カオダイ教
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カオダイ教 (高台教;Cao Đài) は、1919年、ゴ・ミン・チェンによって唱えられたベトナムの新興宗教である。五教(儒教、道教、仏教、キリスト教、イスラム教)の教えを土台としたことから「カオダイ(高台)」の名がついたという。
教義の面では、キリスト教的な要素・殊にカトリックの側面が見られる(カトリックを模した聖職者の階級制度を採っていると言われる)一方で、古くからの精霊崇拝の要素も見られる。 一般信徒は主に白いアオザイを身に着け、日に四回の礼拝を行っている。「天眼」と呼ばれる目玉を「宇宙の原理」、「宇宙の至上神」の象徴とする。この目玉はカオダイのシンボルマークでもある。孔子、老子、釈迦、キリスト、ムハンマド、さらにはソクラテス、李白、トルストイ、ヴィクトル・ユーゴーなどを聖人や使徒と仰ぐ。
仏領時代には独自に私兵団や自治機構を持ち反仏運動を展開する一方で、インドシナ戦争中にはベトミンと戦った。ジュネーヴ協定によってベトナム共和国(南ベトナム)が成立すると、カトリック教徒の政権がカオダイ教やホアハオ教・ビン・スエン派などの私兵団を武装解除する動きを見せたため、武力抵抗を図ったが鎮圧された。
ホーチミン市から北西約100kmのタイニンに総本山がある。信者数は約100万 - 300万といわれる。タイニン省の人口の7割あるいは3分の2がカオダイ教の信者とも言う。