アーケプラスチダ
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アーケプラスチダ(Archaeplastida)は真核生物の主要な系統の1つであり、陸上植物、緑藻、紅藻と、さらに灰色植物と呼ばれる藻類の小さなグループからなる。これらの生物はみな、2枚の膜に囲まれた、したがって細胞内共生したシアノバクテリアから直接派生したと考えられるプラスチドを持っている。アーケプラスチダ以外のグループでは、プラスチドは3ないし4枚の膜に囲まれており、緑藻あるいは紅藻から二次的に獲得したものである。
細胞には通常は中心体がなく、クリステが平板状のミトコンドリアがある。たいていセルロースを含む細胞壁があり、養分はデンプンの形で貯蔵される。ただしこうした形質は他の真核生物にも見られる。アーケプラスチダが単系統群である証拠は、分子系統学的研究によってプラスチドがおそらく単一起源であることが示される、ということから来ている。
アーケプラスチダ類は大きく2つの進化系統に分かれる。紅藻はたいていのシアノバクテリアと同様に色素としてクロロフィルaとフィコビリンを持っている。一方、緑色植物(緑藻と陸上植物)はクロロフィルaとbを持っておりフィコビリンは持たない。ただ灰色植物の位置付けはよくわからない。灰色植物はシアノバクテリアの標準的な色素を持っているのみならず、妙なことにプラスチドに細胞壁が残っている(のでこのプラスチドをシアネレと呼ぶ)。
Cavalier-Smith (1981)は植物界(kingdom Plantae)はこのグループのことを示すべきだと提案しており、したがって「広義の植物界(Plantae sensu lato)」と呼ばれることもあるが、単系統性に疑問が残ることもあって一般的にはなっていない。そこでAdl et al. (2005)はもっと明確なArchaeplastidaという名称を導入した。
[編集] References
- T. Cavalier-Smith (1981). "Eukaryote Kingdoms: Seven or Nine?". BioSystems 14: 461-481.
- Sina M. Adl et al (2005). "The New Higher Level Classification of Eukaryotes with Emphasis on the Taxonomy of Protists". Journal of Eukaryotic Microbiology 52 (5): 399. DOI: 10.1111/j.1550-7408.2005.00053.x.