エリザベス・キューブラー=ロス
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エリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kübler-Ross, M.D.、1926年7月8日-2004年8月24日)は、精神科医で、死と死ぬことについての画期的な本(『死ぬ瞬間』)の著者 。その本の中で彼女は初めて今日死の受容のプロセスと呼ばれているキューブラー・ロスモデルを提唱している。まさに死の間際にある患者とのかかわりや悲哀(Grief)や悲哀の仕事(Grief work)についての先駆的な業績で知られる。
キューブラー・ロスは、スイスのチューリッヒの生まれ、キューブラー家の三つ子の一人。1957年チューリッヒ大学医学部を卒業している。父親が医学部進学に反対で、自ら学費を捻出するため、当初は専門学校を経て、検査技師をしていた。彼女は医学部での学生時代に知り合ったアメリカ人留学生と共に1958年学業をさらに続け、また働き口を探すべくアメリカにわたった。
彼女が自身の医療活動を始めようとした時、病院が死に掛けている患者を扱う態度に、愕然とさせられる。そこで、病気の患者をどう扱うべきなのかという一連の講義を始めた。これが、1961年の死と死ぬことについての講義につながっていく。彼女は、死ぬことというテーマで、20冊もの本を書いた。1974年-1996年の間にその業績に対して、複数の大学、単科大学から20の名誉博士号を授与されている。
私財を投じて死に向う患者のための施設(センター Center)を開設し精力的に活動を行なった。現在、この活動はホスピス運動の嚆矢のひとつと考えられている。彼女が、ホスピス運動を創始したわけではないが、それを推進した人々は、まさに彼女によってこの運動がいのちを与えられたのだと異口同音に語っている。
晩年にはエイズ患者へのかかわりを深め、エイズ患者のための新たなセンターの開設を計画したが、そのために近隣住民との深刻な軋轢を生み、最終的に拠点センターの閉鎖、移転を余儀なくされた。拠点センターは原因不明の火事により全焼したが、彼女はこの事件を対立する住民による放火であると認識していた。
キューブラー・ロスは、1963年にコロラド大学で彼女の精神科医の単位を修了し、各地の大学から20以上の名誉博士号を与えられた。キューブラー・ロスは、1995年彼女の左半身を麻痺させる脳梗塞に見舞われる。2002年アリゾナ・リパブリック紙のインタビューに答えて、彼女は既に死の覚悟ができていると語った。彼女は2004年アリゾナ州のスコットデールにある彼女の自宅で亡くなった。彼女の自身の死に対しての受け止めは、苦悩にみちていたともいわれている。
[編集] 主要な著作
- On Death & Dying, (Simon & Schuster/Touchstone),1969
- Questions & Answers on Death & Dying, (Simon & Schuster/Touchstone), 1972
- Death: The Final Stage of Growth, (Simon & Schuster/Touchstone),74
- To Live Until We Say Goodbye, (Simon & Schuster/Touchstone), 1978
- The Doughy Letter -A Letter to a Dying Child, (Celestial Arts/Ten Speed Press) 1979 Quest, *Biography of EKR (Written with Derek Gill), Harper & Row, 1980
- Working It Through, (Simon & Schuster/Touchstone),1981
- Living With Death & Dying, (Simon & Schuster/Touchstone),1981
- Remember The Secret, (Celestial Arts/Ten Speed Press)1981
- On Children & Death, (Simon & Schuster)1985
- AIDS: The Ultimate Challenge, (Simon & Schuster)1988
- On Life After Death, (Celestial Arts)
- Death is of Vital Importance, (Out of Print- Now "The Tunnel and the Light") 1995 Unfolding *The Wings of Love, (Germany only - Silberschnur), 1996
- Making the Most of the Inbetween, (Various Foreign) 1996
- Aids & Love, The Conference in Barcelona, (Spain) 1996
- Longing to Go Back Home, (Germany only - Silberschnur), 1997
- The Wheel of Life, (Simon & Schuster/Scribner),1997 『人生は廻る輪のように』上野圭一訳 角川文庫 2003年 ISBN 4042920012
- Why Are We Here, (Germany only - Silberschnur), 1999
- The Tunnel and the Light, (Avalon), 1999
- Life lessons, (With David Kessler), 2001 『ライフ・レッスン』上野圭一訳 角川書店 2001年
- Real Taste of Life: A photographic Journal
[編集] 参考資料
- デレク・ギル『「死ぬ瞬間」の誕生 キューブラー・ロスの50年』読売新聞社 1985年
[編集] 外部リンク
- Obituary - The Guardianの記事、英語サイト
- SLATEの記事英語サイト
- Elisabeth Kübler-Ross公式サイト、英語
- Women's International Center (WIC)Elisabeth Kübler-Ross.
- Elisabeth Kbler Ross Japan Center 日本における公式なセンター