ウミイグアナ
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ウミイグアナ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ウミイグアナ Amblyrhynchus cristatus |
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Amblyrhynchus cristatus (Bell, 1825) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ウミイグアナ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Marine iguana |
ウミイグアナ(Amblyrhynchus cristatus) は、爬虫綱有鱗目トカゲ亜目イグアナ科ウミイグアナ属に分類されるトカゲ。本種のみでウミイグアナ属を形成する。ワシントン条約付属書II類。
目次 |
[編集] 分布
[編集] 形態
全長120~150cmとイグアナ科の中でも大型。頭部はコブのように盛り上がり頚部から背面にかけてトゲ状の鱗が並びオスでは特に大型化する。鼻孔に体内に溜まった塩分を排出する腺を持つ。
四肢には爪と水掻きが発達し、海中で爪を使い岩にしがみつき流れの早い海流の中でも食事をとることができる。歯は堅く岩に生えた海藻をそぎ取るようにして食べる。
尾は縦に平たく、四肢を胴体につけ尾をくねらせることで巧みに泳ぐことができる。
[編集] 生態
海岸の岩場に生息する。朝になると日光に当たり体を十分に温めてから海に潜り、体が冷えるとまた陸に上がり体を温める。ガラパゴス諸島の海域は寒流で海水温が低いため一日のうち潜水するのは2時間程度で、日中は大部分を日光浴をして過ごす。体温が上がりすぎると岩場の影や木陰などに避難する。通常は一度に数分程度しか潜水しないが、1時間以上も潜水することができる。
オスは繁殖期に頭をぶつけ合って争う。また外敵が近づくと鼻孔から塩分を吹きつける威嚇行動を取る。成体に天敵はいないと思われるが、幼体の時は大型の鳥類に食べられることもある。
食性は草食性で主に海藻を食べるが、カニや食物がない時に陸上の植物を食べることもある。
繁殖形態は卵生で砂浜に穴を掘って1~4個の卵を産む。
[編集] 適応
本種と同じくガラパゴス諸島に生息するガラパゴスリクイグアナは、流木などによって異なる時期にガラパゴス諸島に流れ着いたイグアナ類からそれぞれ異なる進化したと考えられている。
島が出来たばかりの状態で食物のない環境に流れ着いたイグアナは、餌を求めて海に潜り海藻を食べる適応をしたと考えられる。それに対しリクイグアナの祖先は島が出来てから時間が経過し、サボテン等が生えた時期に島に流れ着いたものと考えられる。生息域が限定されているリクイグアナに対し、ガラパゴス諸島で広く見かけられる本種は見事に環境に適応したといえる。
しかし近年の大規模なエルニーニョによる海水温の変化でそれまで本種が食べていた海藻が大幅に減少し、連鎖的に本種の個体数も減少した。
[編集] Status
- VULNERABLE (IUCN Red List)
[編集] 関連項目
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