イェジー・カヴァレロヴィチ
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イェジー・カヴァレロヴィチ(Jerzy Kawalerowicz, 1922年1月19日 - )はポーランドの映画監督。
クラクフ美術大学卒。数年間の助監督経験を経て、1951年監督デビュー。1953年、1954年にそれぞれ『セルロース』『フリギアの星の下で』の2部作を監督。当時支配的であった社会主義リアリズムの枠を守りながらも、他の社会主義リアリズム映画が陥りがちであった一面的描写やステレオタイプを避けることに成功し、好評を得た。1955年以降、映画ユニット「カドル」を運営。「ポーランド派」時代の1959年、1960年には代表作である『夜行列車』『尼僧ヨアンナ』を監督。国内での評価は今ひとつだったものの、国際的には高い評価を得、世界的名匠として認知されることとなった。その後も精力的に作品を取り続け、現在に至っている。
概して(アンジェイ・ワイダなどに代表される)当時のポーランド映画の多くが、ポーランドの歴史的運命およびそれと現代史の係わり合いなど、政治的・社会的色彩の濃い作風を好んだのに対し、カヴァレロヴィチはむしろ実存的、心理主義的描写を好み、そうした意味ではある種異彩を放つ存在であった。
[編集] 主な監督作
- Gromada (1951)
- Celuloza (1953)
- 「フリギアの星の下で」Pod Gwiazdą Frygijską (1954)
- 「影」Cień(1956)
- 「戦争の真の終り」Prawdziwy Koniec Wielkiej Wojny (1957)
- 「夜行列車」Pociąg (1959)
- 「尼僧ヨアンナ」Matka Joanna od Aniołów (1960)
- 「太陽の王子ファラオ」Falaon (1965)
- Gra(1968)
- Śmierć Prezydenta (1977)
- Austeria(1982)
- 「クオ・ヴァディス」Quo Vadis (2001)
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