ふしぎ遊戯 玄武開伝
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『ふしぎ遊戯 玄武開伝』(ふしぎゆうぎ げんぶかいでん)は渡瀬悠宇による少女漫画作品。
「玄武開伝」もしくは「玄武」と略して呼ばれる。
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[編集] 概要
前作『ふしぎ遊戯』で最初の巫女として少しだけ触れられていた「玄武の巫女」が主人公の物話。玄武開伝のコミックスに続いてドラマCDにもなり、さらにはふしぎ遊戯初となるゲームも発売された。
ふしぎ遊戯の続編だけあり、前作ふしぎ遊戯と比較される事が多く「渡瀬悠宇は絵(主人公)を描くのが巧くなった」と読者にコメントされている事も。
しかし前作で語られた結末が悲劇である為、連載当初一部のファンからは「白虎の巫女の話をやってほしかった」といった声もあった。対して作者は、「出来れば白虎編も描きたい」とも記している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
大正12年。奥田多喜子は、母の療養のため実家の盛岡に越してきていた。好奇の目で見る村の人々にも負けない快活な多喜子だが、仕事ひとすじの小説家の父、永之介が大嫌い。そんな父が中国から持ち帰った「四神天地書」。
余命いくばくもない母をかえりみず、翻訳を進める父に嫌気がさす多喜子。しかし看病の甲斐なく母は亡くなってしまう。悲しむ多喜子は父の友人であり、幼いころから慕っていた大杉高雄に思いをつたえるが、受け入れてもらえず、父には、「お前が息子だったら…もっとお前とも…」
誰にも必要とされていないと感じた多喜子は、完成した「四神天地書」を破り捨てようとするが、突然銀色の光に包まれ、本の中に吸い込まれてしまう。
降り立ったのは異界の国、「北甲国」。そこで自分がこの国を救う伝説の「玄武の巫女」だと告げられる。苦しむ民を救うため、多喜子は巫女となる決意をし、巫女を護るという「七星士」を探す旅に出る。
前作、「ふしぎ遊戯」で、200年前に現れ、玄武を召喚し国を救ったと言い伝えられる「玄武の巫女」多喜子の物語。
[編集] 登場人物
- 奥田多喜子(おくだ たきこ) 声優:雪野五月
- 玄武の巫女。「四神天地書」の翻訳者、奥田永之介の一人娘。気が強いが、とても優しい性格。本に吸い込まれた最初の少女。17歳。
[編集] 玄武七星士
玄武の巫女を護り力を与えるために選ばれた者たち。さまざまな人外の力を持ち、生命力も強い。前作と違い、巫女が神獣を召喚し国を救ったという前例がなかったため、「国が滅びようとする時にあらわれる」とされた伝説を受け、巫女と共に滅びの象徴として忌み嫌われる存在であった。そのため七星士であることを嫌っている者が多い。
- 風を操る。字が現れている時は女になる特異体質。実は父親に命を狙われている北甲国の皇子で、皇位継承権は第二位。
- 虚宿(とみて)/チャムカ=ターン 声優:岩永哲哉
- 氷を操り、弓を武器として使う。母親を大事にしている。後200年間、斗宿と共に多喜子の神座宝を守護することとなる。前作にも登場している。
- 室宿(はつい)/ザラ-=エルタイ 声優:緒方恵美
- 防御壁となる鉄カゴから針を発して攻撃する。すぐカゴに閉じこもってしまう気弱な性格だが根は優しい。
- 壁宿(なまめ)
- 岩を操る。「星命石」という石から生まれた大地の精霊。現在まで言葉は発していない。
- 斗宿(ひきつ)/エムタト=チェン 声優:檜山修之
- 水を操る。字は右目に現れ、その眼で人の心を覗くことができる。妹思い。虚宿と共に前作に登場。
- 牛宿(いなみ)/タルマ
- 髪を操り、大きな煙管を武器として使う。紅南国で遊郭の女将の代理をしている。字は下腹部にあらわれる。
- 危宿(うるみや)/ハーガス
- 字は両目の間に現れる。
[編集] 北甲国
