アルケー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルケー(ギリシア語:αρχη arkhē)とは、「はじめ・原初・根源」等のことであり、哲学用語としては「万物の根源」また「根源的原理」を指す。宇宙の神的・神話的な起原である。
[編集] 概説
主にミレトス学派の自然哲学で議論された。古代ギリシアのアナクシマンドロスがはじめてアルケーの語を用いたとされる。またアリストテレスはその著書『形而上学』において、哲学の祖はミレトスのターレスであり、彼は、万物の根源(アルケー)を水であるとしたと記している。
それ以外にも、ピュタゴラスは数をアルケーとし、エンペドクレースは土・水・火・空気の四大からなるリゾーマタ、デモクリトスはアトモス(不可分体)こそがアルケーであるとした。アナクシマンドロスは、無限定者(アペイロン、en:Apeiron)がアルケーであると考えた。
[編集] キリスト教でのアルケー
『新約聖書』の『ヨハネによる福音書』は、その冒頭に、コイネーギリシア語で、「 Εν αρχηι ην ο λογοs (En arkhēi ēn ho logos、エン・アルケー・エーン・ホ・ロゴス)」と記されているが、代表的なラテン語訳である『ウルガータ聖書』では、この部分を、「 In principio erat verbum 」と訳している。「 principium 」(principio は、この語の与格形)はラテン語では、「はじめ」という意味以外に、「原理」という意味があり、ここよりアルケーへの問いは、「世界の根源原理」としての神への問いとして中世のスコラ哲学に引き継がれた。
なお、アルケーという言葉のギリシア語での対語は、「テロス」(τελος,telos)であり、テロスは「終わり・目標・完成」というような意味を持つ。『新約聖書・福音書』において、イエズスは、「わたしはアルパであり、オメガである」と述べたと記されているが、アルパ(Α)とオメガ(Ω)は、ギリシア語アルファベットでの最初と最後の字母である。
従って、イエズスは「わたしはアルケーでありテロスである」と述べたとも解釈される。イエズスはギリシア語で語ったのではなく、アラム語かヘブライ語で言葉を述べた筈で、ヘブライ文字だと、最初と最後の字母は、アレプとタウとなり、これはギリシア語のアルケーとテロスの頭文字に対応する。
この「アルケー」は、哲学に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正して下さる協力者を求めています。(ウィキポータル 哲学) |
カテゴリ: ギリシア哲学 | 哲学関連のスタブ項目