のようになり、触手と幼虫で攻撃を仕掛けてくる。さらに第3形態に変容すると胴体から離れて空中を素早く飛び回るようになり、リニアランチャー以外の武器は一切効かなくなる。
(本編クリア後のバトルゲームを除く)
[編集] 外部リンク
バイオハザード シリーズ | |
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本編: | BH 1 - BH 2 - BH 3 - Veronica - BH 0 - BH 4 - BH 5 |
外伝: | GAIDEN - アウトブレイク - ガンサバイバー |
映画版: | 第1作 - 第2作 - 第3作(公開予定) |