クララ・シューマン
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クララ・シューマン(Clara Josephine Wieck-Schumann, 1819年9月13日 - 1896年5月20日)はドイツのピアニスト、作曲家。ピアノ教師フリードリヒ・ヴィーク(Friedrich Wieck)の長女として生まれ、作曲家ロベルト・シューマンの妻となる。 夫の死後はヨハネス・ブラームスとの親交が深く、一時は恋愛に近い関係になった時期もあったようだが、結局再婚することはなかった。
目次 |
[編集] 生涯
- 1819年 誕生。
- 1824年 父フリードリヒにピアノを習い始める。
- 1828年 ロベルト・シューマンがフリードリヒに師事する。
- 1836年 フリードリヒにロベルトとの交際を禁止される。後にフリードリヒを相手取って裁判を起こす。
- 1840年 ロベルトと結婚。
- 1843年 フリードリヒと和解。
- 1856年 ロベルト死去。
- 1877年 ロベルトの作品全集の編纂を始める。
- 1896年 死去。
[編集] 音楽家としての足跡
- クララの父フリードリヒ・ヴィークはクララが幼いときに妻(クララの母で歌手)と離婚した。妻に収入を頼っていた父フリードリヒは自らの子に目を向け、一番可能性がありそうなクララにだけ教育を施し、他の子供の育児を放棄していたという。彼はクララを「第二のモーツァルト」に仕立てようとしていたと言われる。一説には彼女が日記に書く内容まで指示していたいう。その甲斐あってか、クララが12歳の頃には彼女はヨーロッパで演奏会をして回るようになる。
- 当然の帰結ではあるが、優れたピアニストとしてヨーロッパ中で絶賛される。しかし、「譜面通りの演奏であまり面白くない」という評も若干残されている。
- 作曲家としても幼くして才能を発揮していたが、当時は女性が作曲家になる事は世間に認められていなく、女性というだけで曲を正当に評価してもらえなかったために37歳の頃に作曲をやめ、ピアニスト及びピアノ教師として生きる事を決意する。クララの作曲は当時のモーツァルトやベートーベンが同年代の頃に書いたものと比較しても遜色がなく、作曲をやめていなかったら彼女は最高の作曲家として名を連ねていたかもしれないという人もいる。ロベルトと共同でフーガ研究にいそしんだこともあり、競作の結果が残っている。
- ロベルト・シューマンと結婚した後に、彼が子煩悩であったために8人の子供を設けたが、長男エミールは一歳で死亡し、末子のフェリックスはロベルトが精神病院に収容されたので父の顔を覚えていない。三男フェルディナントはロベルトの精神傷害を部分的に遺伝したのが原因で、自殺した。ということは、1840年代は妊娠しながら演奏会をしてヨーロッパを回っていたことになり(演目はほぼ暗譜)、大変なハードスケジュールであったことが日記に残されている。彼女自身は子供に関しては「3,4人で十分」という言葉を残している。
- たくさんのピアノ演奏の弟子を残したもののシューマン演奏に晩年まで執心したのは、最後の直弟子であり作曲家兼ピアニストのアデリーナ・ダ・ララ(1872-1961)だけだった。世界初のシューマンのピアノ独奏作品選集の録音がある。
[編集] ブラームスとの関係
ロベルトが「俺は知っている」とうわ言のように遺言を残したために、ロベルト没後150年を経た現在でも不倫説が絶えないが、決定的な証拠は残されていない。一時期は「フェリックスはブラームスの子供」という誤報まで飛び交ったほど、親密な付き合いであったといわれている。ちなみに、ブラームスはクララが没した翌年、まるで後を追うかのように病没している。
[編集] 作品
[編集] ピアノ独奏曲
- 音楽の夜会 Op.6
- 即興曲「ヴィーンの想い出」 Op.9
- ローベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.20
- ロベルトの「色とりどりの小品 Op.99」の第4曲「アルバムの綴り第1番」を主題としている。ブラームスが同じ主題で「変奏曲 Op.9」を書いている。
- 3つのロマンス Op.21
- ピアノソナタ ト短調
[編集] ピアノ協奏曲
- イ短調 Op.7
[編集] 室内楽曲
- ピアノ三重奏曲 Op.17
- ピアノとヴァイオリンのための3つのロマンス Op.22
[編集] 最後のマルク紙幣に
クララ・シューマンは最後のドイツマルク紙幣(100マルク札)に肖像が使用された。