世界で最も広い国。守護神は玄武。隣国倶東国に狙われているうえ、無慈悲な皇族の政治により滅亡の危機に瀕している。国土のほとんどが広大な土地で、資源が豊富。首都は特烏蘭(トウラン)。モンゴルをイメージしている。
- ソルエン 声優:小野健一
- 女宿の従者。幼いころから父とともに女宿を護ってきた。玄武召喚を願っている。
- タウル 声優:上別府仁資
- ソルエンの父。敵の奇襲で亡くなる。女宿の母の家に代々仕える一族の出身。
- ボラ-テ 声優:さとうあい
- 虚宿の母。玄武の伝説を信じている。
- アイラ 声優:矢作紗友里
- 斗宿の妹。虚宿の幼なじみ。虚宿に淡い恋心を抱くようになる。
- 巫大師 声優:寺田はるひ
- 偉布礼(イフレイ)で多喜子たちを助けるが、倶東国の追っ手に殺されてしまう。
- アンルウ巫尊師 声優:川澄綾子
- フェン 声優:吉田小南美
- 室宿の面倒を見ていた。しかし正体は刺客だった。リムドたちに追い詰められ、ハーガスに殺害される。
- ハーガス 声優:子安武人
- 女宿の父から命を受けた刺客。七星士の力を吸い取り使うことが出来る。危宿でもあるらしい
- テムダン=ロウン
- 女宿の実父。玄武の伝説を嫌い、息子をはじめ巫女たちの命を狙う。皇帝の兄。皇位継承権第一位。奇病にかかっており、神を信じない。
- テギル=ロウン
- 北甲国皇帝。子供は娘ばかりで、跡継ぎがいない。女宿の叔父にあたる。
[編集] 倶東国
軍事大国として、勢力は強い。守護神は青龍。資源が豊富な北甲国を狙っている。首都は春封(しゅんふう)。
- 紫義(しぎ) 声優:福山潤
- 倶東軍兵士で、隊長を務める。皇太子を崇拝している。女性とも見まごう美形で、一見物腰柔らかで敬語口調の紳士だが、性格はかなり腹黒く任務の遂行を第一に考える残忍な性格。多節棍の使い手でもある。
- 緋鉛(ひえん) 声優:谷山紀章
- 倶東国兵士。女宿には右腕を斬られたという恨みがある。性格は単純で猪猛突進で、熱くなりやすい。鉄鞭の使い手。
- 玻慧(はけい) 声優:真殿光昭
- 倶東国皇太子。巫女討伐の命を下す。北甲国を狙っており、密かに女宿の父と同盟を結ぶ。伝説の巫女や七星士に興味を持つ。
[編集] 現実世界
大正12年当時
- 奥田永之介(おくだ えいのすけ) 声優:大川透
- 多喜子の父。小説家。「四神天地書」の訳者。娘が巫女となったことを嘆いている。
- 奥田美江(おくだ よしえ)
- 多喜子の母。夫と娘のことを案じながら肺病で他界。
- 大杉高雄(おおすぎ たかお)
- 永之介のファンであり友人。出版社に勤務。
- 大杉鈴乃(おおすぎ すずの)
- 大杉高雄の娘で8歳。その9年後の昭和7年、17歳の時「四神天地書」に吸い込まれる2人目の少女。前作「ふしぎ遊戯」でも少し触れられている、後の「白虎の巫女」。
[編集] 神座宝
前作で主人公の2人の巫女がそれぞれの神獣を召喚するために求めたもの。虚宿と斗宿が残留思念となって200年間守護していた。多喜子がアンルウ巫尊師から託され、玄武召喚の儀式で身につけたという首飾り。巫女の神力が宿り、後の巫女が儀式に失敗した時など、欠けた力を補うことができる。
[編集] ゲーム
- 「ふしぎ遊戯 玄武開伝 ~外伝 鏡の巫女~」
- 対応機種:プレイステーション2
- メーカー:アイディアファクトリー
- ジャンル:恋愛アドベンチャーゲーム
- 発売日:2005年6月23日
- キャスト
- 小林 麻理子(キャラクターボイスなし)
- 望月 匠(声優:野島裕史)
- 奥田 多喜子(声優:雪野五月)
- 女宿(声優:櫻井孝宏)
- 女リムド(声優:長沢美樹)
- 虚宿(声優:岩永哲哉)
- 斗宿(声優:檜山修之)
- 紫義(声優:福山潤)
- 修羅(声優:岡野浩介)
[編集] ドラマCD
- ふしぎ遊戯 玄武開伝(第一話~第四話)
- ふしぎ遊戯 玄武開伝 二(第五話~第六話)
- ふしぎ遊戯 玄武開伝 三(第七話~第八話)
- ふしぎ遊戯 玄武開伝 四(第九話~第十二話)