ケンタウロス
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ケンタウロス (Κένταυρος, Kentauros) は、ギリシア神話に登場する怪物。馬の首から上が人間の上半身に置き換わったような姿をしている。ラテン語ではケンタウルス (Centaurus) 、英語ではセンタウルあるいはセントール、セントー (Centaur) 、ドイツ語ではケンタウル (Kentaur) と呼ぶ。
ただし、半人半獣の怪物をまとめてケンタウロスと呼ぶ場合もある。 半人半竜のドラコケンタウロス、半人半驢馬のオノケンタウロス、半人半獅子のレオントケンタウロス、半人半魚のイクテュオケンタウロスなどがあり、これらと区別する場合、半人半馬をヒッポケンタウロスと呼ぶ。
イクシオンとヘラの姿をした雲ネペレとの間に産まれたとも、その間の息子であるケンタウロスが牝馬と交わり産まれたともいわれる。テッサリアのペリオン山やアルカディア、エリスなどに住み、たいていは好色で酒好きの暴れ者だが、中には出自の異なるものおり、彼らは野蛮ではない。
クロノスとピリュラの息子ケイロンは、アキレウスなどを教育した賢者として知られ、また不死であった。シレノスととねりこの精であるニュムペの息子ポロスも人格者である。
ケンタウロス族は戦いにおいてしばしば弓矢を使うとされる。星座のいて座は弓矢を持ったケンタウロス(神話の設定ではケンタウロス族ではない)の姿から来ている。
ダンテの『神曲』地獄篇第十二曲では、生前、人を虐げた暴君たちを血の川において懲らしめる獄卒の役目を果たしている。ダンテとウェルギリウスはケイロンと言葉を交わし、ネッソスに道を案内してもらった。なお、この姿は東方の騎馬民族と戦ったギリシア人が、彼らを擬人化したものだと考えられる。、ハリー・ポッターでは森に住む占いや占星術に長けた種族として登場する。
[編集] 関連項目
- ケンタウルス座
- ケンタウルス族 (小惑星)
- ケンタウロス (伝説のモーターサイクルクラブ)