アクションロールプレイングゲーム
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アクションロールプレイングゲームまたはアクティブロールプレイングゲームとは、コンピュータゲームのジャンルの一種である。アクションゲームの要素とロールプレイングゲーム(RPG)の要素とアドベンチャーゲームの要素を併せ持ったものを指す。ライブアクションロールプレイングゲームとは別物である。アクションRPGやA(-)RPGと略される。
より具体的には、キャラクターを成長させつつ冒険を重ねていくというロールプレイングゲームの要素と、戦闘シーンにおけるアクションゲーム的な処理(選択する戦術だけではなく、操作のタイミングなどが考慮される処理)と、隠された謎や仕掛けを見つけていくアドベンチャーゲームの要素が備わったものが基本型である。
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[編集] 概要
アクティブロールプレイングゲームは、1980年代前半に主流だった「自由度が高いが展開が淡白で操作方法自体が難しいロールプレイングゲーム」に対してのアンチテーゼとして登場した経緯があり、1980年代後半のパソコン雑誌で山下章などが中心となって使用したジャンル表記である。
1980年代は「アクティブロールプレイングゲーム」と「アクションロールプレイングゲーム」の表記が混在していたが、次第に「アクティブ~」の表記は使われなくなっていった。
[編集] 歴史的背景
最初にアクティブロールプレイングゲームを定義づけたのは『ハイドライド』(T&E SOFT)であり、それまでに登場した「アクションロールプレイングゲームっぽいゲーム」とは、一線を画する。アクティブロールプレイングゲーム誕生の背景には、1984年のパソコンゲームの状況があり、当時のパーソナルコンピュータはフロッピーディスクドライブが内蔵されておらず、外部記憶装置はデータレコーダを用いたカセットテープが標準の状態であった。そのためゲームなどのプログラムはカセットテープから64Kしか無いメモリに1回きりの読み込みで動かす物がほとんどであり、ロールプレイングゲームには、フロッピーディスクドライブによるランダムアクセスが必須とされていたがBPSから『ザ・ブラックオニキス』が登場し、カセットテープでもロールプレイングゲームが制作可能であることを証明した。
この後一気にロールプレイングゲームブームが起こるのだが『ロールプレイングゲームを遊ぶ為には文章で進めていくアドベンチャーゲームを先に遊ぶ必要がある。』という格言があるように、その流れはナムコ(現:バンダイナムコゲームス)から『ドルアーガの塔』が登場した影響でロールプレイングゲームのアクションゲーム化を望む声に変わっていった。そのような背景の下で生まれたのが『ハイドライド』であった。
その後、各会社はアクションRPGの新たな方向性を探っていたが、その先駆となったのが日本ファルコムの『ドラゴンスレイヤー』シリーズであった。第2作の『ザナドゥ』以降アクションパズルとしての要素が強いものとなった同シリーズは、『ハイドライド』と並んでアクションRPGとして好評を博す。
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現在のアクションロールプレイングゲームは、ジャンル名そのものが縛りとなって「ロールプレイングゲーム派からは難しいゲーム、アクションゲーム派からは易しいゲーム」という評価から、一般的に避けられる傾向にあるとも言われている。
[編集] 代表作品
- ハイドライド
- 日本のARPGの先駆け。レベルによって得られる経験値が異なるシステムを採用しており、絶妙なゲームバランスを実現している。LIFE(HP)が0になったら最大まで回復する『生き返りの薬』は同ジャンルの標準アイテムとなる。
- ザナドゥ
- 倒せる敵の数に限度があり、経験値・資金などを常に管理しなければならない。パズル要素の強い作品。
- ゼルダの伝説シリーズ
- 後述の通り、経験値による成長の概念がないことからアクションRPGとは分類されないことが多い。
- イースシリーズ
- 他社作品ではあるが、ハイドライドの正当進化系。レベルによって得られる経験値が異なるシステムを採用しており、常に適正なレベルでの成長段階でゲームを進行させることで、絶妙なゲームバランスを実現している。
- 聖剣伝説
- 『ゼルダの伝説』と似ているが、成長の要素が強い点が異なる。2作目以降は複数人同時プレイなど独自の要素が取り入れられている。
- キングダムハーツ
- 敵を倒すことによる成長の概念はあるが、RPGよりもアクションゲームとしての要素が濃い。
[編集] 関連項目
- アクションロールプレイングゲームとの線引きが難しいが、経験値の概念があるものが「~ロールプレイングゲーム」、ないものが「~アドベンチャーゲーム」と称されることが多い。