コムド
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コムド(검도; kumdo,geomdo)は、剣道の朝鮮語での呼称。日本統治時代に日本の剣道が朝鮮に導入され、礼法や防具などを一部改変して現在の大韓民国においても盛んに行われている。実質的には剣道と何ら違いはないが、主に韓国人移民が、Kumdoを「韓国の伝統剣法」と称してアメリカ合衆国を中心とした各国に広めようとしている。
なおコムドの歴史として、これが日本剣道の始祖という韓国の主張があるが、その韓国側のソースをネットにて公開した際、多くの捏造点が認められ、否定されている。
また、この剣道の剽窃問題は全日本剣道連盟(日本剣道連盟の正式声明)及び、全日本剣道連盟配下の国際剣道連盟(国際剣道連盟の正式声明)にて取り上げられ、日本起源であるという国際的事実として確定され、Webサイトに掲載された。
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[編集] コムドと剣道
最近ではコムドこそ剣道の起源だと発言するコムド団体も多く、物議を醸している。「コムド」が剣道の元になったということは史実として疑わしい(古来より朝鮮では武官を軽視する傾向があった。このことについては後述)が、各韓国コムド団体の積極的な宣伝により、特に米国において在米コリアンが激増しているため「コムド=剣道の始祖」説が広まりつつある。これについての批判が日本国内において散見されるようになってきたが、全日本剣道連盟など国内団体はほとんど抗議する姿勢を見せず、コムド団体のなすがまま、コムドは剣道の起源という認識が世界中で広まっている。現在、公式な資料全ての中に、日本統治時代以前に、現在の「コムド」のものと思われる記述は発見できず、全日本剣道連盟も「コムド=剣道の原型」という説は否定している。韓国の大韓剣道会や大多数の剣道愛好家も同じくこれを否定している。当然ながら剣道がコムドの起源である。
[編集] 日本の剣術と剣道の歴史
[編集] 剣術
剣術は、木刀の形稽古をおこなうもので、上泉伊勢守、宮本武藏など有名剣客も防具稽古はしなかったし流派の名称も剣術ではなく兵法であった。また、江戸時代中期に打突稽古が始まった初期には小野派一刀流では防具稽古について論争が行われた。
補足:日本では、剣(つるぎ)から日本刀へ、ほぼ完全に移行したため、中国のように剣と刀を厳密に分ける習慣がない。本来は、『本朝武藝小傳』のように「刀術」とすべき名称も、「剣術」と称される事が多い。
[編集] 剣道
剣道は剣術の竹刀稽古 (撃剣) を明治末に大和心(大和魂)養成のための修行(高野佐三郎の歌にも「剣道は神の教えの道なれば やまと心をみがくこの技」とある)としたものであるが、後に現代武道の成立の際に剣道では人を殺める「剣術」から「剣道」への昇華であるとされた。
補足:明治時代成立の柔道、茶道、華道などは、中国伝統の道教、儒教の根源としての「道」(タオ)ではなく、全て芸道論としての「道」という独自の概念である。
[編集] 歴史
明代の兵学者である茅元儀が1620年代に著した『武備志』には、倭刀を両手で使う「戚継光演の倭寇刀法」(日本の陰流剣術から考案)と両刃の長剣を両手で使う「朝鮮勢法」なるものが記載されている。このうち、朝鮮勢法については、その当時の中国人武術家に朝鮮から伝わった長剣術であると伝承されていたものであるが、この伝承の正否を証明する文献等は存在せず、失伝したとされる唐の時代の中国式長剣術であるとする説もある。面白いことに李氏朝鮮の朝廷自体がこの「朝鮮勢法」を認めず、「茅元儀が創作したもの」としている。
この『武備志』記載の朝鮮勢法を「本国剣法」と呼び、朝鮮剣法の最古の形とし、これを練習させる点では、コムド団体、剣道団体とも同じである。
