コンゴーレッド
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コンゴーレッドまたはコンゴレッド (congo red) はベンジジンジアゾビス-1-ナフチルアミン-4-スルホン酸のナトリウム塩で、第2世代のアゾ染料である。水に溶かすとコロイド溶液となるが、エタノールなどの有機溶媒にはより溶けやすい。
セルロース繊維に対して強い親和性を持つが、毒性が高すぎるため、綿織物、木材パルプ、紙などのセルロース工業には用いられていない。
[編集] 溶液中の挙動
pH 3.0 以下で青色、5.2 以上で赤色となるので、pH指示薬として用いられる。この色変化はリトマスのほぼ逆であるため、演示実験で簡単な手品に使うことができる。まずコンゴーレッドを酸と塩基の溶液に加える。赤色の溶液に赤いリトマス試験紙をひたせば青く、青色の溶液に青いリトマス試験紙をひたせば赤くなる。
水や有機溶媒の溶液中で会合する性質を持つ。これは分子内の芳香環どうしの疎水性相互作用によって π-π スタッキングが起こるためであると考えられている。様々な形・大きさの会合体が生成するが、主な形態はリボン状のミセルであると考えられている(このような場合「ミセル」の語は適切ではないかもしれないが)。この会合体は高濃度、塩の共存、低 pH などの条件下でより形成されやすくなる。
[編集] 染色活性
強い赤色に示されるように、重要な分光学的性質を持つ。すなわち、低濃度の水溶液はUV/Vis スペクトルにおいて 498 nm 付近に特徴的な高強度のピークを示す。モル吸光係数は約 45,000 L mol−1 cm−1 である。会合によってピークの長波長シフトが起こり、セルロースやアミロイド繊維に定着させると短波長シフトが起こる。また、アミロイド繊維に定着させた場合には蛍光活性も示すため、アミロイド症の診断の際に古い複屈折法に代わって用いられる事がある。
[編集] 診断への利用
生化学や組織学において顕微鏡用のプレパラートを作る際、細胞質や赤血球を染色するのに用いられる。コンゴーレッドで染色したプレパラートに偏光を照射すると、アップルグリーンの複屈折光によってアミロイド繊維を検出することができる。