すさみ町
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すさみ町(すさみちょう)は和歌山県西牟婁郡にある町である。カツオ漁や「ケンケン船」で知られており、近世には熊野地域一帯の中心部となったこともある。
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[編集] 地理
すさみ町は紀伊半島のほぼ南端に位置し太平洋に面している。海岸線は漁港を作るのに適したリアス式海岸で漁が盛んである。気候は黒潮の影響により温暖で年間の平均気温はおよそ17度となっている。平地が少なく町域の90パーセント以上が山林で占められている。なおこの辺りの海岸は「枯木灘」として有名で熊野枯木灘海岸県立自然公園の指定も受けているほどである。中心集落は周参見川河口に開けた漁港の町周参見である。
[編集] 歴史
すさみ町のあたりは6世紀ごろより長らく熊野地域(おおよそ紀南)の中心となっていたが1657年に口熊野奉行所が置かれてからは名実共に南紀支配の中心地となった。1889年、町村制が広く日本に敷かれ周参見村・大都河村・江住村・佐本村が成立、これらの村が現在のすさみ町の原型となっている。
- 1889年 - 町村制施行により西牟婁郡周参見村・大都河村・江住村・佐本村が成立。
- 1924年 - 周参見村が町制施行により西牟婁郡周参見町となる。
- 1955年 - 周参見町・佐本村・大都河村が合併し西牟婁郡すさみ町成立。このとき三舞村から大字太間川を編入。
- 1956年 - すさみ町の大字大鎌が江住村に編入される。
- 1959年 - 江住村を編入合併し現在のすさみ町が成立する。
- 1976年 - 大阪府寝屋川市との姉妹都市提携を締結する。
[編集] 行政
- 町長は桂功(かつら いさお)である。1983年12月18日に就任以来しばらく町長の職についている。
[編集] 議会
- 議員定数は14名である。定例会議は3月・6月・9月・12月に行われる。
- すさみ町議会の構成
[編集] 経済
1995年の統計によると
- 第一次産業就業人数は604名(21%)、
- 第二次産業就業人数は865名(30%)、
- 第三次産業就業人数は1,378名(48%)
である。
[編集] 産業
漁業・林業・農業及び観光業がすさみ町の基幹産業である。漁業は特に盛んで黒潮の影響によりカツオ、ブリなどの水揚げが多くなっている。林業も漁業に劣らず盛んである。
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 教育
- 町内には以下の小学校がある(参考)。
- すさみ町立周参見小学校(すさみ町周参見4027番地)
- すさみ町立江住小学校(すさみ町江住670番地)
- すさみ町立見老津小学校(すさみ町見老津475番地)
- すさみ町立佐本小学校(すさみ町佐本中92番地)
- 町内には以下の中学校がある。
- すさみ町立周参見中学校(すさみ町周参見4027番地)
- すさみ町立佐本中学校(すさみ町佐本中92番地)
- すさみ町立江住中学校(すさみ町江住812番地)
- 町内には以下の高等学校がある。
- 和歌山県立南紀高等学校周参見分校(すさみ町周参見3685番地)
- 町内には大学はない。
[編集] 隣接する自治体
すさみ町は以下の自治体と隣接している。
[編集] 交通
[編集] 鉄道
町内には西日本旅客鉄道紀勢本線が走っている。紀勢本線はこのあたりでは普通列車は2時間に1本くらいの割合で運行されている。代表駅は周参見駅(簡易委託駅)で、この駅には特急列車を含めてすべての列車が停車する。江住駅と見老津駅(ともに無人駅)には、特急は停車せず普通列車のみが停車する。
[編集] 道路
- 町内には国道42号線が走っている。道の駅イノブータンランドすさみあり。
- 和歌山県道36号上富田すさみ線
- 和歌山県道225号大附見老津停車場線
- 和歌山県道38号すさみ古座線
- 和歌山県道222号城すさみ線
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
[編集] 観光
- 熊野古道
- すさみ八景
- 雫ノ滝
- 枯木灘
- 江須崎 - 暖地性植物の群落あり。
- 周参見王子神社
- すさみ町立歴史民俗資料館
- 海中郵便ポスト - 世界初。ギネスブックにも一番深い場所にあるポストで認定。実際にハガキを出すことができる。
- イノブータン王国
[編集] 温泉
- すさみ温泉
[編集] その他
周参見駅には温度計が設置されていて、冬の時期(2月1日~2月28日)に朝7時の気温が0度以下(氷点下)だった場合、すさみ町内の宿泊施設(ホテルベルヴェデーレなど)での次回の宿泊料が「寒さ料」として50%引きになるという。 この企画は、地理的位置から『常春の町』をアピールしようと、観光協会が1984年から始めた。2006年までで過去1回だけ、2000年に記録したことがある。