李氏朝鮮においては武官の立場は低く、朝鮮の貴族である両班の中でも、武班は常に文班の下位に置かれた。一般に朝鮮では肉体労働を頭脳労働の下位に置きたがる傾向があり、武官は戦闘技術を持った肉体労働者という扱いであった。当然武術は軽視され、高句麗以来の伝統である弓技以外は盛んではなかった。
日本統治下及び戦後の交流を通して、日本の防具・竹刀・道着・袴を使用し、両手で刀を使うという形式の「剣道」が韓国に伝わり、「剣道」として定着していったが、韓国は近年それらを「コムド」と呼びなおし、「韓国古来の伝統剣術の末裔」「日本剣術の祖」と主張している。しかし、その根拠は不明確である。
韓国における剣道の統括団体である大韓剣道会は、当然「コムド」と称していないが、前述のとおり『武備志』記載の朝鮮勢法を「本国剣法」として練習させ、昇段審査の際、日本剣道形と本国剣法の両方を審査するという独自の昇段基準を実施している。
[編集] 団体
大韓民国国内で約200団体以上存在するが、団体間の交流はあまり活発ではなく閉鎖的である。そして大韓剣道会側では他の剣道団体を偽者と呼んでいる(大韓剣道会だけ大韓体育会に加盟している為)。ここでは主に、彼らが主張する起源と設立の過程で分類している。コムド団体は現在大きく3つに分類出来る。
大韓剣道會(Korean Kumdo Association)、世界剣道協会(World Kumdo Association)、花郎コムドといった米国を中心に活動するグループ。日本の剣道と変わらないと自らも認めているが、剣道の起源を新羅の花郎や百済に求めている。蹲踞をせず、腰板のない独特の袴(白線あり)を着用し、昇段試験には本国剣法の形を課す。大韓体育会に加盟している唯一の国家公認団体である。大韓剣道会内部の派閥争いが激しく、反対派を除名したりしている。国際剣道連盟(International Kendo Federation)での主導権を狙っている。
- 海東コムド系
大韓剣道會系とは犬猿の仲で、いくつかの団体がある。高句麗の士武郎に起源をおき、竹刀稽古よりも 木刀や真剣の形を重視する一派。現代財閥の後押しの下、米国各都市で演武公演を実施している。作務衣様のコスチュームを着用する。ゴムド(Gumdo)表記が多い。昇段認定が大甘で昇段が早いのが人気。ハプキド道場で副業としてやっている場合もある。なお、大韓剣道会のHPに記されていた情報によれば、海東コムドは大韓剣道會を脱退した者たちが創設したもので、韓国国内で裁判が行われた結果、士武郎起源云々は事実ではないことが発覚したという。
- テコンドー・コムド系
韓国剣道連盟、韓国剣道協会、韓国真剣道協会、韓国伝統剣道協会などの有象無象の団体が離合集散を繰り返した末にテコンドー関係者中心に団結した集団。世界剣道連盟(World Kumdo Federation、総裁 クォン・ドンソン)はここから派生。韓国剣道連盟は世界剣道連盟所属であるが、規模の面では大韓体育会所属の大韓剣道会に大きく引き離されている。設立集会が開催されたが、地元紙では殆ど扱われず、世界40ヶ国に散らばってコムドをしている「韓国人」100人弱とその「家族」が集まった程度の「集い」だった模様。しかし、テコンドー関係者がバックにいるため、その政治的影響力は侮れない。韓国剣道連盟は大韓剣道會を除名された者たちが作った団体である。
[編集] その他
韓国政府はテコンドーも韓国独自の伝統武術などと述べているが、テコンドーは空手を研究したものであり、韓国に古来から存在する武術という根拠は皆無である。 また、ことある事に日本を目の敵にする韓国政府の政治のためか、剣道だけでなく合気道をも、ハプキドなどと称し、合気道の起源はハプキドなどという捏造した一説を唱えているが、これもまた捏造された説であることが証明されている。
[編集] 関連記事
[編集] 外部リンク
- 全日本剣道連盟
- 剣道に関する全剣連の見解 韓国起源説に関して記述