エリュシオン
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エリュシオン(エーリュシオン、Ηλύσιον)はギリシア神話に登場する死後の楽園。神々に愛された英雄達の魂が暮らす世界である。
[編集] 諸説
ホメロスの叙事詩など古い時代の説では、エリュシオンは世界の西の果て、オケアノスの海流の近くにある、気候温暖で芳香に満ちた島とされる。『至福者の島』とも呼ばれ、ラダマンテュスが治めているという。
一方、ウェルギリウスのアエネイスなど、新しい時代の説では地下にあり、ハデスの統治下にあるとされる。
死者のなかでも生前正しい行ないをした者が死後に移り住むとされる世界で白ポプラの木が茂っている。これは、レウケが変身した物であるという。
エリュシオンは、中世ヨーロッパにおいて、「幸福諸島」と翻訳され、世界地図にも記載された。大航海時代の探検家たちの探索の目的となり、近世までそれは行われた。
[編集] エリュシオン(エリシオン)が登場するフィクションなど
- 聖闘士星矢 冥王ハーデス編の最終決戦場。ハーデスの真の肉体が収められている事など、前出のウェルギリウスのアエネイスの説の影響を受けている。
- 美少女戦士セーラームーン 地球の守護聖地・ゴールデンキングダムのある場所。