インド航空855便墜落事故
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インド航空855便墜落事故(Air India Flight 855)とは、ボーイング747で初めて発生した搭乗していた乗員乗客全員が死亡した墜落事故である。なお事故原因は計器故障とされているが、これについてはメーカーと航空会社およびインド政府が対立する場面もあった。
[編集] 事故の概要
1978年1月1日、インド・ボンベイ(現在はムンバイ)からアラブ首長国連邦・ドバイに向けて離陸したインド航空ボーイング747-200(機体記号 VT-EBD)はインド航空が受領した1号機であり「アショーカ王」 "Emperor Ashoka"と命名されていた。
ボンベイの海岸近くにあるサンタクルズ国際空港から離陸後、沿岸からわずか3Kmのアラビア海に機首から突っ込む状態で墜落し、爆発した。これにより乗員23人、乗客190人の合わせて213人全員が犠牲になった。また墜落地点は水深が10m以下であったため残骸が墓標のように突き出ていたという。
[編集] 事故原因
インドの事故調査委員会は、旅客機が左旋回して水平飛行に戻ったにもかかわらず、人工水平器が故障のため右に傾いていたため、それを見て誤った判断をした機長がさら不適切な操作をしたために、回復操作が不可能になるまで操作を続けたのが原因であるとし、副操縦士も航空機関士も航空機の姿勢について適切な助言をあたえなかったために、急速に高度が失われ墜落したと断定した。
この事故について、事故原因であったとされた人工水平器を製造したメーカーが事故責任をアメリカで追及されたが、メーカーは事故機の機長が飲酒の影響で方向感覚が失ったと反論した。しかしアメリカ連邦裁判所は1985年に事故責任は無かったと判決を下し誰も罰せられなかった。