グラスウール
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グラスウールとは、短いガラス繊維でできた、綿状の素材。建築物における断熱材として広く用いられるほか、吸音材(遮音ではない)としてもスピーカー等や防音室の素材として用いられている。難燃性にも優れており、アスベストの代替材としても広く使われるようになった。
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[編集] 製法
建築物や自動車の窓に使われていた廃ガラスが主な原料で、溶かしたガラスを火炎法・遠心法などで綿状とし、接着剤としてフェノール樹脂を添加して、板状・ロール上などに整形したものが製品となっている。
[編集] 火炎法
溶かした原料をガスバーナーで吹き飛ばして作る製法。燃料コストが高額になるため、現在では繊維径が細い(1 μm 以下)製品以外では用いられない。
[編集] 遠心法
スピンナー(スピナー)と呼ばれる、側壁に小さな穴があいた容器を高速回転させ、上から溶かした原料を入れ、遠心力で側壁の穴から吹き出させた繊維を集めて作る製法(綿菓子の製法とほぼ同じ)。スピンナー法とも呼ばれる。繊維径はおおむね 1–9 μm。現在ではほとんどがこの製法で作られる。
[編集] その他
ガラス繊維であり、触ると脆く砕けるので、普通は袋に入れた状態で使用される。グラスウールを用いた作業をすると、口の中に砂が入ったようになる、目が痛くなる、手が痒くなる、という症状が出やすい。ゴーグルおよびマスクの使用を勧める。