あさひ型護衛艦
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あさひ型護衛艦(-がたごえいかん)は、海上自衛隊草創期の護衛艦(当初は警備艦に類別)である。前身は米海軍のボストウィック級護衛駆逐艦で、1955年に2隻が貸与された。両艦とも除籍済み。
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[編集] 概要
ボストウィック Bostwick級(キャノン Cannon級ともいう)は米海軍が量産した護衛駆逐艦のうち長船体でディーゼル電気推進を採用したタイプで、DET(Diesel Electric Tandem)型と称される。「あさひ」の前身はアミック Amick DE-168、「はつひ」はアサートン Atherton DE-169。前者は1943年7月26日、後者は同年8月29日、いずれもフェデラル造船所ニューアーク工場で竣工、第2次世界大戦に参戦した。後者は45年5月、ドイツ海軍の潜水艦U-853を撃沈している。戦後はフロリダで予備艦として保管されていたが、55年6月14日、ボストンで日本に引き渡され、回航されて第6護衛隊を新編した。なお海上自衛隊護衛艦でディーゼル電気推進を採用したのは、このクラスのみである。
57年に艦種記号と艦番号を付与、60年に艦種を警備艦から護衛艦に改めた。貸与後も装備は基本的に大戦中のままだったが、59年にソナーを換装、62年にはレーダーを国産のOPS-16に更新している。なお60年1月、第6護衛隊に護衛艦「わかば」が編入され3隻編成となったが、同艦は旧海軍駆逐艦「梨」の後身であったため隊運用上苦労し、1年余りで2隻編成に戻されたことがあった。
本型は低速に加え戦時急造艦らしく復原性能や艦内容積に問題があったといわれ、両艦とも64年12月10日付で一線を離れ、第1練習隊に編入。以後は練習艦任務に従事した。老朽化に伴い75年6月13日に揃って除籍・返還されたが、これにより海上自衛隊の貸与艦艇は全て姿を消したことになる。
両艦ともその後の78年、フィリピン海軍に供与された。ダトゥ・シラチュナ Datu Siratunaと改名された「あさひ」は88年に除籍されたが、ラジャー・フマボン Rajah Humabonとなった「はつひ」は一時退役したものの現役に復し、2006年現在なお同国海軍最大の水上戦闘艦として活動している。対艦ミサイル搭載を含む近代化改装も検討されているという。
[編集] 主要要目(貸与時)
- 基準排水量:1,240トン
- 全長:93.3メートル
- 最大幅:11.1メートル
- 深さ:6.1メートル
- 主機:ディーゼル電気推進、2軸
- 出力:6,000馬力
- 速力:20ノット
- 兵装
- 乗員:220名
[編集] 同型艦
- あさひ DE-262 1943年竣工 1955年貸与 1975年除籍
- はつひ DE-263 1943年竣工 1955年貸与 1975年除籍
[編集] 関連項目
- 自衛艦 / 護衛艦 / 海上自衛隊の装備品一覧
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