オシドリ
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オシドリ | ||||||||||||||||||
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手前メス、奥オス |
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Aix galericulata (Linnaeus, 1758) | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Mandarin Duck |
オシドリ(鴛鴦) Aix galericulata は、カモ目・カモ科・カモ亜科に分類される鳥類の一種。オスの成鳥が鮮やかな羽色を持つことで知られている。漢字を音読みして「えんおう」と呼ぶこともある。また「鴛」はオス、「鴦」はメスを指している。
目次 |
[編集] 形態
体長は45cmほどで、カラスよりやや小さい。繁殖期のオスはくちばしのピンク、目の上から冠羽にかけての白、首にある長い茶色の羽、栗色の胸、橙色の翼、翼の風切羽が変形した「銀杏羽」など非常に特徴的な羽色をしている。メスは全体的に灰褐色で、目のまわりに白いアイリングがあり、目の後ろに白い線が続く。オスは非繁殖期にメスとよく似た羽色(エクリプス)になるが、くちばしのピンクが残るので区別できる。オスメスとも腹は白く、脚は黄色をしている。
[編集] 分布
夏はロシア沿海地方、樺太、北日本で繁殖し、冬は西日本、中国南部で越冬する渡り鳥である。また、ヨーロッパにも各地に分布域が点在するが、これは飼育されていたものが野生化したものと考えられている。
[編集] 生態
非繁殖期は群れで生活し、山地の渓流、湖、池、ダムなどで見られる。水草や植物の種子、穀物などを食べるが、特にドングリを好んで食べるのが他のカモ類と異なる特徴である。
繁殖期は5月-6月頃で、森林に囲まれた水辺で繁殖する。地面に巣を作る他のカモ類とちがい、水辺近くの木のうろに巣を作る。なお、この営巣方法を発見したのは皇居のお堀にすむオシドリを観察研究していた昭和天皇である。人間が設置した巣箱もよく利用する。メスは10個前後産卵し、1ヶ月ほど抱卵する。ヒナは他のカモ類同様産毛に覆われ、目も開き、生後すぐに歩くことができる。ヒナはメスに従って樹上の巣から地面に飛び降り、水辺まで歩く。その後ヒナは40日ほどで巣立ちする。
オシドリは仲のよい夫婦の象徴として扱われ、「おしどり夫婦」という言葉もあるほどだが、子育ては他のカモ類と同じくメスが行い、繁殖期ごとに別の相手と結ばれることも普通にある。繁殖期以外ではオスとメスは別行動であるため、喩えに使われるほど仲がいいというわけではない。
山形県、鳥取県、長崎県の県鳥に指定されている他、自治体の鳥として指定する市町村は数多い。
[編集] 近縁種
[編集] Sibley分類体系上の位置
[編集] Status
- LOWER RISK - Least Concern (IUCN Red List)
カテゴリ: 生物分類表使用 | Least concern | 日本の留鳥 | カモ科