サンタンジェロ城
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サンタンジェロ城(-じょう、伊:Castel Sant'Angelo)は、ローマのテヴェレ川左岸にある城塞である。日本語訳によっては、聖天使城、カステル・サンタンジェロとも呼ばれる。 正面にはサンタンジェロ橋(ponte Sant'Angelo)があり、わずかに離れた場所にあるバチカンのサン・ピエトロ大聖堂とは秘密の通路で繋がっているといわれている。
135年、皇帝ハドリアヌスが自らの霊廟として建設を開始しアントニヌス・ピウス治世の139年に完成した。 霊廟はきれいな円形で、太陽を象徴したハドリアヌスが戦車を引く像が頂上に設置された。暫くすると軍事施設として使用されはじめ、403年にはアウレリアヌスの城壁の一部に組み入れられ、14世紀からは教皇達により要塞として強化され、またその頃から牢獄や避難所として使用された。 クレメンス7世はローマが恐ろしい略奪を受けている間、カール5世率いるドイツ人傭兵(Lanzichenecchi)の包囲に抵抗するためこの機能を使用した。
城としての名称の由来は590年にローマでペストが大流行した際、 時の教皇グレゴリウス1世は、剣を鞘に収める大天使ミカエルを城の頂上に見て、これをペスト流行の終焉を意味するとした。
その出来事を記念して、16世紀にラファエッロ・ダ・モンテルーポ(Raffaello da Montelupo)による大理石製の天使の像を城の頂上に設置した。1753年からはPierre van Verschaffeltによる青銅製の像が設置してある。